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墓じまい

先日、2ヶ月半ぶりに越境して墓掃除と墓参りをしてきましたが、ちょうどその前夜に独りで考えていたことを、奇しくも妻が墓石を拭きながら呟きました。

「このお墓、将来どうするつもり?」

次男坊として生まれた父は独立して自分から家系図が綿々と繋がっていくことを夢見てこの墓を作りました。最初に土に帰ったのは母でした(享年57歳)。父が母を弔いながら数年後にこの墓を建て、母の死から19年後に父が突然死して土に帰りました。この墓にはわたしの父と母の骨だけが眠っています。わたしは姉と2人姉弟で、4歳上の姉は三重県に嫁いでいます。甥は2人いますが、彼らはこの墓とは無縁です(長男は爺ちゃん子でしたから時々ふらっと墓参りにきてくれているみたいですが)。わたしたち夫婦には子がいません。つまり、この墓はせいぜいわたしたち夫婦が入ることがあってもそれで終わり・・・その後、この墓を守る者もなく、この墓に参りに来る人すら無くなるでしょう。足繁く墓の掃除のために来てくれていた叔母もほとんど家から出られないくらい弱ってしまいましたし、叔母の子たちはこの墓とは無縁。実家が見下ろせる見晴らしの良い高台の墓地にある墓ですが、車がなければ到底来れない場所でもあります。

そんなことを考えたら、「むしろわたしが元気なうちにこの墓じまいをした方が良いのではないか。父は無念かもしれないけれど、無縁仏になる前にきちんとやることをやって整理した方が良いのではないか」・・・そんな想いが最近強くなってきています。わたしたち夫婦の骨の行き場がなくなりますが、妻はもともと「海に散骨してほしい」と云っていましたし、わたしもそんな形でも問題ありません(まあ、最後に処置をしてくれる人がどうするかはわかりませんが)。

これから、姉が元気なうちにそんな相談もしなければならないのでしょう。父母の骨は本家の墓に移してもらう(もっとも我が家の墓は吉相墓なので、2人の骨はもうすっかり土に帰ってしまっているでしょう)ことも可能かどうか話してみなければ。そして、何よりも、どんな手続きがいるのかも誰かに聞かないと何も知らない。そんなことを漠然と考えていたところだったのです。

「墓じまいの算段をしないといけないね」と答えたら、
「とりあえず、あなたが運転免許証を返納する時期が来たら考えましょうか。足がなければどちらにしろここまでこれないのだから」と妻が結論を出してくれました。

ふう。まだひとつ、重い任務が残っていることを思い出しました。

 

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