中和抗体と飲酒習慣
<飲酒の頻度が高い人は新型コロナワクチンの効果が出にくい 千葉大病院が確認>
触れてもしょうがないので話題にしないつもりでしたが、もののみごとにマスコミが食いついてしまって6月4日の朝はあちこちのワイドショーで騒いでいた様子なので、やむをえず取り上げました。
”千葉大学医学部附属病院(千葉大学病院)で2021年2月1日に設置した「コロナワクチンセンター」においてファイザー製新型コロナワクチンを接種した病院職員1774名の抗体価を調べた結果、2回目のワクチン接種後に1773名(99.9%)が抗体陽性になった”
と発表したそうですが、その抗体価の高さを比較すると、高齢者や飲酒常習者の抗体価が平均より低かったこともわかったというもの。他にも、抗体価が上がりやすい因子、上がりにくい因子を分析している(結果参照)のですが、話題にしやすいから『酒の話』だけに食いついたということでしょうか。
はいはい。高齢者で飲酒常習者のわたしはきっと抗体価が高くないのでしょう。なにしろ2度目の接種では打ったときも翌日も何の反応もなかったからいまだに「あれは生食だけだった」と疑っているのですから。むしろわたしは、その1774名中”ただひとり陽性にならなかった人”のことをもっと知りたかったです。この人は何が違っていたのか、その方がはるかに参考になる気がします。
こういう手の研究は、統計解析して出てきた結果でしかなく、「だからどうしろ?」ということが明確にメッセージとして発せられなければただのマスターベーションだと思います。だって、もうわたしみたいに接種を終えた人には今更何を云われても同じことなのですから。飲酒常習者は抗体価を測って低ければ3回目の接種を検討すべきだとか、これから接種する飲酒常習者は今日から禁酒した方が良いとか、今年はもうしょうがないから次に予防接種しなければならない時が来たらその時こそまず禁酒から始めることを勧める、とか・・・そんな前向きで強いメッセージを発信していただきたいものです。
もっとも、ワクチンの中和抗体という点ではアルコールによる肝臓の予備能低下が関与しているのではないかと考察するドクターも居ましたが、結局どんなワクチンでも大なり小なり関与するわけですから、インフルエンザワクチンにしろ肝炎ワクチンにしろHPVワクチンにしろ、最大限の効果を期待するなら接種前数ヶ月は禁酒すべきとはっきり云ってほしいものですわ。
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