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歯周病と高血圧症

高血圧予防には歯磨きを

配信されてきたCare Net 2021/05/10号によると、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)イーストマン歯科研究所のFrancesco D'Aiuto氏らの研究で、重度の(歯の50%以上に歯肉感染が認められる)歯周病のある成人250人(歯周病群)と、歯周病のない250人(対照群)で検討したところ、「重度の歯周病がある人は、高血圧の発症リスクが大幅に高くなる可能性があることが分かった」そうです(Hypertension 2021.3.29掲載)。

結果としては理解できるし、「歯周病菌が歯肉にダメージを与え、高血圧を含む全身性疾患の発症に影響する炎症反応を引き起こす可能性を示すものだ」というのもよく分かります。歯周病が血管炎症を引き起こし、心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こすことは以前から知られています。高血圧症治療中のわたしも、実は子どもの頃から歯磨き習慣があまり徹底されていない人間の一人なので、自らを律するためにも刺激的な報告でした。

ただ、この報告の片手落ちなところは、その重度の歯周病患者さんにきっちりと治療をしたら高血圧が改善したのかどうかという検討が書かれていないところでしょうか。2年前に長期間かけて歯周病(まあ軽度ではありましたが)治療を受けたわたしの実体験からすると、治療前と治療後で血圧の変化、あるいは降圧剤の効果に差があったという実感はありません(もっとも、歯周病と高血圧症の関連という意識で自己観察はしていませんが)。行動変容を促すためには、歯周病予防だけではなく、即治療することが重要だというエビデンスを示してもらえたらいいなと、思った次第です。
 

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