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きっと現場は色めき立つ?

メタボ健診後の指導に心血管リスク軽減効果なし

本日(2020/10/12)配信されたCareNetの記事です。

”京都大学の福間 真悟氏らの疫学研究により、わが国の特定健康診査(メタボ健診)を受けた勤労世代の男性において、特定保健指導によって体重は1年後にわずかに減少したが、血圧、HbA1c、LDLコレステロールなどの心血管リスク因子改善が認められなかったという結果が発表された。著者らは「特定健康診査の費用が高額(年間約160億円)であることを考慮し、そのシステムを再評価する必要がある」としている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2020年10月5日号掲載の報告。”

高い金をつぎ込んでも、思惑通りの成果は出てこないのだからやり方を変えないと時間と金の無駄になりかねない、という結果を報告したわけです。わたしたちが実際に現場で取り組んでいると、確かに成果を実感することができてその後マジメに取り組む壮年男性を何人も見かけますから、特保の存在意義はそれなりにあることはあると思いますが、そのほかの大部分は取り組んでいる期間に若干改善する人もいれば返って悪化する人もいて、1年後にはほとんどが元に戻っているという印象を受けているのは確かです(まあ、そもそも、ピックアップされた対象者の中で実際に介入を受ける人数自体が相変わらず少なすぎですが)。

マスの取り組みだからマスの解析をせざるを得ませんが、まずは腹囲や体重を目印にするという介入方法の限界は感じます。体重を10キロ単位で10回近く上げ下げしてきているわたしが云うのも何ですが、人生観を変えさせるようなひどい目に遭っていない人に行動変容を促すのはよほどのインセンティブが与えられない限りなかなか大変です。やったことに「成果がない」「やるだけ無駄」的な報告をされるのはさすがに現場で毎日マジメに取り組んでいる保健師さんたちには心外でしょう。是非、現場に丸投げせずに次のステップへの軌道修正は是非とも前向きにそして迅速に取り組んでいただきたいものだと思います。
 

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