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誰に勝つ?

特定保健指導では、自分で頑張る具体的な行動目標をいくつか並べて毎日「勝った」「負けた」と自己評価することで目標達成を目指します。いうならば、”自分との戦い”。ところが、人間はどうしても自分には甘くなるので、大きな目的とモチベーションがないと行動変容はむずかしい。それを防ぐために傍から監視して叱咤激励してもらうことで頑張らせようという魂胆が特定保健指導です。これを受ける人はもともとマジメで、自分の健康を何とかしたいと思うから参加するわけだから成果はそれなりに出るのですが、やはり長続きしない・・・監視の目がなくなると結局自分に負けてしまうのが人間の性(さが)というものなのでしょう。

何かをやりとげようとするとき、ヒトは必ず何かと戦います。『競争する』という行動は強い行動変容のモチベーションになりますが、それを他人に求めるか自分に求めるか。「あいつには負けたくないから頑張る」・・・これはものすごいモチベーションです。スポーツなどで大成するヒトには必ずライバル(好敵手)が存在します。時々人間ドックを友人と受診して、「目標体重に近づけた方がお酒をおごる」などというレベルのゲームをしているヒトもいますが、まあそれもヨシでしょう。でも、わたしは子どものころからヒトと競うのが好きではありませんでした。負けるのがイヤだったからかもしれませんが、少なくとも何かをしようとするときに他人を基準にしたことはありません。両親もそういう叱咤激励の仕方をしませんでした。だから、わたしの場合は自分との戦いになります。そして、多くの場合(特に生活管理や体重管理においては)、負けます。「また負けちゃったよ」と自分で自嘲しながら苦笑いします。

そんなわたしが、今、ちょっと頑張っています。毎年恒例の生活改善3ヶ月で成果を出した後、その期間にしか絶対に載らないことにしている体重計に今でも毎日載っているのです。こっそり自分と戦うとき、数字の威力はバカになりません。もはや監視をして褒めてくれる保健師さんも付いていないけれど、毎日の歩数と毎日の体重は数値で出るので思いの外必死になれます。月曜日に先週末より増えている体重を何とか週末までに下げる努力。梅雨で夕散歩できない日にどうやって目標歩数に到達させるか職場で苦闘する日々。自分とだけの戦いを挑み始めると、それはそれで楽しいモチベーションの日々です。増えていると分かっていても昼前には体重計に載りにロッカールームに行かずにおれないわたしって、意外にかわいい(笑)

 わたしは自分との戦いにだけは負けたくない、と思っています。たとえ他人に褒めてもらえなくても、あるいは叱られなくても、自分を自分で監視する上で、自分の目には負けたくない。自分にだけはウソはつきたくない。人生の終末点に近くなってきて、そんなことを思うようになってきた今日この頃なのであります。

 

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