桜の花
今年は、季節の進み具合が異常に早くて、すでに週末の雨風で満開の桜が散り始めました。夕方の散歩をしていても、風に舞う桜の花びらがとてもきれいです。赤い芯だけになった桜の花の周りはすでに若葉に取って換わろうとしています。3月に葉桜になってしまうのも異例の早さです。
入学式の頃に桜満開で新しい門出を祝うというのが日本の古くからの習慣なのに、季節が合わなくて残念と思う人もたくさんいるかと思いますが、わたしは逆のことを考えていました。これから儚く散るだけの桜満開の姿より、花びらの後に力強く芽吹いてきた若葉の姿の方が、これから希望に満ちた新しい生活の始まりを祝うには最適な光景だという気がしてなりません。
わが家近くの花見の名所では例年歩道を陣取った宴会客で通り抜けることもできないことが常でしたが、今年も昨年同様に静かに粛々と満開になりました。時折、真上に向かって写真を撮っている夫婦連れを見かける程度・・・昨年はそんな光景に異様さを感じましたが、今年はむしろそんな光景を落ちついて眺めることができます。昨年の今頃は、著名人がコロナで死亡するニュースばかりが続き、外に出ること自体が決死の覚悟でした。それを考えると、こうやって静かに桜を愛で、季節の移ろいに合わせた花々の本来の姿を眺める余裕が生まれている今年の春は、また格別ではあります。どんな異生物が人類を凌駕しようとも、季節の移ろいに合わせていつものように変わることなく開花する植物たちのなんと力強いことよ。
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