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言い訳

何かミスをしたとき、あるいは思ったほどの成果が上がらなかったとき、「実はですね・・・」と言い訳をすると、「言い訳なんかするな、みっともない!」と叱られること、よくあります。

でも、わたしは、言い訳は大事だと思っています。『言い訳』ということばに、『言い逃れ』『自己弁護』『責任転嫁』などの負のイメージがありますが、わたしは『言い訳』はイコール『自己分析』だと思っています。自分はなぜ失敗したのか、何が想定と違っていたのか、何をどうすれば良かったのか・・・その分析は、反省というより、次への修正行動の基礎になるはずで、それもさせずに、「ドンマイドンマイ、今回のことは忘れて次に頑張れば良いんだから」と慰めてくれるのは、実は無責任というもの。

「どうしてこんなに遅れたんですか?」「申し訳ありません、言い訳はしません、弁償します」「いや、言い訳してくださいよ。理由を知りたいだけなのですから」「いいえ、申し訳ありません」「いやだから、謝ってもらわなくて良いですから理由を教えてください」「申し訳ありません」「・・・もういい、そんなもん要らないから持ってさっさと帰れ!」・・・むかし、客人が来たのでお寿司のデリバリーを頼んだら時間がかかりすぎた上に注文した品が足りなかったことがあって、菓子折持って謝りに来た店の人と玄関先で一悶着あったのをふと思い出しました。きっと運んできたバイト生が道を間違えて右往左往したのだろうと推測されるのですが、それを「こっちの『言い訳』だから、お客さんには関係ないから」と頑なに黙られるのは返って信頼を失うことになりましょう。こっちが『言い訳』を要求している以上、それは『言い訳』ではありません。それこそ相手方の都合でしかないのだから。もう20年近く前のことですが、それ以降あの老舗寿司屋から出前を頼むことはなくなりました。

でも、「人間は言い訳の動物である」とか「人間は反省はするけど学習はしない動物だ」と云われます。この『言い訳』が何度も繰り返されるようでは、失敗が無意味になってしまうということを肝に銘じるようにしています。言い訳しなきゃいけないことをしでかすのはよろしくありませんが、でも、失敗したときには大いに言い訳しましょう。そして、その失敗を元に、二倍も三倍も大きい人間になりましょう!

 

 

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