新型コロナの後遺症
Care Netの2020.8.11配信号で紹介されたドイツからの研究報告は、かなりショッキングな内容でした。
”最近COVID-19が治癒した100例におけるコホート研究で、心臓MRI(CMR)により78%に心臓病併発、60%に進行中の心筋炎症が認められたことを、ドイツ・フランクフルト大学病院のValentina O. Puntmann氏らが報告した。また、これらは既往歴、COVID-19の重症度や全体的な経過、診断からの期間とは関連がなかったという。JAMA Cardiology誌オンライン版2020年7月27日号に掲載”
2020年4~6月にフランクフルト大学病院COVID-19レジストリにおいて、COVID-19が最近治癒した100例を対象とした前向き観察コホート研究によると、心筋傷害が存在することを示す高感度トロポニンT(hsTnT)が71例(71%)で検出され、対照群に比べると明らかに左室駆出率が低く、左室容積および左室心筋重量も大きくなっていたそうです。MRI検査による心筋炎所見も多くに認められていました。
ドイツの結果ということはいわゆる”ヨーロッパ由来”のCOVID-19がメインで、これは強烈な破壊力を持つウイルスだから心筋炎を併発してもおかしくないとは思いますが、病気が治癒したとされている人の大多数にまだ心臓傷害が残っていたこと、そもそも感染時の症状の程度や転帰の重症度に関連がないことに驚かされます。かなり敏感な検査ではあるので臨床症状が落ち着いてからこれらが落ち着くまでにはかなりのタイムラグがあって然るべしとは思いますが、もしや治癒後の全身状態がなかなかよくならない人が多い理由はこんなことにも一因があるのかもしれません。
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