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人間ドック7時間滞在

先日、首相が大学病院の日帰りドックで7時間も滞在した、と話題になっていました。「人間ドックごときでそんな長時間かかるのはおかしい。何か特殊な精密検査をこっそり受けているのではないか」という憶測が流れたようで、マスコミが大騒動してました。

大物政治家の裏事情は決して表には出てこないモノだから真相は存じませんが、人間ドックに従事する一医師として一応お書きしておきますけど、日帰り人間ドックでも全大腸内視鏡検査を受けるなら、普通にこの程度の時間はかかります。結果説明まできちんと聞くならもっとかかるかもしれません。特診なのでしょうから、最優先で最低限の時間で検査をしてしまおうと思えばできないことはないかもしれませんが、休養も含めて普通に進めればそんなものです。持病があるので必ず全大腸内視鏡検査は受けるでしょう。腸洗浄剤で大腸内の便をすべて出してしまうまでは検査ができないのですから、腹部超音波検査やレントゲンCT検査などを終えた後に洗浄剤を飲み始めること、人によっては通常の量の洗浄剤では合格が出ないこともあること、大腸検査の後には約1時間ほどは休養するであろうこと・・・いや、首相のスケジュールを擁護したくて書いているのではなく、普通に人間ドックを受けようと思っている方に、「全大腸内視鏡検査を受けるならドックは1日がかりだから、その覚悟で来てください」と伝えたかっただけです。

そもそも、『人間ドック』というのは、大物政治家が俗世から離れて(マスコミや野党の追及を逃れる意味も含めて)、大型の船がゆっくり点検を受ける船のドックのように、ゆっくり1週間くらい時間をかけて身体全身をくまなくチェックする、という意味でできたコトバです。いつの間にか、無駄な時間を省いて検査を詰め込めるならさっさと終わらせてほしい、という単なる『総合検査』の意味合いになってしまってますけれど、そうじゃないんですよ、とも云っておきたいと思います。

 

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