小杉湯と『社会的処方』
先日、オンラインで熊本心臓リハビリテーション研究会に参加しました。特別講演のテーマは『Exercise Medicineと社会的処方』。演者は帝京大学の佐藤真治先生です。
『社会的処方』も『EIM(Exercise is Medicine』も初めて耳にする単語で、ちょっと構えてしまいましたが、演者の佐藤先生が学者っぽくない軽妙な口調で話されたので、スッと頭に入ってきました。『社会的処方』とは「社会的孤立を減らすために”リンクワーカー”なるキーパーソンによって社会にある身近な活動に参加させること。その手段のひとつに”運動”がある・・・こんな理解のしかたで大丈夫かしら。ちょっと不安になってネット検索してみたら、『社会的処方: 孤立という病を地域のつながりで治す方法』なる本を見つけ出して、早速購入してしまいました(ヤバいヤバい。またまた読むかどうかわからない本を買ってしまった)。でも、Amazonのこの本の紹介イメージの6枚がとてもわかりやすい解説でした。これについては、検索したときに一緒に出てきた『宮木医院リオムメンタルクリニック』の解説も紹介しておきます。
さてそんな概念の取り組みの中で、佐藤先生が取り組んでいるのがEIMの戦略。そこに出て来るのが高円寺にある老舗銭湯『小杉湯』。熊本の田舎に住む身として高円寺の銭湯なんてここで知らなかったら一生縁のなかった存在。でも、どうもこの銭湯に集まる若者たちがすごいらしい。検索するとまあ出てくる出てくる。
『なぜ高円寺の銭湯「小杉湯」はずっと人気店でいられるのか』(ダイアモンドオンライン)
まあ彼らの町づくり戦略はいいとして、この戦略と社会的処方がリンクした結果、『銭湯から始まる健康づくり2020』となるわけです。『そぞろ歩き』『Say Hallowプロジェクト』『感謝の循環』『コトノネ』・・・キーワードがぞろぞろ。
こういう町づくりの活動には、必ず若者たちがいる。金を出す企業や自治体とそこをつなぐ学者さんたちが要るとしても、結局若者たちの熱意が作り上げています。わたしもこういう活動には興味はあるけれど、どうしても自分はそういう活動の中心にはなれないし、かといって隅っこで関わる勇気すら微妙にない。そんな尻込み人生を悔やみながら、話を聞いておりました。最後に、佐藤先生がまとめた『医療者が地域に飛び出すために』をそっと書き写しました。
・人のみならず社会的関係を診る→環境の中で人と違う行動をするのはむずかしい。
・エリアを区切り、そこに住む→地域の声(需要・興味・関心)を聞く。
・互いに学ぶ。
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