最近気になっていること~口内調味
遠いむかし、『三角食べ』のことを書きました。お汁を一口飲んでおかずを一つまみ口に入れて一緒に白ご飯も口の中に入れて混ぜて食べる食べ方です。一方、おかずや汁物を一つずつ食べきってから次ぎ行く食べ方は『ばっかり食べ』というらしいです。わたしたちの世代は、子どもの頃に『三角食べ』の食べ方を指導されていて身についてしまっているから、現代社会の若者のような『ばっかり食べ』には抵抗があります。
でも、先日テレビで、若い奥さんが旦那が料理をご飯にかけて丼のようにして食べることに切れた!という話がでていて驚きました。おかずをご飯にかけて混ぜて食べたら、せっかくおいしく作ったおかずの味が台無しになるというのです。ばっかり食べが基本の最近の若者たち(もはや小さい子のお母さん世代もか)に云わせれば、料理を混ぜて食べるなんて汚らしくて気持ち悪いそうです。「だって、洋食のフルコースなどは一つ食べ終わってから次が出てくるでしょ?」とまで云われます。どうも、日本人には常識なのに欧米人にはできない概念:”口内調味”の良さがどこかで伝えられなくなってきているようで、寂しい気持ちになります。”口内調味”とは、「調味(味付け)していない飯など主食におかずや飲み物を付け合わせて口に入れ、口内で噛みながら混ぜ合わせることが調味になる、その調味および食べ方」(Wikipedia)です。「ごはんは味がないから嫌い」と云うヒトがいて、欧米人のようにピラフなどに調理したごはんでないと食べないというのですが、基本、日本食ではごはんはごはんだけで食べるモノではありません。だから、食後高血糖を予防するための”ベジファースト”や”カルボラスト”の概念の元、「先におかずを食べ終わってから最後にごはん」という食べ方が日本食ではむずかしくなるのですが、これはそもそも『三角食べ』の概念を否定した食べ方ではあります。
もっとも、日本のごはん。ごはんだけ食べても実はしっかり味があります。噛まずに飲み込む輩には理解できないかも知れませんが、噛めば噛むほど甘くなってきます。「ごはん大好き」というヒトほど噛まずに飲み込むので、本当はごはんの味なんか全く理解してないんだろうな、と思うことしきりです。
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