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プライド

うちの愛犬は12歳の誕生日を越えた辺りから急に衰えが見え始めてきました。歴代のワンたちの中では一番の病気知らずで、”犬らしくない”節度のある食習慣(適量をわきまえる)を若い頃から続けており、きっとサーチュイン遺伝子がバンバン刺激されているからこんなに若いんだろうなと感心するくらい、ずっと小娘のように飛び跳ねていました。それが、目も弱くなり、後ろ足の筋力も衰えてきたようで、庭で遊んでいても突然転んだり、散歩中に躓いたり、あるいは家の中の階段の第一歩目を踏み外しそうになったり・・・そんなことが増えてきています。

彼女もそんな変化にちょっと戸惑っている様子で、突然転んだり、歩いていて躓いたりすると、とっさに困った顔をしてわたしの顔を見上げます。でも、すぐに何もなかったフリをしてまた歩き始めます。それは照れ隠しなのか、それとも想像しないことが起きた現実を認めたくないと考えるのか、そのまま(いやむしろその直前より跳ね回るようにして)時を遣り過ごそうとしています。

そんな彼女の姿を見ていて、「自分と同じだな」と感じます。ガラスに映る自分の歩き方が「じいさんみたいや」と感じて必死で背筋を伸ばしたり、時々何もないところで躓きそうになった時も『想定の範囲内』というフリをしてしばらく意識的に足を引き摺らないように気をつけたり・・・若い頃と何ら変わらないと思って生活しているのに、ふとしたところで若い頃とは全く違うフィジカルに気付いて愕然とするのです。わたしは、そんな自分の”老化”を早々から受け入れようとしていましたが、彼女の振る舞いを見ていて考え直しました。これこそがアンチエイジング! 「わたしは昔と変わらないのよ」というプライドを持って生きていくことが重要なんだな、と。

この子が子どもの頃、先住のワンが急に老け始めて、「若い子に若さを全部吸い取られたのかな」と反省したものですが、あの頃の歳が今のこの子の歳と同じでした。それを考えると、この子も今後さらに老化して、あるとき突然自分の老いを受け入れるようになるのかなと思うと、ちょっと寂しくなります。「女性のプライドを持って戦いましょう!」と人間ドックの説明時に妙齢の女性には云っていますが、まさしくそれこそがアンチエイジングの最後の砦なのでしょう。

 

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