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食が細くなった

先日人間ドックを受診した女性。わたしとほぼ同い年。

「先生、最近わたし食が細くなった感じがするんです」

実際体重も減少気味。とくにドックの結果に問題があるわけでもないのだけれど、わたしはちょっと気になりました。

「”食が細くなった”というか、食べることに興味がなくなってきてないですか? 食べることが面倒になってきているというか・・・」
「そうかもしれません」

長年連れ添ってきた旦那さんが亡くなり、最近は食事もいい加減だという。別に食べないわけではないのだけれど、旦那さんが生きていた時のように毎日食事の献立を考える必要もなく、自分だけ食べるのなら何でもいい・・・よく、わたしの妻も同じようなことを云います。わたしが出張などで帰らない日など本当にいい加減な食事で、お菓子などしか食べないときもあると云っていました。

外食もできず友人とも会えず、電話で話すくらいしか外とのつながりがなくなっていく中で、若い世代と違って独り用にわざわざテイクアウトやデリバリーを注文する世代でもないと、どうしてもこうなるような気がします。日頃から料理好きな人ほどそうなるようで、「料理を作るのは他人に食べてもらうため、喜んでもらうため」というのが大きいのだそうです(男性は逆に、料理好きだと自分用にだけでもしっかり作るようですが)。でも、これがフレイルになる第一歩だということは明白です。食べるのが面倒くさい→食べてないからあまり動けない、動きたくない→動かないから食欲が湧かない→食べないから筋肉が落ちて動けない→食べたくない・・・となりがちだからです。

こういう人たちほど、食べることや作ることの楽しみを見つけ出して、”食べるのが面倒くさい”という感情がなくなれるように意識してもらいたいと思っています。

 

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