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コロナの遺伝子解析

コロナ重症化の鍵は「ネアンデルタール人

 最近、新型コロナの重症化リスクとなるゲノム配列がネアンデルタール人由来であるとの論文が『Nature』掲載されたとのことで、テレビでも話題になっているそうです。今回、それを詳しく解説してくれた鎌谷直之先生の記事をMedical tribuneで読みました。

ネアンデルタール人の遺伝子配列と同じだから、ネアンデルタール人の遺伝子配列が残っている南アジア(特にバングラディッシュ)や欧州人に重症化が多く、ほとんどこのリスク配列を有さない東アジア人には重症化が少ない、というこのレベルは分かっていました。もっとも、今年流行したCOVID-19の遺伝子型にはヨーロッパ型と中国型とその他があって、顕著に重症化したり急激に悪化して亡くなったりした人が罹ったのはヨーロッパ型だった(だから、日本が遅ればせながら重症化したのは卒業旅行などでヨーロッパに旅行した連中が持ち帰ったものが広がった)ということが始まりだった気がするので、これは今回の話とは別物か。

それで、今回の鎌谷先生の解説の中で興味があったのは、問題の第3染色体にあるリスク配列の民族による差が”偶然”ではなくて”選択”により起きたのであろうというところです。

『具体的には、東アジアではなんらかの感染症によりこの第3染色体のリスク配列が消失した可能性がある。例えば、今回と同様にコロナ系のウイルスがかつて東アジアで流行し、リスク配列を持つ人々を死亡させた可能性がある。全ゲノムレベルでは、東アジア人にもネアンデルタール人のゲノム配列が残っているので、特にこのリスク配列が選択により消滅した可能性がある』・・・つまり、自然淘汰されて、今回のCOVID-19に強い遺伝子型の人間だけが生き残ったというわけです。で、一方で、『南アジアでは逆に、このリスク配列がなんらかの感染症に有利であった可能性も否定できない』・・・つまり、COVID-19に弱い遺伝子配列の人が生き残っているということは、その方が生きていく上で有利な何か他の敵が存在する可能性があるということです。

『ネアンデルタール人がCOVID-19を重症化させるゲノム配列しか持っていなかったとすると、これが彼らの絶滅の要因となった可能性も考える必要があるだろう』・・・そう、ネアンデルタール人が5万年前に忽然と絶滅した理由がこれではないか? 古代の文明が突然理由もなく消えていく時、天変地異説や感染説や惑星衝突説やいろいろあるけれど、これも遺伝子の研究で解明できるかもしれません。
 

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