標準予防策
わたしが勤務する病院は8年前に国際評価であるJCI(Joint Commission International)認証を受けて2022年には2回目の認証更新受審を控えています。日本の常識ではなく世界の常識に鑑みて医療の質を維持し国際標準を満たしている証になるのだそうですが、まあその基準が大量な上に事細かに厳しく、「そこまでしなくても」というモノばかりで初めて受審するときには陰で悪態つきながら呆れたものです。今でも「そんな無駄なことが要るのか?」と思う項目はあります。でもこの一年、世界を震撼させているCOVID-19(新型コロナウイルス)感染に直面してみると、JCI認証を受けるためにがんばったことがそのまま活かされていることに気付かされます。日本の常識は世界の非常識・・・感染予防のための標準予防策の徹底が世間でさけばれている中、普通の医療者ですらそこまでしなかったであろう手洗いの仕方やマスクの着脱などを何のストレスもなく無意識に行えている自分に気付いたとき、「JCIってすごいんだな」と思った次第です。
ただ、ふと思ったのですが、この冬はいつも猛威を振るうインフルエンザが異常なくらい形(なり)を潜めていて、ほとんど発症していないに等しい状況です。これを「新型コロナの対処のために国民全員がいつもマスクしてことあるごとに手洗いをしているからだ。人間、やればできるじゃないか」と解釈していたのですが・・・まあ一部では正解なのかもしれませんが、本当にそれでいいのかしら? だって新型コロナの猛威は止まることを知らずとうとう二度目の非常事態宣言を発出するに至っているのです。国民皆マスク+手洗いが実行されているのなら新型コロナも鎮静の方向に行くはずだし、まともにマスクしてない輩が多いから新型コロナが減らないのだとしたらインフルの減少ももう少し限定的になるはずです。何か他の大きなファクターがあるのではないかしら。しらんけど。さらに感染性胃腸炎はそんなことに関わりなく増えています。手洗いもマスクも用を為していないじゃないか?
『標準予防策』を検索していたら日赤豊田看護大学のPDF資料『イラスト みんなの感染対策マニュアル』がありました。看護学生のためのモノのようですからかえって一般の方にもわかりやすい気がします。ご参考までに。
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