時間栄養学
生活習慣病を語るキーワードは、『睡眠』と『腸内フローラ』。この2つでほとんどが語られる時代になって久しいですが、さらに最近のトレンドは『時間栄養学』です。
『時間栄養学』とは、「いつ」「なにを」食べたらいいのか?という栄養学です。単純に「栄養素の何を取ったらいいか」とか「何と何を組み合わせたら糖尿病や高血圧に有効」とかいう理論ではなく、「同じモノでも夜食べるのと朝食べるのでは全く効果が違う」という部分が徐々に明らかになってきたのです。『睡眠』を制御する時計遺伝子(体内時計)によって人間の代謝が制御されている以上、栄養効果は時刻によって変化することは理にかなっていますし、逆に栄養素や食品成分によって体内時計自体を変化させることもできることも分かってきているようです。体内時計は年齢でも変化するし生活様式でも大きく違ってくるわけで、それを無視して単なる栄養素で語ることには無理があります。毎日服用するクスリでも、飲む時刻の違いで薬効や副作用に影響することがあることは経験したこともあるでしょう。これもある意味『時間栄養学』なのかもしれません。
今回、職場の勉強会で話すために時間栄養学についての特集記事(日本抗加齢医学会 アンチ・エイジング医学2019.vol.15、および2020.vol.16)を読みました。『時間栄養学』だけでなく『時間運動学』(サルコペニアやフレイルやインスリン抵抗性の予防/改善にも適切な運動タイミングがある)の概念も面白いと思いました。ここでは、
●『メタボ異常と時間栄養』大池秀明先生(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門)
●『時間栄養学の視点からみた抗加齢対策』緒形ひとみ先生(広島大学大学院総合科学研究科)
●『加齢性疾患と時間栄養・時間運動学』高橋将記先生(早稲田大学重点領域研究機構)
を自分なりに整理したので紹介します。
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