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2021年11月

大義名分

この2週間の間に体重が1.5キロも増えてしまったので今鋭意減量中ではありますが切れ味は今ひとつ。

体重増加の原因は概ねわかっています。くだんの尿管に詰まっている1センチ大の結石を膀胱まで流すために、内服薬と併せて水分補充を指示されているからです。「お茶や水を意図的に摂ります」と云ったのに、「水じゃなくてビールとかでもいいですよ。遠慮なく浴びるように飲んでください」と先生が云ったんです。その指示に従って毎晩大量のアルコールを口にしまして・・・アルコールだけ飲むとカラダに悪いと思って酒の肴ももちろん大量に。「今は、ダイエットなんて考えているときではない! 背に腹は替えられない!」と不安げな自分自身にむち打って、云って聞かせた結果です(笑)さらに、腹痛や背部痛があると動くに動けないことも時々加わっていくうちに、毎日日課だったスクワットまでさぼるようになりまして・・・。

原因分析は完璧なのです。どうしたら良いかもほぼわかっています。でも、行動に移せないまま今日に至ったわけです。「今、どうしてもしなきゃいけないことか?」と、もうひとりのわたしが聞こえるように呟くのです・・・「最近、血圧コントロールが不十分になってきているだろ。動脈の石灰化はかなり強いままだろ。今は、無理して血圧が上がるような運動はしない方が無難なんじゃないのか? 急に寒くなったことだし・・・」。

このたび、12月の医局の勉強会担当になっているわたしは、動脈瘤のことを話そうと、『2020年改訂大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン』を勉強したばかり。ところが、読めば読むほど「わたしのカラダは大丈夫なのだろうか?」と不安になるわけです。もうこれだけ”やらないこと”への大義名分が揃ってしまえば鬼に金棒・・・今のわたしのカラダの状態に陥るのは火を見るより明らかなのであります。

さて、若くないわたしのココロを説得し、行動に移させる後押し、何かありましょうか。

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風呂に入らない

今月になって夜に風呂に入らないまま就寝したことが2回あります。1回めは久しぶりに親しい友人たちと行きつけだった居酒屋で痛飲した日、そして2回めは先週の土曜日でわたしが応援しているプロサッカーチームのホーム最終戦を応援するために車で隣県まで日帰りしてきた日の夜。いずれも休みの前の日でしたが、酒を飲み過ぎたことが原因で入浴しないまま就寝したなんて、もう何十年もなかったことです。飲み過ぎて転た寝しても夜中に起きてからそそくさと入浴して寝る(翌朝は寝グセの暴れた髪のまま出勤したり)のが当たり前でしたから。

もちろん、この歳になると若いころのような無茶はしないようにしたいという自分の想いも、あるいはさせないようにしたいという妻の懸念もあるからこその行動ではあります。急に寒くなってきてから持病の高血圧が若干コントロール不良になってきているし、何しろ全身の動脈硬化が強いことを奇しくも泌尿器科で結石評価のために撮ったCT検査で再確認させられたばかりだし、酒飲んで酔った挙げ句に寒い夜に風呂に入ったら、何かが起きることしか想像できない年頃になりましたから。

ただ、それを言い訳にして、明らかに「めんどくさい」という感情が覆い被さってきていたことを否定できません。「どうせ明日は休みなのだし、どこかに出かける予定があるわけでもないのだし、1日風呂に入らずに髪を洗わずに髭を剃らずに居たところで何の問題もないだろう」と考えるわけです。若いころも同じ事は考えましたが、それでも自分のプライドが勝っていました。今はそれが消え失せてきています。髪の形や体形や、そんなことも「まあ、この歳ならこんなもんじゃないの」と自分を納得させることが多くなりました。なんか、今はまだ常勤として勤務しているからいいけれど、退職したら毎日が日曜日・・・「めんどくさいから今日も風呂には入らないでもいいかな」とか云う日が一気に増えてしまうのではないか・・・そんな取り越し苦労をしている今日この頃なのであります。

 

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悩ましいですね~。

「どうですか? 痛みはありましたか?」

尿管に1センチ大の結石が嵌頓し水腎症にもなったために病院受診して、2週間のαブロッカー治療を経たあと今日は2時間の有給休暇をもらって再受診してきました。

「内服を始めて2,3日目にその前より若干低い位置での痛みが出て以降、まったく痛みが出なくなり消息不明に。ひどかった叩打痛もまったくなくなり、しかも今週初めから15分ごとに突然尿意が出現する尿意切迫感も出てきたから、これは絶対膀胱近くまで流れ落ちたぞ!膀胱に落ちたかもしれんぞ!と思ったんですけど・・・たぶん変化してないでしょ?」・・・昨日、期待に胸膨らませながら職場の技師さんに腹部エコーをしてもらったら、腎盂拡張(水腎症)も嵌頓した石の位置や大きさもほとんど変化していなかったことを確認していたのです。

「そうですね。腰椎1椎体の一番上から下にちょっとだけ動いてますけど」と先生は申し訳なさげ。「こうなると、思い切って砕くことも考えても良いのかもしれませんが」「はい、その可能性があるからこそここを選んだのですから」「でも、大動脈の石灰化が気になるんですよね」「そうですよね」「悩ましいところだなー」・・・主治医のことばに切れ味がない。

「一応、一ヶ月間は内服を考えるのが常なので、あと2週間様子をみさせてもらえませんか。今回は内服薬を漢方薬(猪苓湯)に変えてみますので」・・・今度こそ、膀胱に落ちてくれないかなー。もうちょっと跳びはねた方が良いのかしら。

 

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今することはムダではない

いよいよ落葉の季節。

例によって、わが家のハナミズキとヒメコブシの葉が毎日大量に落ちてきます。先週末からの嵐が一気にまとめて揺さぶり落としている感じです。

この季節のわが家の日常行事が落ち葉掻き。朝出勤前と夕の散歩前が私たち夫婦が手分けしてがんばる時間帯です。まあ、風吹く中で竹箒で掻き集める作業していると、だれかが「今やったってムダだだよ。どうせまた落ちてくるんだから。夜になってまとめてした方が効率的だよ」と云っている様な気がしないでもない。実際、隣に住む義母は妻にそう忠告したらしい。

でも・・・気まぐれな風に翻弄されながら作業を続けるわたしは、「この作業は決してムダではない。集めたモノが飛んでいってしまうのならともかく、自分で今捕獲した葉っぱはそのままバケツや袋の中に収まるわけで、木に生えた葉の全体量は決まっているのだから、愚直にやれば必ず最後が来る。今やっている分だけ確実に前に向かっている。あとでまとめてやろうが今小出しにやろうが、作業量は同じなのだから、こまめにやった方が大変さが希釈されるはずだ」と独りごとを云いながら黙々と落ち葉掻きに励むのであります。

落ち葉掻きは毎年大変だけれど、毎年、鮮やかな花びらをたわわに付けてわたしたちのココロを癒やしてくれるのだから、この程度の作業くらいは鼻歌交じりでできますわ。

 

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運動器抗加齢

先日の日曜日は今年最後の学会(研究会)『第11回運動器抗加齢医学研究会』に参加。といってもzoomによるweb参加でした(まだまだ私の勤務する病院では現地参加は許可されません)が。日本抗加齢医学会分科会であるこの研究会はおそらく整形外科の先生方が主体で作られている研究会でしょうか。なので、どうしても専門領域に深く入り込んだアカデミックな内容についてはちんぷんかんぷんでした。わたしがこの研究会に初めて参加させていただいた目的は、フレイル・サルコペニア・コロナの対応の仕方を学ぶことよりも、最近ずっと気になっている0次予防のヒントがないか、という思いからです。運動(エクササイズ)はやることは簡単だけれど、始める第一歩の敷居が高く、その後の継続することが難しいことが最大の問題点。そのために、個別にアプローチするか、それとも環境として社会全体でアプローチするか。

・エクササイズの低いコンプライアンスをアップさせて継続させるためにVRでモチベーションアップさせたりスマホのトレーニングアプリで不特定多数と競争させたりの紹介。スマートシューズやモーションキャプチャースーツなども。
・サルコペニアインデックス(SI)=クレアチニン/シスタチンC×100は手術後の機能予後を推測できる。
・介護や寝たきりの原因になるのは『骨』 オステオカルシン
BDNF(脳由来神経栄養因子)は運動すると増加し運動後に頭を使うと記憶力アップする。
・運動環境が良くなると脳の働きが良くなる。ただ歩くだけでなく途中に遊び道具があると運動にも脳活動にも良い。単純な運動より複雑な運動を組み合わせた方がBDNFが増加する。運動しながら脳を鍛えるのはダメ。運動後に脳を鍛えるのが良い。運動すると、気持ち良くなりアタマがスッキリしてやる気が出てくる。
・新しいことを学習する。脳は使えば使うほど大きくなり、使わなければ萎縮する。
・筋トレより縄跳びの方が骨に衝撃を与えられるから良い。
・大腸がんの予防に有効なのは身体活動(マイオカイン)。運動することで腸内細菌叢が変化する。
・筋肉から出てくるマイオカインSPARCは大腸がんを予防するとともに筋肉代謝にも影響を与える。
・牛肉食ってもフレイルは予防できない。
・コロナ後、一人暮らしで不活動だった高齢層は活動量がまったく戻ってない。
・運動しやすい環境作りをすると運動習慣者が増える。五感で感じる地域ウォーキング。アプリで行う運動はポイント付与でインセンティブ。オンライン運動教室(Zoom)とオンデマンド配信も。

急いでメモだけしたけれど、こんな羅列で本当に今後の仕事に活かせるのだろうか(笑)

 

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脂質異常にワクチン?

地元熊本大学から報告されたこの話題。

脂質異常症、ワクチンを開発 熊本大大学院・尾池教授ら 副反応少なく安価に

熊本大大学院生命科学研究部の尾池雄一教授(55)=代謝・循環医学=らの研究グループは、血中のLDL(悪玉)コレステロール値や中性脂肪値が高い「脂質異常症」を改善するワクチンを開発したと発表した。

とあります。いや、すばらしいことだと思いますし、それが地元の大学から発表されたことは自慢すべき研究報告です。

ただ、わたしのアタマがこんがらがったのです。『ワクチン』て・・・。Wikipediaによると、『 ワクチン(独: Vakzin、英: vaccine)は、感染症の予防に用いる医薬品。病原体から作られた無毒化あるいは弱毒化された抗原そのもの、または病原体を基にデザインされたmRNAやDNAの遺伝子配列を化学合成したもの(遺伝子ワクチン)、もしくは遺伝子組み換え技術によって大量発現されたタンパク質(遺伝子組み換えワクチン)などを投与することで、体内の病原体に対する抗体産生を促し、感染症に対する免疫を獲得する。』とありましたが、この定義から考えて、脂質異常症は感染症だという概念、間違っていませんのかしら?

 

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うわさ

キャンドル作家をしている妻が、先月末、近くのビルにアトリエを構えました。そのためにある日の朝、引っ越し屋さんに来てもらって友人と一緒に荷物を運び出しました。どうもそれを近くの住人が見ていたらしく、うちの妻が「家を出て行ったみたい」といううわさが広がった模様。しかも、その翌週には愛犬が体調を壊して散歩もドクターストップとなり、いつも夫婦で2匹のワンを散歩させるのが日課だったのに、毎夕わたしだけが幼犬だけを連れて散歩していたものだから、「あのうわさは本当だったのか?」という流れになってきていたそうな。

同じ公園を散歩している義母に、ある人がそっと聞いたそうな。「娘さん、どこかに引っ越したんですか?」

義母があわてて経緯を話してそれでやっと皆さんの疑問が解けたらしい、ということを妻経由で義母から聞きました。そうか、だから散歩中にすれ違うワン散歩の皆さんがいつになくよそよそしかったのか! 解決して良かったわ。でも、うわさというものはそんな甘いモノではありません。一旦流れたうわさは、完全に精算されてきれいさっぱり無くなることはあり得ないのであります。きっと、たとえ前と同じように夫婦で2匹を散歩する姿を見たとしても、前と同じようにワン経由で楽しくお話をしていても、「結局、なんやかやあって、仲直りしたみたいだね」みたいな根も葉もないうわさストーリーがつけ加えられて終わるのでしょう。

なんかちょっと悔しい。

 

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接種券

第3回目分の接種券・予診票が届きました。よかった。わたしがちゃんと「数に入れられていた」ことが確認できたから。

3月と4月に実験台として先行接種を受けたのは勤務する職場で、職場の職員健康管理室から接種証明書が後になって配られたのだけれどそれは一般の方のようなシール貼り付けではなかったし、その後まだ自治体が把握していないはずの時期に区役所から接種券が市民全員に配送された時には妻にしか来なかったから、私はリストから外されているのではないかと心配していました。今後、接種証明のパスが発行される時にも私は接種の事実を無視されているから発行されないのではないか? 国(あるいは自治体)がわたしの1、2回目接種の把握がされてないから3回目の接種券の発送もされなかったりするのではないか、と内心ハラハラしておりました。それでなくても2回目接種が空打ちだった(そう信じている)から「なんとしてでも3回目を打っておきたい」という思いが、副反応で心筋梗塞や脳卒中起こすかもしれない不安よりはるかに強い今日この頃なのであります。

なんか、この接種券の発送のおかげで、やっとわたしが市民権をちゃんと獲得できた証のような安堵感を感じております。ちなみに、わたしの接種予定は年末です。

 

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老犬の後ろ姿

わが家の愛犬が今日、13歳の誕生日を無事に迎えました。先月末に突然激しい眼振に襲われて散歩の途中に急に天を仰いで動けなくなったときにはワンも私たち夫婦もパニックになりましたが、老年にありがちな前庭疾患(人間で云うところの”メニエル症候群”みたいなもの)であることがわかり治療を受けて幸いすぐに回復することができました。この病自体はわが家の歴代のワン達にも襲った病でしたが、それとは別に歴代の愛犬たちが皆、誕生日の1ヶ月前や2ヶ月前に逝ってしまっていたので、このまま動けなくなるのではないかととても心配しました。

発病直後はわたしが体重20キロ超の身体を抱え上げて階段昇降しました。その後、庭に出ておしっこをするために自分の定位置まで歩く後ろ姿が、自分で制御できないような千鳥足で・・・つい数ヶ月前には庭中を走り回っていたのに、と思うと見ていて涙が出てきました。14年間綴ったわたしのブログを読み返すと、今の愛犬の記事が一番多いのですが、それだけ彼女の一生はとても波瀾万丈でした。初代のワンが肝臓腫瘍の破裂で亡くなって直後に生まれたこの子は初代の生まれ変わりだと捉えていました。そんな彼女がわが家に来る日は突然の激しい嵐で地獄のような飛行機貨物室での惨劇を物語るかのように、わが家に来てもしばらくケージから出てこようとしませんでした。ずっと暗闇がキライで暗い車庫がキライで、だから車に乗るのも頑なに拒んでいました。ところが2016年に2度の熊本地震。家の中がぐしゃぐしゃになり、外にいても地面に這いつくばらなければ立っていられなかった余震の中で、彼女は大きな音がするだけで散歩中でも一目散に逃げてまわりました。あの時、県北の知人宅に避難させてもらった日から、一番安全なところが車の中だと悟り、ことあるごとに車に逃げていこうとしました。

彼女は子どもの頃からとても優しい性格で、決して周りのワンや子ども達に吠えたりしませんでした。小さな人間の子が来るとむしろ自分から逃げていくような性格でした。おそらく先代のお嬢様犬が教育してくれたおかげだと思います。そんな性格だから、半年前にわが家に来たパピーの格好のおもちゃにされ、足腰弱っているのに背中から飛び乗られたり遠くから体当たりを食らわせられたりされても軽く吠えるだけでした。「かわいそうに」と思って見ていましたが、2匹の様子をみていると年老いたバアちゃんに孫娘が容赦なく飛びついて甘えるのに似て、老犬が優しく見守ってやっているのかもしれない(チビの方が頼って生きているような)と思うようにもなりました。

遠く、町田の犬舎から来たのは初代犬とこの子(今回のパピーもそうですが)。彼らが老いていくにつれて「この子は、わが家の子になった本当に幸せだったと思えるのだろうか?」と考えるのです。特に彼女は、熊本の地に来るときも来てからも、普通なら絶対に味わわなくても良かったような悲惨な経験ばかりしてしまって、最後は平穏で静かな余生かと思いきやお転婆娘がかき回して夜もおちおち寝られない日々・・・「ごめんね」「でも、しっかり元気になってもう一度走り回れる体力に戻ってな」などと、千鳥足の老犬の後ろ姿を眺めながら独りごとをつぶやいたのでありました。

 

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心房細動に関わる話題

魚油サプリの摂取は心房細動の発症リスクと関連

2021/11/12号として配信されてきたCareNetの記事によると、”魚介類由来のオメガ3脂肪酸のサプリメント(以下、サプリ)の摂取は、心房細動の発症リスクと関連することが、「Circulation」に10月6日掲載された論文で明らかにされた。このリスクは特に、1日当たりの摂取量が1gを超える場合に大きかった”、つまりω3脂肪酸サプリを多く摂る人に心房細動を発症した人が有意に多かった、という報告です。

ω3脂肪酸は、動脈硬化を抑え、血中中性脂肪値を抑え、血液さらさらにするなどの効用で、生活習慣病の救世主としての地位を確保しているサプリ系で、わたしも一時期摂っていました。心房細動の発症リスクに生活習慣病そのものがある以上、これは悩ましい問題でしょう。「スタチンを服用すると認知症リスクが上がる」といって高コレステロール血症の患者さんが自己中止する現象が起きて問題になったのに匹敵するかもしれません。

一方、<生活習慣改善で心房細動を抑制できる可能性―特定健診受診者を5年追跡>という日本からの報告(”健康的な生活を送っている人は心房細動のリスクが低いことが、日本人対象の研究から明らかになった。金沢大学大学院医薬保健総合研究科循環器病態内科学の多田隼人氏らが特定健診受診者を対象に行った縦断研究の結果であり、詳細は、「Nutrients」に9月15日掲載された”)も2021/11/16に配信されてきました。欧米人のデータと同様、日本人にも当てはまるとしたものですが、まあ、これは当たり前といえば超当たり前です。


 

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階段

相変わらず、職場のエレベーターに載ることのないわたしは、4階の診察室まではいつも階段を使います。別に「健康のため」というわけではなく、単に「エレベーターに載る習慣がないから」というだけのことなのですが、エレベーター前で箱が来るのを待っている若いスタッフ達が何となく奇異な目でわたしを見るので、「わたしは閉所恐怖症だからエレベーターには極力載りたくないのだ」といいわけをして階段に向かいます。

エレベーターと階段のことは、東日本大震災の後は時々このブログでも触れてきましたが、生まれたときからエレベーターがあって「そこにエレベーターがあるのに載らない意味がわからない」という若い世代や、昔は何階でも歩くしかなかったけれど今は文明の利器でこんな楽な道具があるのだから「使わなければ損だ」と思う高齢世代と、まあエレベーターを使うための大義名分は千差万別ですけれど、別にあるモノを使いたい人は使えば良いことで、私のように使わない人間にいろいろ批判するのは止めてほしいものです(まあ、単なるわたしの被害妄想かもしれませんが)。たしかに、ちょっと今さらエレベーターに載るのは何かに負けた気がするから意地になている部分は否めませんけれど・・・。

でも、正直最近4階までの階段がきつい。たぶんマスクをしているためだと思うのだけれど、高血圧症の治療中で最近若干コントロール不良気味なわたしとしてはちょっと不安になることがあります。だから極力2階+2階に分けて上っている(2階フロアで建物の反対側にある階段まで水平移動する)のですが、部屋に着く頃に今までにない息切れ感を感じて、あまり意地を張っていると危険なのかもしれないと思うことが増えてきました。だから、産業医に行っている企業の健康相談室に向かうときには、ここ数ヶ月は躊躇なくエレベーターを利用するようにしています。健康相談室はビルの7階にあるのです。

 

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お茶の効能

わたしに定期的に送られてくるメルマガ【ヘルシーパス】に、今回はお茶の効能についての記事が載っていました。「お茶はお茶、されどお茶」・・・微妙な作用効果の違いはまあ知っておくとして、お茶は飲むに越したことはないなと思う今日この頃。これは、やはり年齢的なモノでしょうか。

 お茶が発酵度によって分けられていることを実は初めて知りました。不発酵(緑茶)、弱発酵(白茶)、半発酵(青茶:ウーロン茶)、完発酵(紅茶)、後発酵(黒茶:プーアール茶)なのだそうです。そして、発酵度が低いほど淡くスッキリ、発酵度が高いほど渋く深い味わいとなるのだそうな。「緑茶、白茶など発酵度の低いお茶は体の芯にある熱を冷ます効果があると言われています。逆に発酵度の高い紅茶や黒茶は体を温める作用があり 血行不良や冷え性の体質の人に好んで飲まれています」などと云うことも初めての知見。やはり、物事、興味があったかなかったかでこれだけ知識に差ができてしまうモノなのですね。

これからはペットボトルのお茶だけでなく、ちゃんと入れて飲むお茶も意識的にたしなむようにいたしましょう。ちなみに、カフェインが少しでも含まれているとてきめんに交感神経が刺激されて「夜眠れなくなる」という妻は、もっぱら健康麦茶を飲んでいます。麦茶はノンカフェイン飲料の代表ですから。

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自分が受診してわかったこと

緊急で有休をいただいて、専門の泌尿器科病院を受診しました。

地域で有名な個人病院ですが、9時の診療開始15分くらい前に行ったら受付番号26番でした。初診なので半日はかかることを覚悟していました。こうやって時々患者として受診すると、いろんな事が分ります。たぶん、コロナ禍になってまともに病院受診するのは初めてです。

今回の受診でわかったこと。

●スタッフの皆さんのマスク越しの声はとても聞き取りづらい。さらにビニールカーテン越しだとなおのこと。今日は何度も聞き直ししました。

●診療が開始されて2時間くらいすると明らかに空気が殺伐としてきて皆が殺気だってくる。明らかに爺も婆もイライラしているのがわかる。

「次に行かなきゃいかんところがあるのに、2時間待つのにまだ呼ばれない」と高齢男性。「いや、まだあなたが来てから1時間半弱だと思うぞ」と独りでこっそりツッコむ。「今日は特に進行が遅い」と隣に座っていた高齢女性がわたしに話しかけてきました。「9時前に来たのにもう2時間も待っているんですよ」「みんな頑張っているからね、申し訳ないんだけど、家で寝たきりの90歳を超える主人が待っているから早く帰らないと心配なの」と。イライラはしてない様子だけど不安そう。5年も毎月通院しているという彼女が不安がるのだから、やっぱり今日はいつになく受診者が多いのでしょう。わたしみたいな初診者が多いのでしょうか。それなら申し訳ないな、と思いながら話し相手をしていたら、「26番の方、診察室にどうぞ」と声がかかりました。「あ、呼ばれました。お先に失礼します。たぶん、もうすぐ呼ばれますよ」と声をかけてわたしは立ち上がりました。彼女の番号はわたしのより3つ後でしたから。

正直なところ、医療機関の質は、医者の態度や実績よりも受付スタッフや患者さんを呼びに来るパラメディカルスタッフの声かけや動きをみている方がよくわかると思います。そして、ここの病院が患者さんに人気なのがよくわかりました。

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尿管結石

11月に入ってから何かと不穏なわたしの周辺。実はわたしもまた尿管結石の仙痛発作に悩まされている状態です。

まあ尿管結石自体は予備校生のときからの長い付き合いなので、慣れっこで、「石が尿道から膀胱に落ちた瞬間がわかる」と豪語しているくらいだし、旅先で一晩に左右同時に発作を起こしたこともあるとか、仕事帰りに石が尿管に引っかかって前屈みで歩いて駐車場まで行ったことがあるとか、小ネタの武勇伝をたくさん持っているわたしではあります。

だから、最初に約16時間くらい持続する腹痛と腰痛に襲われたときも「これくらいは経験済み」とばかりに乗り越えたのだけれど、同じことが3日後に再び起きてさすがに「これは今までのとはちょっと違う」と悟りました。夕方にこっそり検査技師さんを捕まえて超音波検査をしてみたら・・・でっかい石を尿管に発見。長径1cmありそうな・・・これは自然排石なんて到底無理だなと観念する大きさで、しかも腎臓はしっかりと水腎症。根性で歩いたり、根性で水分とったりすることがさすがにムダみたい(というか逆効果かも)。と判断して、結局砕石術をしてもらえる病院を受診することになりました。

こんなデカいの引っかかったこと、いままでの40年来の武勇伝の中にないから、不安ではありますが、まあなんとかなるでしょう。どんな結果になるであれ、わたしの輝かしい尿管結石の歴史にまたひとつ勲章が加わることになるでしょう。

 

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山本五十六語録

先日、Web学会で受講した日本ポジティブサイコロジー学会の中で、山本五十六大将の語録が『現代に通じる教育の理念』として紹介されました。とてもいい言葉なので、そのまま書き写しました。

   やってみせ
   言って聞かせて
   させてみて
   ほめてやらねば
   人は動かじ

   話し合い
   耳を傾け
   承認し
   任せてやらねば
   人は育たず

   やっている
   姿を感謝で見守って
   信頼せねば
   人は実らず

 

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こどもたちのあいさつ

むかし、私たち夫婦が今の場所に住み始めたころ、道を歩いているとすれ違う中学生も小学生も、皆が皆必ず「こんにちは」「おはようございます」と大きな声であいさつをしてくれました。東京に住んでいたころには経験したことのないことだったので、驚いて、すぐには返事することができなかったのを覚えています。『道ですれ違ったら必ずあいさつをしなさい」という学校での教育がしっかりされていたからでしょう。

ところが、最近はあいさつをしません。ウソのようにまったく。昔は、公園で散歩していると部活の生徒たちが全員各々にあいさつするものだから返事に困ったものですが、今はだれ一人あいさつしません。きっと、不審者が多いこの世の中だから、「知らない人から声をかけられても絶対に返事をするな!」から「道では知らない人には間違ってもあいさつなどしないように」という教育方針に変わったのだろうとすぐに推測できました。まあ、奇異な目で目を逸らされるわけではなく、最初からの無視なのでさほど気にはならないのですが・・・なんか、急な教育方針の転換に戸惑ってしまいます。わたしたちより、子どもたちの方が大変だったのではないのだろうか。入学した最初から「あいさつするな」の教育を受けた世代はいいけれど、「必ずあいさつしなさい」から「あいさつはしてはいけません」に方針転換された世代の子たちは、ちゃんと受け入れることができたのだろうか。理屈はわかるかもしれないけれど、でも何らかの不信感を抱くことは免れなかったのではないかしら。そんな子が、その後の社会の中で生きるときに素直な感性のままで生きていってくれるだろうか・・・そこのところが妙に心配なわたしです。

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知らんわ、そんなこと!

「ワクチンはどうなんですかね。本当に効果があっているんですかね」「来年はまたワクチン打たんといかんごとなるんじゃないんですか」「結局、日本の対応は正解だったんですか不正解だったんですか?」

先日、外勤先から職場に帰るタクシーでずっと運転手さんから質問攻めに遭いました。

「専門家の目から見て、コロナはいつまで続くの? 来年はまだまだ今の生活なんかな」「本当に第6波は来るの? 正月には家族旅行したいね、て旦那と話してるんだけど、どうなんかな」

先週、選挙活動の絡みの電話で遠く離れた従姉が矢継ぎ早に質問されました。

でも、「知らんわ、そんなこと!」 第一、わしゃ専門家でもないし。というか、たぶん専門家でも答えられんと思うわ。感染症専門家たちが毎日テレビなどで語ってることはすべてこれまでの経験値の蓄積からはじき出した想像の世界なんだから。単に、スペイン風邪(インフルエンザ)の歴史的データやSARSの経験から、「それと同じものだと仮定するなら」というもの。何のかんの云って、新型コロナは今まで誰も経験したことのない感染症なんだから、だーれも答なんか知らないはず。ここ2年間やってきたことが正しかったのか誤っていたのか、これから終局までに2年かかるのか5年かかるのか、そんなことは本当に終結宣言出てから数年してやっと答えが出てくるものではないのか。

「正解がわからないと何を信じて生きていけば良いのかわからないから何もできん!」という人たちは、何もするな。何もしないで生きていけるのならそれが一番なのじゃない? ちょっと乱暴な云い方だけど、何もかもが未知の世界の混沌では右往左往した方が負けなのかも。とわたしは思っています。

とにかく、医者だというだけで、わしにコロナのこと聞くのはやめてくれ。

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DAZNの功罪

先日、テレビのバラエティー番組で、「最近、スポーツ番組観ますか?」という問いに「オリンピックは観たけど、それ以外はほとんど観ない」と答えた老若男女のタレントさんたち。たしか、サッカー日本代表のアジア二次予選の翌日かなんかだったと思います。「なぜ?」という問いに、「だってほとんど地上波で放送してくれなくなったから」と。

考えてみるとたしかにそうです。たまに日本で開催されるときには地上波放送あることありますが、最近は放映権を有料配信サイトが独占していて、それと契約していないと観れないことが多い。昔はCSやWowowくらいでしたが、今の状況になった原因の代表がDAZN(ダゾーン)でしょうか。たしかにDAZNは多くのスポーツ番組をつぶさに放映してくれます。わたしが応援しているサッカーJリーグは普通なら放送しないJ3の全試合まできちんとLIVE放送してくれます。プロ野球もバスケットボールもバレーボールも外国のプロスポーツもモータースポーツまで幅広く、しかもご丁寧に見逃し配信まで。いたれりつくせりです。その代わり、年間購読契約をしないと観れません。そして、DAZNが独占契約をする分、地上波やBS放送の放映権はなかなか得られず(たぶん放映権もかなり高価で)、別にスポーツにそれほど深い思い入れがない一般庶民はわざわざ観なくてもいいかな、ということになって当然な気がします。

スポーツを幅広く普及させるためには、観たかったわけじゃないけど何となくテレビを付けたらスポーツやってた・・・「他にすることないから観ようかな」から引き入れてくることはとても大切だと思うのです。先日の東京オリンピックの地上波放送で今まで一度も観たことのないスポーツをLIVEで観る機会を得て、それでスポーツの面白さなり魅力なりが初めて分ったことを多くの人が経験したことでしょう。それが大切なのだと思うのですが、今のプロスポーツはそのチャンスが奪われています。

また、顔も知らない多くの老若男女がテレビという媒体を通して一体になって同じものを応援している空気感、その『一体感』が感じられなくなったのが寂しい、と番組でも嘆いていました。たしかにDAZNは、WiFi環境が途切れてちょっと放送が切れたら、その途切れた時点から再開してくれます。そのためにLIVE配信を謳いリアルタイムの放送見ているようで、世間と若干ずれて観戦してしまうことがよくあります。「しまった、見逃した」というのはない代わりに、ずっと若干遅れのまま見続けるのでSNSでの世間の人たちの反応とずっと遅れてしまうのは、独り蚊帳の外みたいな寂しさがあります。

世の中のエンターテイメントの多くがその在り方を変えようとしている昨今、メリットもデメリットも感じつつ、自分の興味があるものの情報だけを選択的に取り入れればそれでいい、というご時世になんか一抹の寂しさを感じるのは、わたしが昭和の人間だからでしょうか。

 

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原因不明の腰痛

夜中に小便に起きたときから「これはヤバいやつやな」と感じ、朝起きたときには確実な痛みになっている腰痛。このパターンが昔から時々ありますが、最近ちょっと頻度が増した気がします。座っていると張ってきて、歩いているとちょとだけ改善して、痛み止めも湿布もほとんど効果のないやつ。腰椎ヘルニアを持病にもっているからそのせいかなと思いつつたぶん違う。時々後で考えたら尿路結石の刺激だったこともあるけれど、大部分はそれでもない。

原因不明だから今後どうなるのか不安にもなりそうだけど、これが数日後にウソのように消えることも経験済み。そもそも、痛みにはなにがしかの原因があり、その原因を突き止めてそれに対する治療をするというのが西洋医学の考え方なのだけれど、原因がわからない”腰痛症”で悩む老若男女は数多居るそうな。かく云うわたしも初めて痛み始めた頃は不安で動くことも自重し、ヘルニア増悪時に作ってもらったコルセットを巻いて暗澹たる気分になったものですが、わたしの職場の先輩や同僚に腰痛に悩まされている人はたくさん居て、まだわたしに”腰痛”などという用語の存在意義がわからなかった時期に、腰をさすりながら歩いていた人たちの姿を見てきました。彼らが口を揃えて云うのは「いろいろ調べたけど原因がわからない」ということ。「原因がわからない」というコトバは医学の敗北、”不治の病”の烙印を押されたようなモノで、「かわいそうに」と思ったものでした。でも、自分がその世界に入り込んでみると、頼みの綱は治療法ではなく、あれだけ暗い顔をしていた先輩達が今は元気に走り回っているという現実です。何の治療をしたでもなく、効果的なリハビリ法があったわけでもないのに、「いつの間にか治った」という。「原因がわからない」というのはそういうことですね。「原因がない」のだから、理由なく治ることもあって当然。

今回もそう信じて、いつものように過ごしています。少なくとも前回(2週間くらい前)は3、4日で消えました。期待しましょう。

 

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突然の劣化

来月に満13歳を迎える我が家の老犬が、先日いつものように朝起きて二階の寝室から階下の庭に降りようとして、パタと足を止めました。階段の第一歩めを踏み出せないのです。たぶん、真っ白になった白内障の眼で階段の境目がどれだかわからないから怖かったのだと思います(わたしも某ゴルフ場の階段を降りるのがとても怖い。本当に上から見るとどこに境目があるかわからない木目なのです。これ、若い人にはどうということないのだろうかなと行くたびに思います)。でも、前日まで、ちゃんと普通に駆け下りていた階段じゃないか? 「どうしたの?怖い?」と声をかけてもたじろいで後ろに戻ろうとするので、やむを得ず足を取ってあげながら降りました。ゆっくり確認しながら降りたけれど、最後の最後に足を踏み外してうつぶせに倒れてしまい、その後しばらく足を引き摺りました。とりあえず用を済ませて、今度は朝ご飯を食べるために中二階にあがらねばならないのだけれど、階段を一段上ろうとしてまたパタと立ち止まる。後ろ足が上がらない。上がろうとしたけれど滑って上がれない。自信を失った様子で階下に座りこむ老犬。

愕然としました。そんなに突然衰えるものなのか。幸い今回は眼を覆う被毛を結びあげ、足の裏の毛を刈り取って滑らなくしたら階段を再び昇降できるように回復しましたが、我が家の歴代のワンたちのことを思い出しても、本当に突然、昨日できたことができなくなり、自信を失ってなにもしなくなり、ずっと寝ていて失禁をするようになり、失禁してしまった自分に凹み、さらに厭世的になり・・・そんな感じでした。その日は突然やってくるのだろうか。覚悟だけはしておかねばならないか。

これまでは、ワンたちの老化のことばかり考えていましたが、気づいてみればほぼ同じ土俵に自分が居る。そういえば、「歳のわりに全然若いね」と云われて喜んでいたのはつい5年前くらいだったのに、わたしの肌の衰えたるや本当に突然だった気がします。風貌がジイさんになってしまったと自分で認めるのはとても悔しいけれど、もう傍から客観的に観察されると、どんな若作りの服を着てもちょっとごまかせなくなってしまいました。徐々に?いや、なんか突然、「朝起きたらジイさんになっていた」という感じだった気がします。

くそう。負けてたまるか。「負けたくないよね、がんばろうね」と愛犬に向かって話しかけるのだけれど、耳も遠くなってきた彼女は力なくしっぽを振っています。そうそう、そういえば通勤中に聞く車のラジオの声、なんか急に聞き取りづらくなったなあ。

 

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