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アメリカンコーヒー

コーヒーは活動性を高める一方で、不整脈を引き起こす可能性も

コーヒーは体に良い面と悪い面の両方を併せ持つようだ。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のGregory Marcus氏らが実施した臨床試験から、コーヒーの摂取は活動性を高める一方で、睡眠時間に悪影響を及ぼし、また特定の不整脈を引き起こす可能性のあることが明らかになった。この研究結果は、米国心臓協会年次集会(AHA 2021、11月13~15日、オンライン開催)で発表された

正直なところ、コーヒーは健康的観点から考えたらあまり積極的に摂るべきものではないと若いころからずっと思っていました。わたしが特別なコーヒー好きではないのは、別にそれが理由ではありません(単に入れるのが面倒くさいだけだから)。

若くして脳腫瘍で亡くなったわたしのかつてのボスは、わたしが研修医として初めて循環器内科に来たときからずっとアメリカンコーヒーを飲んでいました(コーヒー好きでもないわたしが『アメリカン』というコトバを覚えたのはボスのおかげです)。アメリカンコーヒーは「浅煎りで焙煎したコーヒー豆でいれたコーヒー」が本来の意味らしいですが、コーヒーをお湯で薄めたものを飲むアメリカ人の元々の文化に起因してそう呼ぶらしい。ボスがアメリカンを飲む理由について、「心室性期外収縮がかなり多いので」と本人から聞いたことがあり、そのおかげで「コーヒーを飲むと心室性不整脈が出やすい」ということを当時から知っていました。「医者は自分の専門分野の病気で死ぬ、とよく云われるから自分は不整脈で突然死するのではないかと心配しているのだ」と云っていたボスでした。

夜にコーヒーを飲むと眠れなくなるからと云ってわたしにだけ時々コーヒーを入れてくれる妻。でも、わたしはあまり睡眠に関連するトラブルを感じたことのない人間です。一方で、コーヒーを飲んだからといって活動量が増えるという感じもありません。期外収縮も睡眠障害もカフェインのせいだと聞いたことがありますが、この研究では「カフェインだけが原因ではない」みたいな書き方をしています。これはアメリカ人の研究だからやむを得ませんが、日本人ならむしろ緑茶と麦茶の違い(カフェインの有無の違い)でどうなるのか調べてみたらいいいのに、とちょっと思いました。少なくともわたしは、コーヒーより緑茶を飲む頻度の方が高いので、是非知りたいところではあります。

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