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2020年10月

腹を空かしてほったらかす

「脂肪肝を減らすためには、腹が空いてもそのまま食べずにほったらかす作業が必要なんですよ」と説明したときに、受診者さんから反論されました。「以前、ここで栄養指導を受けたときに、『朝食と昼食の間が長すぎるのが問題なんじゃないか』と云われたんですよ!わたしは早朝に食べた後、仕事の都合でお昼が14時以降になるんです」と。最初は、何を云っているのか理解できませんでしたが、つまり「お腹が空き過ぎるのが悪いんだ」と云われたということを主張しているのだな、とわかりました。

 『セカンドミール効果』のことを説明されたのだと思います。つまり、食事の間隔が開きすぎて空腹が強くなると同じモノでも吸収率が高くなって高血糖を促したりする、ということ。朝食を抜くと返って血糖値が悪くなったり内臓脂肪が溜まったりする原因になるから食事は規則的に同じ間隔で食べた方がいい、と。

それとは全然違う話です。昼食までの時間が開き過ぎても、昼食をまともな量を食わなければ問題ない。というか、おそらく空腹のピークはもっと早くに来ていて、実際に食事を取る頃には空腹のピークは越えているはず。そのときにカラダに蓄えているエネルギーを使うのだから、たぶん昼食は想定の半分量でも十分満足できるはず、と云いたかったわけです。「お昼はそんなに多くは食べません。普通ですし、少し残すようにしていますし」とまだちょっと不服気味。いや、そんなに理屈でモノは食わないでほしいと思います。実際、その食事間隔の取り方は仕事を続ける上ではいかんともしがたいわけでしょうから、別に「間を長くさせないために昼前におにぎりでも捕食したらいい」と提案したいわけではありません。ただただ、昼食が少なすぎても全然困らない・・・だって、カラダにはそんな有事の際のために大量の蓄えがあるのだから・・・と伝えたかったのです。

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自分の決めたこと

「あれ、今日はしたかなしなかったかな。した気がするけどあれは昨日のことだったかな?」・・・こんな時は、「きっとした」と考えることにしています。まあ余裕があったら追加で一度しておくこともありますが。

でも、「薬は、飲んだかな飲んでないかな?」と悩んだら、「飲んでない」と考えることにします。飲み過ぎて困るような薬でもないので、追加で飲みます。

こんなスタンスで生きてきてまだ何もトラブルはないから、「これで良いのだ!」と思っているわたしです。

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境目

高血圧治療中のわたしは毎朝血圧を測ります(高い値が続いたのでさすがに怖くなって)。起きてすぐよりもちょっと朝のルーティン(洗濯物干しやゴミ出しや仏壇の水替えなど)を済ませてから測ります(その方が少し低くなるので)。「138/86、まあまあかな」と思う(本当は家庭血圧としては、しかも治療中の値としてはコントロール不良だけど)。一応2回目を測ってみると140/90・・・「見なかったことにしよう」と記録を削除(本当はダメですよ、3回測ってその平均値を記録するのが家庭血圧測定の決まりです)。高血圧症の基準(診察室血圧で140/90以上)の上か下かで一喜一憂するのが人の常ですが、本当は140と138にはほとんど差がありません。

「先生、わたしの平熱は36.1~36.2℃くらいなのですが、最近35.8~35.9℃になります。代謝が落ちているのでしょうか?」と質問した受診者がいましたが、「それ、36という数字に惑わされていますけど,ほとんど同じだと思いますよ」と答えました。数字って怖いですね。

洞性徐脈の定義は50bpm未満で、洞性頻脈の定義は100bpm以上。だから、50bpmも99bpmも正常だけど、49bpmや100bpmは異常・・・健診の結果表に赤印がつくだけで急にオロオロする方もいます。空腹時血糖が99は合格で100は不合格・・・メタボ健診の基準なので正常高値をひっかけますが、血糖102(ちょっと高め)だから生活習慣の努力を頑張ったら1週間後には98になった。「これはすごい!驚きました」と喜びの声・・・こんな健康番組がいまだにありますが、「98も102も一緒じゃん!」とテレビの前でツッコむ医療者たち。

でもこの基準があるのはやむを得ないのです。どこかに境目はいるのです。頑張るポイントです。99bpmも100bpmも「脈が速い」という点では同じだけど、注意を促す境目の上か下かは意識の対象としては重要。アディポネクチンはたしかに4.0を切ると一気に動脈硬化を進ませますし、GFR60未満は確かに腎臓の予備力を落としています。そのちょっと上がセーフなわけではないけれど、この境目から陥落したらマジでヤバいんだからねというレッドアラーム。まあ試験の点が60点か59点かでは人生を変えるほどの差が生まれますから、それほど明確な線引きでないところが弱いと云えば弱いのだけれど。

ちなみに、最近のわたしの家庭血圧は126/74とか118/66とか・・・生活は何も変わってないのに・・・返ってこっちの方が怖いわ。

 

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O型の皆さん、朗報です。

コロナ感染は血液型で決まる!? O型で陽性率低い、デンマーク・47万人超研究

 Medical tribuneの記事を抜粋しますと、”血液型によって新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する感受性に差があるとする研究結果が、米国血液学会誌Blood Adv ( 2020; 4: 4990-4993)に掲載された。報告したデンマーク・Odense University HospitalのMike B. Barnkob氏らによると、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査を受けた47万人超と一般集団を比較したところ、血液型がO型での陽性率が有意に低かったという” だそうな。しかも人種による差もなかったのだとか。

一方、<新型コロナの重症化しやすい血液型が判明

”血液型がA型およびAB型の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者は、重症化しやすいとの研究結果がBlood Adv (2020; 4: 4981-4989)に掲載された。報告したカナダ・University of British ColumbiaのRyan L. Hoiland氏らによると、O型およびB型のCOVID-19患者に比べA型およびAB型の患者では、機械的人工換気および持続的腎代替療法(CRRT)を要する割合がいずれも有意に高かったという” という記事も同時に報告されていました。

まとめると、O型はそもそもかかりにくい。A型とAB型はかかりやすい上に重症化もしやすい。B型はどちらでもない。違う国の違う住民を対象にした研究結果だということだから、こりゃA型であるわたしは、B型の妻やO型の友人たちとは一線を画しておかねばならないってことですね。
 

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喉元過ぎれば(後)

(つづき)

ただ、約10年前の東日本大震災の折、日本中の街の灯りが消え、コンビニのライトが間引きされ、うちの職場でも職員はエレベーターを使わずに階段を利用しよう!と言っていたのに、そんなことなんかすべて忘れたかのように不夜城に戻り、わたしが階段に向かうのを尻目に若いスタッフは皆屯してエレベーターの箱が降りてくるのを待っている・・・今年の社会現象も、そのまま新しい生活様式としてできないことはないけれど、これをスタンダードに位置づけることはしたくないと多くの人が思っていることでしょう。

ま、そんな批判を書いているわたしですが・・・日頃の暴飲暴食の祟りで先週末にしゃっくりが何度も出るようになったとき、酒の飲み過ぎだけでなく食べ物を丁寧に食べないから逆流性食道炎を起こしてそれがきっかけでしゃっくりになることを自覚したわたしは、週明けのお昼のお弁当を食べるのにいつもの5倍くらい時間をかけて食べました。「飲み込みかけて、まだ噛めそうだったらあと数回噛んでからゆっくり飲み込む」・・・日頃、人間ドックの結果説明時に自分で云っていることを実践したわけです。そのおかげでしゃっくりが出なくなり、そのまま夜もビールを飲まずに夕食を丁寧に噛み倒すことによって無事に胃のトラブルは解決しました。で、その後どうしたか? 翌日のお弁当くらいまではマジメに取り組みましたが、胃の調子が戻ったら、なかなか噛んではいられない。「噛まなきゃ」とココロでは戒めるのだけれど、面倒くさくて。せめて,お酒だけはしっかり減しましたが、さてさていつまで続くことやら。カラダから発したレッドカードも、謹慎期間が過ぎたらすべてを忘れてもとの生活に戻ってしまうのが、ヒトのサガ。

喉元過ぎればなんとやら、です。

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喉元過ぎれば(前)

来年度から首都圏のJRが始発を遅らせて最終を早める予定だとニュースで云っていました。終電が最大37分早まるというので、どんな影響が出るのか色めき立っていましたが、どうせ、そうなったらすぐに慣れます。それだけ遅くまで飲めなくなるとぼやく人もこれで付き合い酒しなくて済むと喜ぶ人も、最終前の客が減ると収入が痛手だと不安がる飲み屋の店主も、そうなってしまえばそれなりの対応をしていくでしょう。

”働き方改革””ブラック企業””過労死””仕事の質”・・・いろいろな問題が一気に吹き出た昨年、コンビニや牛丼屋を夜の時点で閉店したらいいのではないかとなったら、それに関わる流通機構のすべてが影響を受けるからそうはいかない!とストップされていたのに、今年になって新型コロナの影響で客が居なくなって、イヤでも閉店を早めなければならなくなったらなったで、生きていくために皆工夫をして、「絶対ムリ!」と云っていたことが実現した。そんなことは山ほどあるから、きっと生活様式を変えてしまえばまた皆が何事もなかったかのような平穏な生活に戻ることでしょう。今の若い人たちは、今の生活が当たり前だから、それが不便な方向に変わるなんて言語道断だと思っているのでしょうけれど、すぐに慣れてしまえると思います。ついて行けないのはいつもわたしたちのような昭和生まれの年寄りだけ(ま、今のわたしの生活ではそもそも何も影響を受けることがありませんが)。

(つづく)
 

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コロナの遺伝子解析

コロナ重症化の鍵は「ネアンデルタール人

 最近、新型コロナの重症化リスクとなるゲノム配列がネアンデルタール人由来であるとの論文が『Nature』掲載されたとのことで、テレビでも話題になっているそうです。今回、それを詳しく解説してくれた鎌谷直之先生の記事をMedical tribuneで読みました。

ネアンデルタール人の遺伝子配列と同じだから、ネアンデルタール人の遺伝子配列が残っている南アジア(特にバングラディッシュ)や欧州人に重症化が多く、ほとんどこのリスク配列を有さない東アジア人には重症化が少ない、というこのレベルは分かっていました。もっとも、今年流行したCOVID-19の遺伝子型にはヨーロッパ型と中国型とその他があって、顕著に重症化したり急激に悪化して亡くなったりした人が罹ったのはヨーロッパ型だった(だから、日本が遅ればせながら重症化したのは卒業旅行などでヨーロッパに旅行した連中が持ち帰ったものが広がった)ということが始まりだった気がするので、これは今回の話とは別物か。

それで、今回の鎌谷先生の解説の中で興味があったのは、問題の第3染色体にあるリスク配列の民族による差が”偶然”ではなくて”選択”により起きたのであろうというところです。

『具体的には、東アジアではなんらかの感染症によりこの第3染色体のリスク配列が消失した可能性がある。例えば、今回と同様にコロナ系のウイルスがかつて東アジアで流行し、リスク配列を持つ人々を死亡させた可能性がある。全ゲノムレベルでは、東アジア人にもネアンデルタール人のゲノム配列が残っているので、特にこのリスク配列が選択により消滅した可能性がある』・・・つまり、自然淘汰されて、今回のCOVID-19に強い遺伝子型の人間だけが生き残ったというわけです。で、一方で、『南アジアでは逆に、このリスク配列がなんらかの感染症に有利であった可能性も否定できない』・・・つまり、COVID-19に弱い遺伝子配列の人が生き残っているということは、その方が生きていく上で有利な何か他の敵が存在する可能性があるということです。

『ネアンデルタール人がCOVID-19を重症化させるゲノム配列しか持っていなかったとすると、これが彼らの絶滅の要因となった可能性も考える必要があるだろう』・・・そう、ネアンデルタール人が5万年前に忽然と絶滅した理由がこれではないか? 古代の文明が突然理由もなく消えていく時、天変地異説や感染説や惑星衝突説やいろいろあるけれど、これも遺伝子の研究で解明できるかもしれません。
 

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意識を前向きに

熊本市では『げんき!アップくまもと』という健康管理アプリがあり、わたしもスマホに入れて使っています。毎日の歩数の記録だけでなく、血圧、健康度、行動目標達成の有無などが毎日入力できます。もちろんイベント参加や健診受診、あるいは健康クイズに解答するなどしてポイントを獲得するシステムでもあります。

わたしもマジメに記録していっているのですが、毎日入力する健康情報のうち、必須項目に『健康状態』の主観的評価があります。「絶好調」「ふつう」「いまいち」の3つから自分で選びます。まあまあの日々なので、根が真面目なわたしが選択するのはほぼ毎日「ふつう」、そして寝不足や頭痛があるときにたまに「いまいち」を選ぶ、そんな感じです。

でも、ふと思ったんです。「ふつう」って何を基準にしている? 自分の主観なんだから、自分で基準を決めればいいんじゃないの? もしかしたら、自分が「ふつう」と思っているだけで、毎日の今の自分は本当は「絶好調」なのかもしれないんじゃないの? と。どうせ、過大申告したからといって誰かに咎められるわけでもないのだから、できるだけゴキゲンな毎日にした方が得なんじゃないの?と。

ということで、昨日から「ふつう」なら「絶好調」にチェックを入れることにしました。

 

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歯の健康

そんな我が家の愛犬が最近になって急にフードを貪り食うようになりました。涼しくなって食欲が増したのかとも思いましたが、どうも違うみたいなのです。たぶん、先日5年ぶりに受けた歯垢除去治療のおかげではないかと思います。

彼女は仔犬の頃から食にムラがあり、食べることにあまりこだわりのないイヌでした。食べたいときに食べたい量だけ食べて、食べたくなければ残っていても全く手を出さない、そんな犬らしくないイヌでした。だから、夏場にあまり食事をせがまなかったのは自分の中での自己調整かあるいは単なる夏バテかなと思っていたのです。ただ、最近、ちょっと口臭がひどくなり歯茎が少し赤くなっている気がしたので、そして年齢を考慮すると全身麻酔で施術するには今が限界ではないかと思ってかかりつけ医にお願いしたのです。術前検査ではさすがにサーチュイン犬だなと思うほどの健康体ぶりではあったけれど、これを機に老化が進まないかとても心配しました。

でも、杞憂に終わりました。というより全然逆で、返って若い頃のように一気に食べるイヌに変わりました。よほど歯茎が不調だったのだろうなと思うと「ゴメンね」という気持ちになります。

最近、歯肉炎や歯槽膿漏の原因になる菌がアルツハイマー病を促進させることがわかったとか、歯の健康が生活習慣病やがんの予防につながるということも明確になってきています。歳をとって、食事を美味しく食べられるということがどれだけありがたいことか、本当に感謝しなければなりませんね(歯磨ききらいな私ではありますが、しっかりケアせねばと思う今日このごろです)。

 

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よろめく

『よろめきドラマ』(古いか)の”よろめき”ではありません。

最近、左によろめくことが頓に増えてきました。歳をとって筋力が落ちたからとか、平衡感覚が弱ってきたからとか、そんなこともあるかもしれませんが、明らかに左方向にだけ、何の障害物がなくてもよろめきます。

座っているときに左足のしびれ感を感じる機会も最近多くなってきていますから、これはおそらく平成14年に交差点で信号無視の軽トラにぶつけられたことが原因でしょう。あの時は、わたしの愛車は道路脇の電柱に突き当たって大破し、わたしも頚椎と腰椎に軽度のヘルニアを起こしました。不幸中の幸いで、事故の激しさの割には五体満足に過ごしていますし、画像診断上のヘルニア所見もせいぜい左半身のしびれ感があるかないかくらいのモノでした。その後数年でほとんど症状も気にならなくなっていたのです(時々思い出したように左の腰痛が起きますが)。それがここへ来て急にふらふらし始めた・・・きっと筋力検査したら左の方が明らかに低いことだろうと思います。きっと、意識して均整を保つ歩き方を心がけたり筋力トレーニングを加えたりしておかないと姿勢のバランスが壊れてくるのではないかと、ちょっと心配です。

そういえば、もうすぐ満12歳になる我が愛犬も散歩中に時々左足がガクッとつまずきそうになることが最近増えました。単に爪が曲がっているせいかなとか思っていましたが、散歩から帰って足を拭く時に、右脚を持ち上げるとフラフラします。どうも、彼女も左足の筋力が低下しているのではないかと疑っています。わたしは階段昇降時には手すりをもつことができますが、彼女は丸腰です。いつも若者気取りで駆け上がって駆け下りていますから、ちょっと注意させないといけませんね。

ヒト・イヌのお互い様の老老介護の日常であります。

 

 

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『新しい生活様式』

定期発行の機関誌が発行されましたので、いつものように定期掲載のコラムを転載します。この原稿を書いているときに、「まだこんな過去のことを書いているの?」と嘲笑されることを期待していましたが、どうも、目論見は外れてしまいました。まだまだコロナ禍はアフターになりそうにありません。

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『新しい生活様式』

この原稿が掲載される頃、社会は一体どうなっているでしょう? 突然襲ってきた新生物が世界中を恐怖に巻き込んだまま出口も見えないのに、さらに大雨が地方都市を一瞬にして呑み込んだかと思えば次は連日の体温越えの猛暑。昔観たSF映画の様に、地球が人間の生きる場所ではなくなる・・・そんな不安を抱きながらこれを書いています。

今年はきっと歴史に残る年になります。「今だけだから、もう少しだけがまんして」と言われながら、一体どれだけ頑張ってきたことか。新型コロナの出現は、社会のあらゆることを根本から変えました。不幸にして生活の糧を失った方もいます。学校も職場も家庭生活も通勤も遊びも買い物も宴会もスポーツもコンサートも、何もかもが1年前とは全く違います。でも、そんな中で私たちは意外と強(したた)かに生きています。「ステイホーム」「コロナ太り」「3密」「ソーシャルディスタンス」「自粛警察」・・・いろいろな用語が生まれ、最初は恐怖と絶望に打ちひしがれていたのに、いつの間にか手洗いもマスクも日常になりました。自作マスクや柄入りマスクは当初は異様でしたし「真夏にマスクなんて」と思いましたが、気付けば可愛いデザインや新性能の品物を手に入れて皆がオシャレに着こなしています。テレビ会議やオンライン授業やライブ配信のコンサートにも慣れました。もしかしたら、コロナ禍は人類の進化の過程の必然だったのかもしれません。そもそも未経験の出来事に対しては正解がありません。すぐに前の生活に戻るかもしれないし、これがニューノーマルに変わるかもしれない。「2020年は大変な年だったね」となるのか「2020年までは原始的な生活をしていた」と歴史の教科書に載るような変貌をとげるのか、それはもうしばらく経たないと分からないことです。

ただ、私が一つだけ気にしているのは、“直接触れ合えなくなること”への危機感です。IT化が進み、バーチャル空間のもとで「場所の壁や時間の壁を取り去り、働き方や勉強やコミュニケーションのあり方に全く別の生き方を選択させる」と某学会誌に書いてありました。夢の世界の実現がコロナ禍のおかげで加速された感じですが、バーチャル体験ではどうしても体現できないのが“触れる”ことです。直接手をつなぎ、肌が触れあい、吐息を感じることで繋がり合い、癒やし合える。それが人間です。ともに口角泡を飛ばして語り合い、ともに歌い、ともに感動し合うこと・・・それはバーチャルでは偽物になるのではないか・・・こんなことを考えること自体が古い人間の杞憂でしょうか。この正解もまた、時が経って初めて分かることでしょう。

唯一今分かることは、「巣ごもり生活のせいで太ってしまって」という“コロナ太り言い訳”はそろそろ通用しなくなってきたということですかね。

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しゃっくり

先週末の夜から出始めた”しゃっくり”は、治っては出てきて治っては出てきての繰り返しで、今日も朝から危なっかしい状態を続けています。市販の漢方胃腸薬を飲んでも繰り返すので、今朝からガスター(ファモチジン)を内服。これで落ち着いてくれるといいのですが・・・。

わたしがまだ医学生だったころ、母は若くして胃がんで逝きました。何度も検査して2年後にやっと胃がんが見つかる前、長いこと、しょっちゅう”しゃっくり”をしている母の姿を見た記憶があります。”しゃっくり”=「胃が悪い」を認識したきっかけでした。

今回のわたしの”しゃっくり”は、最近の暴飲暴食が祟っているのは分かっています。昔、東京で働いていた頃、朝の出勤時にしゃっくりが出ることがありました。当時吸っていたタバコのせいだとは分かっていました。毎晩大酒飲んで、さらにタバコを吸って、そして朝の一服が引き金になって・・・胃が酒+タバコを受け付けていないのだということは気付いていましたが、数日少しだけ自粛しただけで、結局止められなかった。その後、タバコは止めたし、ピロリ菌の除菌も済ませて、割と調子の良かったわたしの胃。ただ、最近、夜の食生活が煩悩に勝てずにいます。毎晩3缶も4缶もビールや酎ハイを空け、その挙げ句に日本酒や焼酎に手を出すこともある毎日。さらに夕食だけでは足りずに夕食後におかしを貪り食う・・・。しゃっくりのきっかけは決まって空咳。突然喉がもぞもぞし始めて、「ここで咳をしたらしゃっくりになるかも」と分かっていても、せずにはおれない。きっかけは逆流性食道炎なのでしょう。暴飲暴食で突然出てきたお腹で、前屈みの作業(ノートパソコンなど)して胃を押すからすぐ起きる。

若い頃のタバコと同じで、最近のわたしの生活があまりに目に余る状態になったがために自ら警告を出したのだということ、さすがにわたしにも分かるから、今日から自分なりに自粛することにいたしましょう。毎日、人間ドックの結果説明の時に、受診者さんに諭していることを具体的に実践すればいいだけのことなのですから・・・まあ、説明の時にも付け加えていますけれども、「することは分かっているし、とっても簡単なこと。でも、よほど『しなければならない』という切羽詰まった感がなければそう簡単には煩悩には勝てません。ニンゲンだもの」・・・これなんですよね、最大の敵は。

 

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プライバシー

健康アプリはプライバシーを危険にさらす

 スマートフォンなどで提供されている、心拍数、血圧、体重などを記録する無料の健康管理アプリは、使用することで個人の健康データが知らないうちに第三者に渡る危険性があるという記事です。配信されてきたCareNet(2020/10/14)に出ていましたので紹介します。”このような健康管理アプリの危険性に関する研究結果が、米国心臓協会(AHA)のHypertension 2020 Scientific Sessions(バーチャル開催、9月10~13日)で発表され、「Hypertension」9月号(Issue Suppl_1)に、その抄録が掲載された”そうです。”「西部開拓時代に丸腰のままいるようなもの」”という喩えはさすがアメリカだと感じます。

アメリカでは中国のSNSアプリが個人情報を盗み出すと云って使用禁止措置に踏み切るとかどうとか話題になりましたから、こういうことはかなり大きな問題になるのでしょう。日本の無料アプリだって全く同じように企業のマーケッティングや広告に利用されているはずですが、あまり騒がない。それは、「そんなこと当たり前だ」と割り切って使っている(わたしみたいに)か、全くそんな概念に興味が無いとか知らないとかかのどちらかなのでしょう。

”「アプリを開いて広告が出たら、すでに個人データが何らかの形で第三者に送られていると考えて間違いない」” そうでしょうね。わたしが毎日記録している血圧管理アプリ(無料)も記録する度に広告が出ます。製品版にアップグレードすることや、定期的に印刷しておかないと予告なしに消すかも知れないぞという脅しも出ます。「アプリを削除したらデータは全部消えます」とも書かれているから、iphoneをアップグレードしたら全部無くなるかもしれません。自分の高血圧の情報や毎日の体温の記録は紙に残すより簡単だから無料アプリで管理していますが、無くなったところで何も困らないし、このアプリに提供しているデータを使って高血圧じいさんの日常の傾向対策に利用するならどうぞお使いくださいと思っています。だって、こんな使いやすいアプリを無料で使わせていただいているのですから。

「タダより高いモノはない」と云われますが、「タダなのだからそれなりに身を削らないと」とも思うところです。まあ、これを第三者に提供されることで他の諸データが紐付けされて、マーケッティングだけでなく、セキュリティに関わる個人情報まで抜かれてしまうのは危険ですから、ほどほどの利用にとどめておかなければ、とは思います。

 

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子どもの運動不足

もうひとつ。コロナとは直接関係ありませんが、2020/9/25配信のこの記事も気になりました。

「子供の運動不足」は、親の生活習慣が良くない子供や、親との会話が少ない子供に多い

”「子供の運動不足」は、親の生活習慣が良くない子供や、親とのコミュニケーションが少ない子供に多いことが、文部科学省の「スーパー食育スクール事業」の一環として富山大学が実施した調査で明らかになった。” 

これによると、『子供の運動不足に「社会環境」「家庭環境」「子供自身の生活習慣」の3つの要素が関わっている』のだそうで、『運動不足の子供の特徴として、「仲の良い友達がいない」「2時間以上のメディア利用」「母親の生活習慣が良くない」「親とのコミュニケーションが少ない」という特徴があることが明らかになった』としています。各々の分析データが詳しく載せられていましたから、直接読んでみてください。そりゃ、友だちがいなけりゃ、よほど独りで黙々と走るのが好きとか筋トレしている自分に惚れるとかいうのでない限り(こんなストイック好きな人は自ずとストイック仲間ができるものですが)、家にひきこもることは想像できます。また、親が動くのキライなのに子どもだけ運動させるはずがないのだから、そりゃ親の教育は必須かもしれません。

もっとも、わたしが子どもだった半世紀以上前、学校から帰って暗くなるまで友だちと遊び回っていたのは確かだけど、少なくともうちの両親はどっちも運動オンチで動くのキライ(姉も)だったんですけどね~。

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新型コロナの影響~外出自粛

保健指導リソースガイドの2020/9/28配信号では、

【新型コロナ】外出自粛により生活リズムが変化 生活が夜型になった人は体重が増えやすい

”新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響を受けて、外出自粛やテレワーク、オンラインでの仕事が増え、生活リズムが変化したという人が多い。約3万人を対象に行われた調査で、外出自粛により生活が夜型化した人は体重が増え、朝型化した人は体重が減ったことが明らかになった。”

基本的に、ヒトには朝型と夜型があって無理に違うタイプに修正させようとすると自律神経機能に無理が生じて失調症状を起こしやすくなるということと、そもそもヒトのカラダは朝早くに起きて夜早くに眠るように設計されているから設計図と違う生き方をしている夜型人間は太りやすくなるということは、コロナ禍以前から指摘されてきていたことです。先日ここで紹介した『時間栄養学』の考え方も、これを支持しています。

今回、コロナ禍という共通の環境において、コロナ前と生活パターンが変わった場合を比較していますが、結果としてはコロナに関係なく『睡眠時刻が朝型(早寝、早起き)になった人は体重が減り、夜型(遅寝、遅起き)になった人では体重が増える傾向があることが分かった。』ということです。コロナ禍は、外出自粛やテレワークといった今までにない生活パターンを突然強いてきましたから、意図的に動こうとしない限り運動不足になるというのは確かかもしれません。もっとも、都会と違って田舎ではもともと車生活なのでコロナ前から運動時間を確保できていたわけではなく、運動量が減ったことよりもダラダラ食う機会が増えた(外食は減ったが家にいるといつでも食べられる)ことの方が太る要因になるのかもしれません。むしろ、通勤に費やしていた朝晩の時間が完全に自由になったから、コロナ前より運動できるようになったという話も良く聞きます。

結局、「コロナ太り」と「コロナやせ」は自分の心がけ次第、というかそもそもの自分のしたい生活パターンに近づけたかどうかにかかっているだけなのかも知れません。

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新型コロナの影響~ひきこもり

先月配信されてきた保健指導リソースガイドに気になる記事が数件あったので取り上げてみます。まずは、これ(2020/9/29配信)

【新型コロナ】「ひきこもり」が世界的に急増 オンラインには社会的関係を損なう危険性も

”新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックのために、各国の都市でロックダウンが行われた影響で、世界的に「ひきこもり」が急増している可能性があることが、名古屋大学などの研究で明らかになった。” 

もともと、社会とのつながりを遮断して家の中で日常の大半を送る『ひきこもり』は平成になったころから増えてきており、世界的な広がりの中で、”「Hikikomori(ひきこもり)」は国際語になった”というのは、恐ろしい現実。結局、世の中が便利になり、通信機能やインターネット環境が飛躍的に発達した結果、周りの社会と接しなくても困らない社会が生まれてしまったということでしょうか。さらに、人と接して心身ともに傷つけられることへの対処の方法も学習しないまま勝手に大人になり、現在の”個人尊重”のコミュニティは、お節介して社会に戻すのではなく、すぐさま切り捨てて「勝手にどうぞ」的な方法を取ってしまうようになりました。子どもの頃からそれなりのトラウマや挫折を経験しながらもこうやって社会人として生きていけている自分は、すべて周りの人たちのおかげなのだろうと思います。

そんな中で、今年の世界的なコロナ禍は「ひきこもり」に完全なる市民権を与えました(むしろこっちが多数派になろうとしています)。ロックダウンを解除したり、自粛宣言を解除したりしたところで、真に受けて動き回った輩のせいで再度感染拡大が爆発するという現象を何度も経験してしまえば、そして宅配やテイクアウトのシステムが今まで使ったこともなかった老若男女までに普及してしまった今となっては、外に出ないのが一番安全な生き方だと、わたしも確かに思います。

でも、30年来の社会問題だった「ひきこもり」が今年のコロナ禍のおかげで前面に表れてきたことは、むしろ解決に向けての新しいトライを導き出せる最良の機会になるかもしれないと期待もしているところです。

 

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きっと現場は色めき立つ?

メタボ健診後の指導に心血管リスク軽減効果なし

本日(2020/10/12)配信されたCareNetの記事です。

”京都大学の福間 真悟氏らの疫学研究により、わが国の特定健康診査(メタボ健診)を受けた勤労世代の男性において、特定保健指導によって体重は1年後にわずかに減少したが、血圧、HbA1c、LDLコレステロールなどの心血管リスク因子改善が認められなかったという結果が発表された。著者らは「特定健康診査の費用が高額(年間約160億円)であることを考慮し、そのシステムを再評価する必要がある」としている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2020年10月5日号掲載の報告。”

高い金をつぎ込んでも、思惑通りの成果は出てこないのだからやり方を変えないと時間と金の無駄になりかねない、という結果を報告したわけです。わたしたちが実際に現場で取り組んでいると、確かに成果を実感することができてその後マジメに取り組む壮年男性を何人も見かけますから、特保の存在意義はそれなりにあることはあると思いますが、そのほかの大部分は取り組んでいる期間に若干改善する人もいれば返って悪化する人もいて、1年後にはほとんどが元に戻っているという印象を受けているのは確かです(まあ、そもそも、ピックアップされた対象者の中で実際に介入を受ける人数自体が相変わらず少なすぎですが)。

マスの取り組みだからマスの解析をせざるを得ませんが、まずは腹囲や体重を目印にするという介入方法の限界は感じます。体重を10キロ単位で10回近く上げ下げしてきているわたしが云うのも何ですが、人生観を変えさせるようなひどい目に遭っていない人に行動変容を促すのはよほどのインセンティブが与えられない限りなかなか大変です。やったことに「成果がない」「やるだけ無駄」的な報告をされるのはさすがに現場で毎日マジメに取り組んでいる保健師さんたちには心外でしょう。是非、現場に丸投げせずに次のステップへの軌道修正は是非とも前向きにそして迅速に取り組んでいただきたいものだと思います。
 

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マスクわすれた!

土曜の朝、出勤のためにバタバタ準備して家を出たら、途中でマスクを持ってくるのを忘れたことに気付きました。いつもなら、予備のマスクを持ち歩いているのに、土曜は半ドンだからいつもの手提げ袋も家に置いてきた! げげー、逃げ道がない!

冷静に考えたらたら、仕事先が病院だから職場に行けばマスクは手に入ることに気付いたからそのまま運転したけれど、駐車場から一般道と更衣室を経てマスクを置いてある場所に行くまでの間の何と心許なかったことか。土曜の朝だから、そもそも道を歩く人はほとんどいないし、駐車場もガラガラだし、そんなことは分かっているのだけれど、それでも、手元にマスクがないというだけで落ち着かない・・・感染への不安ではなく、「持ってない」ということへの罪悪感・・・かなりのコロナ不安症だなと苦笑い。

最近の中高生(特に女子)はコロナが流行る前からマスクする子が多かったと聞きます。病院の看護師さんや検査技師さんはコロナが蔓延するしないに関わらずマスクをするのが基本という人が多かった。彼らはマスクをしてないと何か落ち着かないのだそうです。まるでハダカのまま歩いているような恥ずかしさがあるとまで云う人がいます。そんなはなしを「病的すぎて先行き思いやられるわ」と笑っていたわたしですが、たしかに今は、周りに誰も居なくても、マスクをしないで世間を歩くという行為自体が無性に不安になってしまう。

怖いものです。

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最近、ラジオやテレビで、「突然の膵臓がんのために余命短い宣告を受けた母親が明るく振る舞ってくれる」という話や、「妻がかなり進行した乳がんで闘病している」とか、そういうはなしを聞く度に、涙がこぼれ落ちて止まらなくなります。

「わたしを選んでくれてありがとう」
「わたしを生んでくれてありがとう」

こういうコトバが、たまりません。

わたしも、妻に対して、「ボクを選んでくれてありがとう」という日が必ず来る。人生は縁。残念ながら、わたしたちには次の世代をつなげる縁を作れなかったけれど、その分、今の縁に後悔しないようにしなければ、と思ってしまう今日この頃です。我が家に来てくれた愛犬たちも縁。

そして、だからこそ、その日(二人が別れなければならない日、愛犬と分かれなければならない日)が来るのが怖くて、寂しくて、夜中に目覚めるとそんなことばかり考えてしまう。新型コロナのせいでしばらくはそんなこと考えなくて良かったのだけれど・・・妻や愛犬の寝息を聞きながら、涙が出てくるのであります。

 

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ご縁

先月、わたしの働く病院で弁膜症のカテーテル治療を受けた叔母(隣県在住、84歳)が週明けの外来受診を済ませてから自宅に帰ることになりました。

先日のシルバーウィークに娘さん夫婦と一緒に我が家に訪ねてきてくれましたが、とても元気そうで安心しました。術前は「症状なんて何もない」「もうこの歳やけん、死んでもいいんや」とか云っていた叔母ですが、施術で楽になったことを自覚したようで、とても喜んでくれました。

縁というモノはこういうものなのでしょうか。叔母の日頃の主治医が書いてくれた紹介状を読むと本当に症状が悪化したのは数年前。夜に突然叔母から電話があった時を思い出しました。「わたしは心臓がものすごく悪いらしいんやわ。今までそんなこといわれたこともなかったのに」と不安そうに訴える叔母の話を総合するとどうも高度の大動脈弁狭窄症なのだろうことが推測できました。あの時から地域の基幹病院に主治医を移して内服治療して心不全も改善していた様子です。それが再度悪化したのが昨年の冬。そんな叔母はわたし以上の多動児でじっとしていられない性格ですが、それが悪かったのでしょう。ただ、超高齢の叔母の弁膜症に対して開胸術は適応ではなく、今までだったら大量の内服薬と自宅安静しか手がなかったと思います。そこに、TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)という治療が保険適応になり、この年齢でも治療を受けられるようになったのはつい最近のこと。そして、たまたまわたしの働く病院で積極的にTAVI治療を行っていたこと、娘さんがわたしの働く病院の近くに住んでいたことなどのいくつかの偶然が重なって、この日を迎えたことになります。

これも縁。でも、逆に云うと、叔母さんには今しばらく元気で生きてもらわないといけないという神の判定があったことになるのでしょうか。何はともあれ、万事無事で良かったと心から思います。

 

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においが気になります

最近になって、急に自分のにおいが気になり始めました。口臭とか糞便臭とかそういうのではありません。簡単に云えば『老人臭』。これを加齢臭と云うのかもしれないけれど、よく高齢者の横を通るとにおう、アレです。家ではにおわないのに職場に来るとにおうから、もしかしたら自分から発するモノではないのかもしれないと思いつつ、でもきっちりマスクをしているのだから他人のにおいではないのではないかとも思う。まあ、すっかり老人なのだから自分から『老人臭』がしても何ら不思議ではないのだけれど、でもやはりそれはかなりショックです。いつまでも若くてダンディでいたいというのが男心。若いスタッフとすれ違った後で「先生もおじいちゃんになったんだなかぁ」とか思われているんじゃないかと思うだけで、心配になります。

おそらく、若いお嬢さん方やおじさんが口臭で悩んだりするのと同じだとは思いますが、『老人臭』というのはもっとはるかに精神的痛手は強烈なものなのです。よく、奥さんや娘たちが「お父さんは加齢臭がする」と云っているのは、もっと軽いおじさん臭に違いありません。

「あーオレもとうとう老人臭か~」・・・そう思うだけでうつ病になりそう・・・そんなことばかり思う今日この頃です。でも、周りもみんなマスクしてるんだから、そんなに臭わないんじゃないのかしら?と思うのは、甘すぎるかしら。

 

 

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肝炎体操

非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)に対する食事・運動療法、特に運動による効果は『肝臓リハビリテーション』(肝リハ)として注目されてきているそうです。そんな中、
肝リハ、体重減少を伴わなくても脂肪肝改善>というタイトルが日経メディカル2020/10/06号で配信されてきました。

 肝リハが筋力アップだけでなく脂肪肝の改善効果が期待できるとなると、重症肝疾患の患者さんだけでなくわたしたちが関与する多くのメタボや生活習慣病としての脂肪肝に悩む受診者の皆さんにも情報を伝えなければなりますまい。

肝リハの主体となる運動について、久留米大学で開発された『肝炎体操』という運動プログラムが紹介されていましたので、ご紹介します。動画配信されていますので、興味ある方はどうぞ。

参加型プログラム 誰でも簡単にできる肝炎体操

運動強度としてどうこうとかいう問題は実際にやってみて各自で判断してもらうとして、「日頃からかなり運動しているのに脂肪肝が改善しない」とぼやく皆さんの解決策になるといいのですが・・・そもそも、運動量にも増してしっかり飲み食いしているであろう食事形態は死守しながら「運動だけで何とか・・・」と願う御仁たちの期待に応えられるものかどうか。あるいは、「運動は苦手だから」という人たちに提案されているプログラムと推測されますが、テレビの健康番組で紹介されるヤツと同じで、これを独りでやろうとすると意外に敷居は高いモノです。どれだけ簡単な運動で、「これならいつでも簡単にできますね」とタレントさんに云わせたとしても、毎日これをやり始めるだけのモチベーションが続きません。地域のラジオ体操と同じです。皆が集まって、皆がするからやむを得ずするという半強制でない限りそう容易(たやす)い行動変容ではありません。もともと”運動欲”という欲が存在しないニンゲンにとって、”運動”というものは運動を生業にする人には想像できないくらい大変なものなのであります。

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こわいこわい

しばらく熊本市の新型コロナ新規感染者数はゼロでしたが、ここ数日、再び出始め、昨日は街中のキャバクラで再びクラスター感染が発生しました。全国を眺めても、一旦東京とその近郊だけに集約されつつあった新規感染者分布が、先日のシルバーウイークをきっかけに全国に再拡散されているのは一目瞭然です。

先週末、ひいきチームのサッカー観戦のために県をまたぎました。途中、おしっこで停まった道の駅には昨年までと同じくらいの人出でごった返していてたじろぎました。週末の朝の散歩でも、マスクしている人がほぼ皆無。妻が回転寿司の予約をしたら、待ち人数50人弱だったそうで断念したとか・・・その各々は昨年の今頃と何ら変わらないのだけれど、コロナ禍に慣れている今となってはものすごい違和感を感じざるを得ません。

GoToキャンペーンが全国に広がり、各自治体の掲げるリスクレベルが緩和され、くだんのサッカー観戦も今まで3席空けて座っていた座席が1席空き指定に変わりました。それに比例して、もともとの決め事だったマスクと大声自粛と隣の人との接触自粛とが一気におろそかになった気がします。なんか勘違いしてません? 東京もいまだに毎日200人超の新規感染者があります。熊本市の新規感染者は昨日のクラスターや研修会帰りの自衛官を除けばどこで感染したのか不明の若者ばかりです。今、GoToで全国にシャッフルされている人たちは各々に感染予防対策はしっかりしていると思いますが、それでも、たぶん今から全国に感染者は増えるでしょう。突然、キャバクラのクラスターが27人に広がったというのにニュースでも以前ほど強調しないのは、それによってGoTo施策が尻すぼみになるのを懸念しての意図的・政治的空気がプンプンします。

全体に行動範囲を広げるキャンペーンが始まった今だからこそ、本当は今まで以上に感染対策を意識しなければならないということ・・・アタマでは理解できてもやっぱりココロは緩んでしまいますよね。それが人間だもの。でも、正直、本当に怖いです。3月4月の頃と同じくらい怖いです。どこに行っても極力他人に接触しないようにするし、ことあるごとに神経質なまでに手洗いをしているわたしですが、それでも明日か明後日くらいに突然発熱するのではないかという不安がとても強くなっています。それなのに、世間はどんどん緩くなって行く・・・心身ともに引きこもりになりそうです。

 

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エクオール

「最近、指の関節が痛くなってきた。お母さんも叔母さんも、おばあちゃんも歳とともにみんな手の指が直角に曲がって行って同じように痛みを訴えていたけれど、病院に行っても『歳のせいだ』とか云われてきたの。でも、それが実は腸内フローラの問題だと云うことが最近分かってきたらしいのよ」・・・突然、妻がそんなことを云い始めました。

大豆イソフラボンが腸内細菌の力でエクオールという物質に変換されて作用するのだけれど、その役割を果たす腸内細菌が存在しないと、いくらイソフラボンを大量に食べても意味がないのだそうな。そして、そういうヒトは手の関節が妻の家系のように曲がっていくのが特徴なのだそうな。エクオールは関節痛だけでなくて、女性らしさを保つ力にもなるので、閉経以降の女性には大切な物質らしい。ということで、薬局にエクオールのサプリを買いに行った妻。命の母A愛用なので同じ会社Kの商品を求めに行ったら、薬局からは他の会社Oのサプリを勧められ、結局それを買ってきました。「なんか併設の調剤薬局に回されてそこで薬剤師さんに切々と説明をされてゴリ押しされたんだよ」と話していた妻。

まあそれはそれで良いのですが、実はそんな話をした翌朝、わたしのFacebookに突然妻が昨日買ってきたO社のサプリのCMが入り始め、その翌日からはInstagramの方にも同じCMが流れ始めました。それがいまだに続いています。「怖い怖い」・・・妻がネットでその商品情報を検索したから妻のスマホやパソコンにCMが流れるということはこれまでもよくあったので諦めていましたが、妻とは話をしただけで完全に聞き流していたというのに、妻とはお友だちでもないわたしのFacebookにCMが流れ始めてずっと続いているって、どういうことなんでしょうね。

ま、だからやむを得ずそのCMをクリックして、その中味を読んで今ここに記事をあげることになったのだから、情報配信者側の思惑通りということになるのかもしれませんね。

 

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最近気になっていること~口内調味

遠いむかし、『三角食べ』のことを書きました。お汁を一口飲んでおかずを一つまみ口に入れて一緒に白ご飯も口の中に入れて混ぜて食べる食べ方です。一方、おかずや汁物を一つずつ食べきってから次ぎ行く食べ方は『ばっかり食べ』というらしいです。わたしたちの世代は、子どもの頃に『三角食べ』の食べ方を指導されていて身についてしまっているから、現代社会の若者のような『ばっかり食べ』には抵抗があります。

でも、先日テレビで、若い奥さんが旦那が料理をご飯にかけて丼のようにして食べることに切れた!という話がでていて驚きました。おかずをご飯にかけて混ぜて食べたら、せっかくおいしく作ったおかずの味が台無しになるというのです。ばっかり食べが基本の最近の若者たち(もはや小さい子のお母さん世代もか)に云わせれば、料理を混ぜて食べるなんて汚らしくて気持ち悪いそうです。「だって、洋食のフルコースなどは一つ食べ終わってから次が出てくるでしょ?」とまで云われます。どうも、日本人には常識なのに欧米人にはできない概念:”口内調味”の良さがどこかで伝えられなくなってきているようで、寂しい気持ちになります。”口内調味”とは、「調味(味付け)していない飯など主食におかずや飲み物を付け合わせて口に入れ、口内で噛みながら混ぜ合わせることが調味になる、その調味および食べ方」(Wikipedia)です。「ごはんは味がないから嫌い」と云うヒトがいて、欧米人のようにピラフなどに調理したごはんでないと食べないというのですが、基本、日本食ではごはんはごはんだけで食べるモノではありません。だから、食後高血糖を予防するための”ベジファースト”や”カルボラスト”の概念の元、「先におかずを食べ終わってから最後にごはん」という食べ方が日本食ではむずかしくなるのですが、これはそもそも『三角食べ』の概念を否定した食べ方ではあります。

もっとも、日本のごはん。ごはんだけ食べても実はしっかり味があります。噛まずに飲み込む輩には理解できないかも知れませんが、噛めば噛むほど甘くなってきます。「ごはん大好き」というヒトほど噛まずに飲み込むので、本当はごはんの味なんか全く理解してないんだろうな、と思うことしきりです。

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