「食事療法」
生活習慣病を語る上で、基本になるのが食事と運動。でも、人間ドックの受診者さんと話していると、「結局、食事制限ですよね」というコトバを聞きます。この『食事制限』というコトバにずっと引っかかっているわたしです。
どうして、皆さんは『食事制限』とか「食事を我慢する」とかいうマイナスなイメージになるのだろう?と考えたとき、ハッとひらめきました。そもそも「病気の治療としての食事療法」というところから始まっているから、どこか食事の管理の考え方が重いものになってしまっているのだと思います。日本の医療の歴史(世界の医療も同様かもしれませんが)が、「病気になった→食事を変えなければ治らない→食事制限をしなさい」という流れにあって、その延長上に『予防医療』とか『一次予防』『アンチエイジング』などという概念が派生してきているため、考え方が『治療』というものから脱皮できていないのではないでしょうか。
予防医療は”病気の治療”ではありません。”病気にならないように注意する”というコトバもあまり好きではありませんが、「食生活を少しアレンジし直してもっと気兼ねなくおいしく食べる」方法を見つけ出す提案です。だから、『食事制限』とか『食事療法』とかいう病気治療の用語を使わない、というよりそんな単語を連想させない指導の仕方をしてほしいし、世間のマスコミや健康番組も、病気予防、重症化予防という云い方を極力さけてもらいたいと思うところであります。
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