持病がない?
新型コロナウイルス感染症で話題になるのが『持病』。
「持病があるかないかが重症化するかどうかに影響を与える」のだと云い、誰々には持病があったとかなかったとか、そんなことをテレビやマスコミで云ってます。でも、実際には持病があるかどうかなんてきちんとわかっているのでしょうか? マジメに通院しているヒトならともかく、世間では「自分は病気なんか何もない」と云い張る”病人”がたくさん居ることを知っています。そもそも健診すら受けないから糖尿病や高血圧や心臓病があるかどうかも知らない(知ろうとしない)くせに、「持病はない」と云い張る。ちょっと体調悪くても病院に行かずに薬局で市販薬を買ってやり過ごすヒトが都会にはとても多いことを知っています。
わたしの知人は小さな個人経営の社長さんだけど、検査は絶対にしない。「どうもないのに病人扱いされるから」と云う。一度ためしに健診受けてみたら、血糖が120あってHbA1cが6.7だった。「糖尿病だから治療受けろ」と保健師に云われたけど、「どうもないのにこの程度の値だけで病人にしたがる」と怒って、それ以降「検査は絶対に受けない」と云い続けています。そんな彼はコロナに罹っても「わたしに持病はない」と答えるでしょう。「わたしは免疫力をつけるためにいろいろしているからコロナにも絶対罹らない」というのが持論です。そんな彼のような輩は世間にとても多い。従業員は労働安全衛生法で健診を受けるのが義務づけられていますが、会社経営者は無職のヒトや主婦と同様に健診を受ける義務はないので、かえって厄介です。
「咳があって味覚障害があったけど、発熱はなかった感染者がいる」という報道にずっと怯えていましたが、さてこの「発熱」というのはどの程度のことをいっているのだろうと考えました。37度くらいは「発熱なし」と云うらしいが、平熱35.7度のヒトの36.8度は「発熱なし」で良いの?とか考えたときに、大きな疑問が湧きました。そもそも、世間のヒトは”平熱”自体をちゃんと把握しているのかしら。この騒動が起きるまで自宅に体温計すら持っていないヒトが大多数だったはず。若い女性で基礎体温計できちんと自分の体温測っているヒトなんて今いるのかしら。額を自分の手で触って「熱はない」と云うヒトも少なくないでしょう。
「持病」とか「発熱」とか、医療従事者の中では常識中の常識の基本データそのものがそもそも怪しいのに、急にまことしやかな常識用語としてまかり通り始めたことに返って戸惑っている昨今です。
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