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アンチエイジングは老化予防ではない

オンラインの専門医研修会には可能な限り登録参加しています。先日は、人間ドック健診専門医研修会がありました。その中で、アンチエイジングの世界では有名な米井嘉一先生(同志社大学)のセッションがありました。遠い昔、まだ抗加齢医学会が産声を上げる頃の学会でお見受けしたころには部下達を多数引き連れて若若しい先生でしたが、さすがに年齢を重ねたなあとちょっと感動しました(アンチエイジングの世界の人だからこんな書き方すると良くないのかしら)。

米井先生の講義:『睡眠の質の改善による身体指標の変化』は主に糖化ストレスとメラトニン、および寝具や睡眠環境の問題を系統だって整理してくれていてとても勉強になりました。あまり細かいことをここで紹介はできませんが、2つだけココロに残る内容がありました。

『アンチエイジングとは、アンチ病的エイジングの意味であり、機能年齢の老化予防・若返りである。』の中で、「アンチエイジングは『病的な老化』の予防だけではなく、『病的な発育・成熟』の予防の意味も含まれる」ということ。つまり、年寄りの問題だけがアンチエイジングではなく、まず子どものころの発育が健全であることが重要であるというコトバにハッとさせられました。発育の段階で不健全な生き方をすると人生のスタート時点ですでに不利な位置づけになるのだということ、とても大事なことです。糖化ストレスがアンチエイジングの重要な要因であるとなれば、食育こそがアンチエイジングの最大のキーワードだと皆が意識しなければならないと感じました。

もう一つは、『パイレーツの法則』。「10匹の敵がいたら2匹の強い敵を先に退治しろ。これで8割の目標は達成される」というもの。老化の大変なところは、何か重要な項目が病気などで衰えると他の項目(機能)がそれを補おうとするのではなく全部の機能を同等に低下させてバランスを取るということを以前聞いたことがあります。それと繋がる項目かと思います。「老化指標10項目のうち重要な2項目を修正するのが大切である・・・それが最も老化した”機能年齢”と最も大きな”老化危険因子”を見つけ出して修正する」ということ、これからの予防医療の指導でいつも意識しておきたいと思います。というか、まずは自分の人生で活かさないといけませんね。

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