下町商店街
第27回日本心臓リハビリテーション学会学術集会の中からもうひとつ、とても共感できた話題を・・・教育講演『都市計画と心臓リハビリテーション』。
郊外の計画的にデザインされたモダンな住宅街に住むのとごちゃごちゃした昔ながらの下町商店街に住むのと、どっちが健康的か?という、演者の井上茂先生(東京医大)の問いかけ。一見、郊外のモダンな住宅街で広い歩道や大きな公園や充実したショッピングモールも完備された場所の方が健康的で、散歩コースも十分あるから日常の運動生活にも不自由しないじゃないか、とわたしは思いましたが・・・確かに、この郊外の生活は車で移動することを念頭に置いて作られたアメリカ型の発想ですから、こんなところに住んだら自宅周辺で遊ぶ以外は必ず車移動(せいぜい自転車移動)を選択する人が大多数です(わたしは歩いて30分以内の場所へは意地でも歩いて移動しようとしますが)。下町商店街界隈のごちゃごちゃした街の中では車移動は微妙に不便で、住人は自ずと歩くことを余儀なくされます。勝手に運動せざるを得ない。まあ、面倒くさい近所付き合いも心身の健康のためにはかえって重要と云えるかもしれません。
先日の熊本での心リハ研究会で『社会的処方』について視聴しましたが、今、健康的な生活を送るための生活環境作りの考え方は、単に”便利”で”楽ちん”というキーワードではなくなってきているということを再び学びました。そして、行政は遙か前からこのことを念頭に置いた都市計画を行っているのだと云うことも知りました。オフィス環境でのデザインにおいても、確かに最近のオフィスでは座らずにディスカッションする光景を見かけます(うちの病院でも変わってきました)。
たしかに、東京大阪などの大都市では公共交通機関か徒歩での移動が主体になるから勝手にかなりの身体活動を強いられますが、田舎の地方都市で生活すると車移動が大原則で田舎の方が不健康な生活になったりすることを、わたしも経験してきました。
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