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2022年2月

車が少ない?

最近、出勤のために家を出る時刻が以前より10分近く遅くなる日が多くなりました。きまぐれに起きてきて突然吠えて自分のやりたい行動を主張するようになってきた13歳の老犬と、私が起きるなりずっと付いて回ってジャマしながらちょっかいを出す生後10カ月の幼犬のおかげで、朝のルーチンでやるべき仕事が効率よくやれなくなってきたからです。

「もう、なんとかしてよ!」「これじゃ遅刻しちゃうよ!」とぼやきながら毎朝自家用車を発車させるのですが、実は職場に着く時刻は意外に早い。以前は朝7時の出発が10分遅れるだけで到着時間が20分近く遅くなっていたのに・・・そういえば、右折信号2回、3回待ちが当たり前だった交差点を1回でスムーズに通過できるのが当たり前になっています。たしかに、街中の車の量が少ない。それは実感します。「たぶん、テレワークが定着してきたせいじゃないかしら」と、わたしが産業医として通う企業の産業保健師さんが分析していましたが、わたしの勤務する病院界隈は製造業系の会社が多いので、そんなにテレワークが普及しているのかな、と疑問に感じてはいます。もうすぐまん延防止等重点措置が解除されたら、車の量はまた増えるのだろうか。新型コロナがいつか終息したらまた社会は以前のような猥雑でぐちゃぐちゃした世界に戻ってしまうのでしょうか。

コロナ禍3年目に入ろうとする世界の中で、日本はヨーロッパやアメリカなどのように以前の社会に回帰することを求めなくなるのではないか、という感じが少ししています。働き方という点で、今の社会に合うように創意工夫をこらしている人たちが多くなり、もはや前の社会のままに帰ることを決して想定していない様な気がします。コロナ前の生活に戻りたい。でも、社会全体がコロナ前の状態には戻らないし戻ることを必ずしも良しとはしない。そんな、『進化』が現れていくのではないかな、とそんなことを思うのです。そう思うと、欧米は典型的な保守主義で日本人は思いの外リベラルであるような気がしてきました。

 

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認知症予防と運動

河盛先生の講演は引き続き<Part2 認知症の予防に、今、我々ができることをする。それは何か?>がありました。文京区の高齢者住民を対象に介護予防を目指した研究をした結果の紹介です。このYouTubeの配信動画は無料でずっと見られるので、興味がある方は是非ご覧ください。示されたものの中から、メモできた分を列記してみます。

・サルコペニア・サルコペニア肥満と認知機能低下の関連:軽度認知機能障害・認知症ともに、単なる肥満者よりもサルコペニアの人の方が有病率が増し、サルコペニア肥満(握力が低下している肥満者)の人はさらにそれ以上に有病率の増加が著しい。

・運動習慣がある人の方が認知機能テストの成績が良い。さらに高齢になればなるほど運動習慣があると認知機能低下が抑制されている可能性がある。

・ロコモ度が高いほど認知機能テストの成績が悪い。年齢に関係なく移動機能の低下(ロコモ)と認知機能の低下は関連する可能性がある。ロコモ度(移動機能低下)が強いほど軽度認知機能障害のリスクが高まる可能性があり、女性よりも男性の方がその傾向が強い。

・下肢筋力の程度と無症候性ラクナ梗塞(症状のない小さな脳梗塞所見)の関連:下肢筋力が弱いほど無症候性ラクナ梗塞の有病率が増加する傾向にある。

・女性において、中高校生時代に運動部活動をしていたかどうかと現在運動をしているかどうかで4群に分けると、昔も今も運動している人の骨粗鬆症の有病率が一番低いが、中高校生時代の運動経験の有無に関わりなく、現在の運動習慣がある方がない人より有病率が低い傾向にある。

・サルコペニアの有病率と糖代謝を比較すると、糖尿病の人だけでなく境界型糖尿病の人でも正常者に比べて明らかにサルコペニアの有病率が高い。サルコペニアはインスリン抵抗性が強い人の方が有意に多く、糖尿病の有病率はインスリン抵抗性にサルコペニアが加わると有意に増加する。メタボ対策としての有酸素運動(インスリン感受性の増加)とフレイル・サルコペニア・ロコモ対策としてのレジスタンス運動(筋力・筋量の増加)の両方をバランス良く行うことが重要である。

講演の最後に、わたしが今一番興味のある内容を話してくれました。今流行りのSGLT2阻害薬(オシッコに糖を放出させることによって血中の糖を下げる治療薬)の作用機序についてです。劇的に血糖値が改善するだけでなく、脂肪肝がなくなり、体重が減り、腎血流の改善により腎機能が改善し、脳血流を上げ、心不全の改善も促す効果が指摘されてきました。血中から糖を出し、それがなくなったら次は肝臓のグリコーゲンを分解しその次は脂肪から糖を新生させることによる効果・・・でも、それがなくなったら次は筋肉のタンパクから糖を新生させるようになるはず。つまりすでに脂肪肝が改善し肥満がなくなっている(あるいは初めからやせている)患者さんに処方を漫然と続けていったら、徐々に筋量が減ってサルコペニアになっていくのではないか。そうならないためにはどうしたらいいか。今後そういうこともきちんと調べる必要があるだろう、と。わたしもそこのところがずっと気になっていましたから、今後の研究成果に期待したいと思いました。

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若ペニア

2月1日に配信されてきた保健指導リソースガイドに紹介されていた『全国生活習慣病予防月間』の市民公開講演会の動画を先日ゆっくり拝聴しました。

 『こころの密を育てる―ネガティブになりがちな今だから「多くの人・こと・ものとつながる」』と題した認知行動療法の大野裕先生の話も面白かったですが、ここでは第2部の「認知機能低下を防止する生活習慣がわかってきた!」という河盛隆造先生のお話を紹介します。糖尿病の第一人者として糖尿病予防の啓蒙啓発に従事されていた河盛先生(わたしが人間ドックで血糖変化のなんたるかを説明している内容はすべて15年くらい前に河盛先生のセミナーで教わったことの受け売りですから、わたしの予防医療の実績のすべては河盛先生に出会ったこと(一方的ですが)に起因しています)が、名誉教授になられた後にこんな仕事をされていたとは存じませんでした。河盛先生がセンター長を務めている順天堂大学大学院スポートロジーセンターというのにまず興味が向かいます。

<Part1 スポートロジー研究が明らかにする現代人の生活習慣>

『スポーツ医学』との違いやスポートロジー創設の経緯などを説明の後、河盛先生がプレゼンしてくれた内容は『やせメタボ』のなんたるかということでした。肥満がなくて”健診でもなんら異常がない”のに運動不足のために筋量・筋力の低下から筋のインスリン作用が低下しそのためにエネルギー消費量が低下するとか、脂肪摂取が多くなって肝でのインスリン作用が低下して糖負荷後に過血糖になるとかいうデータを説明していただき、改めて運動の大切さを痛感。それよりも、予防医療に関わる立場としては、”健診で異常がないのに”とサラッと云い流されたことばにショックを受けました。

河盛先生が強調していたのは若いやせ女性の代謝異常が想像以上に悪化していたことでした。検査をした20代女性41人全員にビタミンD欠乏と筋力低下があり、低骨量状態が全体の37%、すでに骨粗鬆症状態の人がやせ女性の9%に認められ、もはやこれはサルコペニアに近い状態だったというのです。更年期~閉経以降の女性に見られるようなサルコペニアやフレイルの状態が20歳代ですでに認められている、つまり『若ペニア』『若フレイル』状態だ!と警鐘を鳴らされていました。概念的には知っていましたが、ここまでデータを示されると危機感を感じますし、大いなる危機感を持って啓蒙啓発するのが予防医療の携わる者の使命だと痛感した次第です。

 

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体重測定

体重測定を行っていない理由では、男性では「面倒くさい」、女性では「現実逃避」

オムロン ヘルスケアが実施した調査によると、体重計(体組成計を含む)をもっている人は全体の86%にのぼり、ほとんどの人は体重計を所有しており、3人に1人は週5日以上測定している。一方で、体重計はもっていても活用していないという人も45%に上り、体重測定を行っていない理由では、男性では「面倒くさい」、女性では「現実逃避」が多く、体重測定に対する意識に男女間で差があることが明らかになった。”(保健指導リソースガイド2022年02月15日号)

レコーディングはダイエットの基本。毎日決まった時間に体重測定してきちんと記録しましょう。そうするだけで体重は減ります・・・そう云われて久しい。もはや常識中の常識です。で、体重計と歩数計を購入します。まあ歩数計はカラダに付けておくだけだから活用します。今はウオッチ型の歩数計も多く、うちの妻が付けているようなApple Watchは適宜励ましのメッセージが出てきてくれます。ただ、体重測定は気が乗らないものです。日々がんばって「減ってきたな」と感じれば毎日でも載りますけど、この腹の出方からして「絶対に増えているよ」と分かっているのに載る気にはなれません。特に冬場はできるだけ軽くしたいからパンツいっちょになって量りたい。でも寒いし。脱いだらまた着なきゃいけないし、風呂に入るときも寒いし・・・量らない言い訳はいくらでも並べられます。毎年活動量計を配布されて身につけている3ヶ月間は体重を量らないと歩数を記録できないからやむを得ず体重計に載るけれど、職員健診が終わって活動量計を返却してしまえば、もう絶対に体重計には載らない。だからその半年後辺りから体重が増えている(量らないけど実感でわかる)ということの繰り返しだったわたしは、昨年から一念発起して活動量計がなくても一日一回、昼食前に職場で体重を量るようにしてきました。まあ執着気質のわたしですので、始めれば続けられる。ただ、活動量計の時と違って表示される数字を自分でスマホに入力しなければならない。このときに妙に躊躇するのであります。週明けに体重が増えてしまった・・・今日は量らなかったことにしよう。妙に値が軽かったからきちんと載る前に計測したのかもしれないと思って量り直したら元に戻ってしまった・・・とりあえず最初の値を記録しようかな、ウソじゃないし。みたいな、自分にウソをつこうとする自分。あーいやだいやだ。だれにみせるでもないのに。そんな自己嫌悪をするくらいなら量らないのが一番だわ! なんて思ってしまう今日この頃であります。

わが家にも体重計はあります(いくつも)が使うのは妻だけです。使わない理由はもちろん「面倒くさいから」+「現実逃避」であります。
 

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わたしは糖尿病ですか?

「そもそも糖尿病なので他の人より脂肪肝とかにはなりやすいと思いますよ」

人間ドックの結果を見ながら説明していると、「え、わたしはもう糖尿病なんですか?」とよく聞き返されます。「まだ予備軍じゃないんですか?」と。これだけ世の中に糖代謝異常(糖尿病や境界型糖尿病)がまん延して世間のコンセンサスも得ているものと思っていましたが、どうしても「糖尿病」と「予備軍(境界型)」に区別を付けたがるのですね。まあ、わたしが糖尿病家系ではないから、そのあたりのこだわりが理解できないのかもしれませんが。

「糖尿病」という診断名を付けるためには10時間以上絶食していても血糖値が126mg/dl以上あるとか、ここ数ヶ月の平均点であるHbA1cが6.5%以上になっているとか、糖負荷試験の2時間値が200mg/dl以上だとかの決められた基準を満たさないといけません。それに満たないけど正常ではない人が境界型なのですが、わざわざ糖尿病の診断基準まで悪化するのを待つこと自体に意味がありますまい。糖尿病は予備軍の時期に動脈硬化が加速度を増して進行するから、この時期に心筋梗塞の発症率が2倍以上増加することがわかっています。そもそも糖尿病の方の初期の治療目標はHbA1cが6.0%を切れるように(正常域になれるように)することなのですから、予備軍のレベルで見つかったのなら、すぐに治療を開始してそのレベルを維持させる、ということがすなわち糖尿病の治療なわけです。糖尿病の治療の主体はあくまでも運動と食事と睡眠なのですから、それをがんばって生活すること自体が糖尿病の治療。それによって予備軍レベルで維持させることが治療の目標。そう考えると、予備軍のレベルは「とっても優秀な糖尿病の治療中」と考えた方が健全です。

「あなたは糖尿病ですよ」と断言してあげたいけれど、それをかかりつけ医に話すと「まだ違うよ」とか「全然大丈夫だよ」とか云われてわたしの信用がガタ落ちになるので、何となくお茶を濁して話しますけど、意識の違いが将来の合併症に繋がるだけに、「なんかもったいないな」と思うこと頻(しき)りな今日この頃です。

 

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長白衣

「あれ、先生がめずらしく長白衣着てる!」
そう云って若いスタッフが覗きに来ました。 
「どう? 何かまるで医者みたいでしょ?」と笑うと、
「はい。似合ってます。ナイスです」って答えてくれたのでまんざらでもありませんでした。

先週後半から急に寒波がやってきて「朝が冷える」というので、職場支給(日頃使用しているベンケーシーは個人持ちのものを使っていますが、基本的にうちの職場の白衣はレンタル制でロッカー前の棚から自分に合ったサイズの白衣を抜き取って着ます)の長白衣を上に羽織りました。若いころはいつもそうやって長白衣をなびかせて颯爽と(?)走り回っていましたが、建物内で働く限り空調がしっかりしているから寒くないし、長白衣は着ていると機能的ではないので、ここ20年近くは年中ベンケーシー(半袖白衣)だけで過ごしてきました。だから、突然わたしがそんな格好になったので、周りから見たら違和感しかなかったのでしょう。

とは云っても、慣れないので煩わしくて、結局着るのは朝と夕方だけです。それなのになぜ今になってわざわざ着たのかと云えば、それは云うまでもなく「もういい歳だから」。体感としては問題なくてもこれだけ寒ければきっと血圧が上がっているはず。それでなくても降圧剤を服用しているのに朝は150/95mmHg 近く上がっていたりしてる今日この頃、脳卒中で倒れるわけにはいかないのです。2週間ほど前に2軒隣りの家のご主人がお風呂で脳内出血で倒れて救急車で運ばれました。あれを見ていたら、「自分も、自覚症状がなくても自粛するべき年齢だな」と認識した次第です。

ま、それでも今週後半からは気温も上がるようだから、長白衣の手助けはもう不要になるかな。

 

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プレゼント

北京オリンピックの最終日は朝からカーリング女子決勝を観ました。決勝はアイスの神様が若干イギリスに味方して日本は負けてしまいました。当事者はとても悔しそうでしたが、でもとても立派な戦いぶりでした。

Yesterday is history, Tomorrow is mystery, and Today is a gift. That is why we call it “present”.
『今日』というプレゼント🎁を楽しもう

日本代表となったロコ・ソラーレを創った本橋麻里さんが準決勝を前に選手たちに送ったtwitterです。なんていい言葉なんだろうと思ってコピーしました・・・「昨日はもう終わってしまったもの。明日はどうなるか分らない。だから今日のプレゼントを存分に楽しもう」

競技そのものをほとんど知らなかったカーリングという競技が日本で有名になったきっかけは4年前のロコ・ソラーレの快進撃でした。今回と同様のミラクルが起きてまさかの準決勝進出、そしてミラクルで転がり込んできた銅メダル。日本中が彼女たちの虜になりました。あれから4年、再び彼女たちが氷上に戻ってきて、再びミラクルを起して銀メダル。おそらく日本中どころか世界中で彼女たちを賞賛していることでしょう。

日本代表といってもカーリングはチームとしての代表であり、他の競技と違って個々の選出ではありません。あくまでもチームとしての絆の戦い・・・なんか彼女たちをみていると、日本のカーリング女子が世界で愛されているのは、もしや日本代表が彼女たちだったからに違いないと思ってしまいます。勝つためにこっそり相手を押したり引っ張ったりするのが当たり前の競技がある一方で、カーリングという競技の持つ紳士性や礼儀正しさもさることながら、彼女たちの笑顔やお互いをリスペクトする態度や相手国選手達へのリスペクトを身体全体で表現している姿に魅了されるのです。うまくいってもいかなくても、勝っても負けても、「ナイス!」「わるくないよ」という声が響くのをテレビを通して聴いているのはとても心地よい。神様からのプレゼントで運命の機微で2大会ともに準決勝に進ませてもらった彼女たちのミラクルは、きっと彼女たちだけでなく観ているわたしたち皆へのプレゼント。こんな云い方は良くないもしれないけれど、ロコ・ソラーレは日本の中では決してダントツで強いチームでもなければ大きな企業がバックアップする組織でもありませんから、代表選考試合でもし他のチームが勝ち上がっていたらこんな空気感ではなかったかもしれない。あの、いつも前向きで明るいチームの絆の素晴らしさを最後まで見せてくれて、感謝しかありません。ありがとう。



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大善寺

  できないことを嘆かず

  できることを喜ぶ    (大善寺)

 

静岡に住む友人がときどき近くのお寺に掲げてあるお言葉をFacebookに上げてくれます。昨日アップされた写真には、こんなコトバが書かれてありました。

わたしたちの歳になると、この真意が身に染みてわかるようになってきました。できなかったことを嘆くよりできたことを喜ぶ・・・とても大切なことだと理解しながらも、こころはいつも裏腹で、どうしてできなかったんだろう?といつまでもくよくよ考えてしまいます。

奇しくも今は冬季オリンピックの真っ最中。判定問題やらドーピング問題やら規定違反やらいろいろな問題が続出し、国と国のエゴのせめぎ合いの渦の中で選手たちが翻弄されていてかわいそうにと思うのですが、ふと考えてみると、選手たち(とくに日本選手たち)の立ち振る舞いがむかしと変わってきているように感じます。まさしくこの大善寺の教えのごとし・・・皆に期待されながら思ったほどの結果を出せなかった選手たちでもその顔にあまり大きな悲壮感の影を見せず(ココロの中では大きなショックなのでしょうが)、むしろそんな中で自分のできたことを探し出して前向きなコトバに表現している姿。つい数年前のオリンピックまでは、負けてしまった選手だけでなくその周辺全体が重い空気に包まれてテレビで見ているのもかわいそうでしたが、昨年の東京オリンピックの時も同様で、今の選手たちはみな異口同音に『感謝』を口にし、「悔しいけれど、今やれることはやり尽くした」と云いきるココロのたくましさを持てるようになってきました。

何十年も余分に生きているのに悟りきれないわたしには、すべてが輝いて見えて、「若いのにエラいなぁ」と感心(感動)するばかりです。

 

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嗜好を変えさせる?

先週配信されたCareNetで気になった記事②(CareNet2022.2.9配信)
メニューの75%以上が野菜料理のレストランなら、肉好きの人もそれを選ぶ

 ”レストランのメニューの4分の3以上がベジタリアン料理で占められている場合は、肉料理が好きな人でも、その中から選んで注文する確率が高くなるという研究結果が、「Journal of Environmental Psychology」2月号に掲載された。筆頭著者である英ウェストミンスター大学のBeth Parkin氏は、「植物性食品ベースの食事を取ることは、その人の健康上のメリットになるばかりでなく、地球温暖化の抑止にもつながる」と話している。”
”この研究結果は、肉類が好きな人は、ベジタリアン料理の種類が豊富で選択肢が十分ある場合には、自分の好みを変える可能性があるものの、そのような変化を引き起こすには、数々のベジタリアンメニューを用意しておく必要があることを示している。”

なかなかおもしろい研究だと思いますが、著者の云うように「ベジタリアン料理のメニューを増やしてその選択肢を広げ、それらの中から注文することが望ましい行動であると暗示することに意味がある。そうすると、肉好きな人の行動が変わり、植物性食品ベースの料理を選ぶようになるのではないか」というのはどうだろうか? そもそも、そのレストランにその後足繁く通うようになるのだろうか? 肉食中心の生活を菜食中心に変えることで生活習慣病が予防できるのかどうかも不明(イギリス人の研究だから)だし、ベジタリアン料理はうつ病になりやすいという研究結果も出ているくらいです。カラダが肉を求めているのに、「世界の温室効果ガス排出量の削減に繋がる」という大義名分を振りかざしても、嗜好が変わるモノなのかしら・・・わたしはそんなに肉好きではないからよくわからないけど、逆に野菜好きな人に肉中心のメニュー表を提示したとしたらどうだろう。数少ないベジタリアン料理がおいしそうな手の込んだ料理でなかったらやむを得ず諦めて肉料理を選ぶのでしょうけど、以降のレストラン選択肢に入れてもらえないような気がするんです。食わず嫌いの人に食事の嗜好を変えさせるためには、メニューの種類よりも、いかにその人の舌に合わせられる内容の料理を創作できるかではないかと思います。

 

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カレーライスを食おう!

先週配信されたCareNetで気になった記事①(CareNet2022.2.9配信)
カレーライスの消費とうつ病、高血圧、糖尿病との関連

韓国・順天大学校のHai Duc Nguyen氏らは、カレーライスの消費と心血管疾患(CVD)、2型糖尿病(T2DB)、関節炎、うつ病との関連について調査を行った。Diabetes & Metabolic Syndrome誌オンライン版2021年12月26日号の報告
カレーライスの消費が多かった人は、少なかった人と比較し、トリグリセリドの上昇、HbA1cの上昇、グルコースの上昇の割合が有意に低かった。カレーライスの消費が多かった人は、少なかった人と比較し、高血圧、T2DB、うつ病のリスクが有意に低かった。

いまだにカレーは高カロリー食だから食べると太ると思っている人は多いようですが、以前から『朝カレーダイエット』とか普通に有名です。朝からカレーなんか食うと胸やけして爽やかな朝が迎えられない!と云う人は、わたしが食べているような脂質50%オフのカレーだと大丈夫です。わたしは状況が許されるなら毎朝毎晩カレー食っても全然OK。ただ、わたしの場合、カレー大好きだからつい食い過ぎてしまいます。ディナーなら必ず2杯・・・食い過ぎるとさすがに上の結果は反映されないでしょうね。

ま、カレー好きでもない人や香辛料が苦手な人に、無理矢理勧めようとは思いませんけれど。
 

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青いマスクがいい男を作る?

マスク着用で男性の顔の魅力度がアップする?

男性は、マスクを着用すると女性から見た顔の魅力度がアップする可能性のあることが、英国の研究で明らかにされた。特に青い医療用マスク(サージカルマスク)を着用している場合に、顔の魅力度が大きく上昇したという。英カーディフ大学のOlive Hies氏とMichael Lewis氏らによる研究結果で、詳細は「Cognitive Research: Principles and Implications」に1月10日に掲載された。”(HealthDay News 2022.1.28)

マスク美人のはなしは以前から出ていましたが、さすがにCOVID-19の影響で2年以上もマスク生活を余儀なくされてしまうと、たしかにマスク姿に対する人々の印象が変わるのは無理もないです。コロナ前、冬は防寒の意味とともにインフルが怖いので旅行や学会出張の時にはマスクをしていましたが、病院で配布される青いサージカルマスクをするのがとても恥ずかしかった。市中であのマスクはちょっと場違いな気がして、わざわざ薬局で買った布マスクをしたりしていました。現在、わたしの勤務する病院では青色マスクではなく白色マスクが配布されています。「白でも医療用マスクで機能は青色と全く同じです」と注意書きされたのはコロナ禍1年目の、世の中にマスクが無くなって異常な高値で売買されていたころのことでしたが、供給が元に戻った現在でもわたしたちは白色のサージカルマスクをしています。あの当時、青か白かは安全性の有無の評価としてとても重要だった気がします。白だとどこか心許ない、みたいな。でもあの当時、中国や諸外国から続々と高値で廻ってきた青色マスクがこぞって粗悪品で、青色(特にちょっと濃いめの青)だと外国産のバッタモンじゃないかと疑ったものです。

ちなみに、わたしは残念ながら青は似合いません。青い服を着ると途端に顔色が悪く見えます。今後、「青しかない」と云われない限り青マスクはしないでしょう。なお、本当のサージカルマスク(空気感染にも対応するヤツ)を日常で使うのは普通の人には無理だと思います。空気が通らないので苦しいのです。
 

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酒とワクチン

飲酒習慣、抗体15%減=3回目接種めぐり初調査―コロナワクチン・国際医療福祉大

 ”新型コロナウイルスワクチンの3回目接種後の中和抗体量について、飲酒の習慣がある人はない人より約15%少ないとの研究結果を、国際医療福祉大の藤田烈・准教授(感染症疫学)らがまとめた。3回目接種に飲酒が与える影響に関する大規模研究は国内初という”(時事メディカル2022.2.7)

「酒」の字があるとつい目が行ってしまうのが酒飲みの性(さが)。たまたまこの記事が出た日に人間ドック結果を説明した受診者さんがその日の午後に3回目ワクチンを受けに行くというので「あなたは酒飲みですか?」と聞いたら、「週に2回か3回飲みます」と答えました。これは『飲酒習慣』ありになるのかなしになるのか? まあ、休肝日を作らないわたしは迷うことなく『飲酒習慣』あり。

ワクチン接種による免疫強化について、飲酒は一般的に悪影響を与えることが知られている。藤田氏は「コロナワクチンの場合も、飲酒による肝機能の低下や免疫細胞の約7割が集まる腸管への負担などが影響し、抗体価の上昇が妨げられたのでは」と指摘する。

はいはい、獲得抗体価15%減ですね。どうせ、接種数日前から接種当日まで酒を飲まないでいるくらいでは焼け石に水なのでしょうから、わたしはとにかく標準予防策を遵守しながら、感染しないように心して生きていきます。

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代替タンパクの質の問題では?

低炭水化物食でがん罹患リスク上昇

 ”国立がん研究センターがん対策研究所予防関連プロジェクトの研究グループは、多目的コホート研究JPHCのデータを用いて低炭水化物食とがん罹患との関連を調べた結果をCancer Sci(2021年11月25日オンライン版)に発表。炭水化物の割合が低い場合、がん罹患リスクが高かったと報告した。この関係は脂質および蛋白質の摂取源が動物性食品の場合、より顕著であった。”(Medical Tribune 2022.2.8配信)

この低炭水化物ダイエット主流の社会の中で、なかなかインパクトの強い研究内容だと思って読んでみましたが、これはちょっと主役が違うのではないかと思いました。

・低炭水化物スコアが高いほど、全部位および直腸がんの罹患リスクは高い傾向が(順に傾向性のP=0.012、傾向性のP=0.034)、胃がんの罹患リスクは低い傾向がそれぞれ認められた(傾向性のP=0.006)
・動物性食品に基づく低炭水化物スコアが高いほど全部位、大腸がん、直腸がん、肺がんの罹患リスクが高く、胃がんの罹患リスクは低い傾向が認められた
・植物性食品に基づく場合は、低炭水化物スコアが高いほど胃がん(P=0.031)の罹患リスクが低い傾向にあったものの(傾向性のP=0.031)、罹患リスクが高まる傾向を示したがん種はなかった

つまり、低炭水化物食ががん罹患リスクを高めているというよりは、炭水化物を減らす代わりに摂取する量が増量される傾向のあるタンパク質や脂質が、それも特に動物性由来の食品が多いほどリスクを高めている、ということを示しているにすぎないのではないかと読み解きましたが、間違っているんでしょうか。炭水化物を減らしてもタンパク・脂質を増やさなければ(むしろ一緒に減らすことをお勧めしますが)問題ないのではないかと思うけれど、そういう検討はしていないようです。

少なくとも「炭水化物を減らすとがんになりやすい」という研究結果ではないことは強調してほしいものです。要するに、副題の『脂質・蛋白質の摂取源が動物性食品の場合により顕著』がメインなのだと悟りました。

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オシッコは立ってしたい

男性の排尿、臥位よりも立位が効率良好

 ”哺乳類の中で、ヒト男性のみが立位姿勢の排尿が可能である。高侵襲手術や長期臥床後の高齢者など、日常生活活動(ADL)が阻害されると高率に排尿障害が発生するが、体位の変化が排尿にどのような影響を及ぼすかについての研究は少ない。兵庫医科大学泌尿器科学の嶋谷公宏氏は、立位と臥位における排尿時の骨盤臓器の解剖学的変化をMRI動画で解析。立位の方が排尿効率が良好であると、第109回日本泌尿器科学会(2021年12月7〜10日、ウェブ併催)で報告した
尿流率は臥位に比べて立位で有意に高く、残尿を認める割合も有意に少なかったことから、臥位よりも立位の方が排尿効率が良いことが示された。” Medical Tribune2022年01月25日配信

便器に向かって立ってオシッコをすると便器やその周りが飛沫で汚れるから、『立って小便禁止』令が出ている家庭は少なくないでしょう。わが家は禁止令は出ないけど、小便器周りが汚いと冷ややかな目で妻に睨まれます。また、高齢者は夜中のオシッコで自律神経反射のために排尿後失神を起こす危険性があるから特に寒い日の夜中のオシッコは座ってするのが無難だ、と指導されたりしてきました。

でも、オシッコは立ってした方が出やすいことは皆が経験として知っています。若い人でも入院中の絶対安静や検査後で寝たまま尿器を当てられて排尿を促されても中々出ないことを経験したことのある人は少なくないでしょう。そんな格好でおねしょするような行為は慣れていないからなかなかできないと云われていましたが、ちゃんと医学的根拠があったわけですね。「オシッコが横に飛び散ること自体が全く理解できない」と女性は云います。解剖学的な問題なのできっと一生理解できないでしょうが、注意していても予期しない方向に出てしまうのですよ。外したらちゃんと用を足した直後に便器や床を拭く様に留意することを条件に、世の禁止令発令中の家庭では是非とも規制緩和をご検討ください。

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わたしは認知機能スコア良好なのか?

「家事」のアンチエイジング効果 脳を活性化でき足腰も強くなる 男性も家事をするべき

 ”掃除や洗濯などの家事を行うことは、記憶力や注意力を高め、足腰を強くし、高齢者の転倒予防につながるという調査結果が発表された。家事を多く行っている人は、あまり行っていない人に比べ、認知能力のスコアが高かった。軽い家事を行っていると5%、重い家事を行っていると8%、それぞれ認知能力は高かった。研究者は、「1日に数時間の家事に従事することは、健康に有益である可能性があります」とコメント。一方で、世界的に家事の負担が女性に偏っている現状についても指摘している”(保健指導リソースガイド2022.2.1配信)

予防医療に従事していると、受診者が口を揃えて云うのは「運動不足」なのですが、どうも彼らはウォーキングやジョギングなどのことを「運動」と称し、「忙しくてなかなか運動の時間が取れない」と云う。特に若いときにスポーツをしていたアスリート系の人は「運動」の定義を高いところに設定しすぎる嫌いがあります。だからわたしは「運動」は「身体活動」のことです、と説明します。「立っているだけでも十分な運動なのですから」と。家事なんか身体活動の最たるモノだと思います。「家事はオレの仕事じゃない」と面倒くさがっている連中が健康運動なんか絶対しないと思います。「いやいや、オレは仕事帰りにジムに寄って汗を流して帰ってきているから運動は十分している」と主張して家事をしない連中は、総じて、帰ってきたらゴロゴロしています。運動のノルマはこなしたからあとは寝ていても大丈夫と思っている連中・・・一番エネルギーを体内にため込むメタボ系のパターンでございますよ。

わたしは、料理以外の家事はほぼ全部受け持っています。朝出勤1時間前に起きて、洗濯物を干し、ワン達の排泄の始末をして朝飯を準備してからゴミ出しに行き、仏壇の水替えとお参りをしてから出勤。仕事から帰ってきてから洗濯物を取り入れて畳み、ワン達の散歩に行き、帰ってきてからお風呂掃除とお湯溜めの準備を済ませます。週末は家中の掃除をし、落ち葉の季節は家の周りの落ち葉掻きも日課になります。この程度のこと、もう20年来のルーチンワークだからしごく当たり前のことと思っていますが、これやってたら本当にわたしの認知機能は保たれるのでしょうか? どうも老いが酷くなっている気がする昨今、この程度で呆けないというならいくらでもやりますけど。

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サブスク

サブスク(サブスクリプションsubscription)という用語が氾濫していて、しばらく知ったかぶりしながら聞き流していたわたしも輪郭は掴めてきています。レンタルで月額いくらかを払うとその期間漫画読み放題とか映画見放題とか音楽聞き放題とかの特権があって、買うわけじゃないから手元には残らないけれど、安い料金で視聴したいモノを見たいだけ見れる、聴きたいだけ聴けるメリットがあるものだ、と理解しています。

でも、先日ニュースで東京駅のコインロッカーを月単位で借りれる”サブスク”ができた、とか云われて、「ん? これもサブスクなの?」とちょっとイメージが違ってよくわからなくなりました。そういえば、「今はカーシェアしたりレンタルしたりするのが便利なんだってね」と云ったら「それは”サブスク”って云うんだよ」と鼻で笑われたこともある。月単位で契約すると毎日スイーツ食べ放題の”サブスク”とかランチ食べ放題の”サブスク”とかはまだ理解できたけど、なんでもかんでも”サブスク”だと自分の理解の範囲を超えそうになっておりました。

でも、”金銭の「寄付」や定期刊行物の「予約購読」といった意味を持つ英単語”として捉えていたからピンとこなかったけれど、”本やCDといった商品にお金を支払って買うのではなく、一定期間にわたってサービスを使う権利を得る「利用料」を支払う方式”という説明を聞いて合点がいきました。そうか、『利用権を買う』ってことなのですね。

 

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一悶着ありそうな気配

「下アゴ整顔術による難聴改善」に関して

 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が声明文を発表しました。”「下アゴ整顔術」と呼ばれる施術により難聴が改善する旨のインターネット広告が見られるが、「整顔術で難聴が改善することは期待できない」”というものです。

そんな広告は少なくともわたしのFacebookやInstagramには入ってこないので全く知りませんでしたが、たしかに『下アゴ整顔術』で検索すると出てきますね。『カスガ美整顔術』の春日TT-AH 施術手法(神経・筋整合手技法)というやつなのでしょう。

 わたしは全くの門外漢なので何も論じることはできませんが、この春日先生考案の方法が難聴で悩む人の一部に奏効したという事実は事実なのでしょうが、これが学会の主張するような眉唾モノで一気に消えてしまうものなのか、それとも地動説vs天動説以来歴史の中に何度も出てくるように新しい理論を旧態依然とした大勢が押しつぶそうとしているものなのか、ちょっと興味を持って見ていたいと思います。もっとも、こういう話題にすぐ飛びつくのがマスコミで、双方を煽って性急に結論を出させようとするから、そうなると春日先生側が不利かもしれません。しらんけど。

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新しい生活

先日、バラエティ番組にチャンネルを合わせたら3~4年前の映像が流れていました。出演している芸人さんの姿にはあまり変化がないのに、なんかものすごい違和感を感じました。1画面の中に10人近い人がかつての満員電車の座席の様に折り重なるようにぎゅうぎゅう詰めで座っているのです。ああそうか、コロナ前のついこの間までこんな異常な世界が当たり前だったんだな、と思うとともに、明らかに今の生活に全てが慣れてしまっていることに驚きました。今、この画像を見たら、誰もがあんな時代に戻れない(戻りたくない)と感じるに違いないと思います。

店で食べる料理をテイクアウトしてもちっともおいしくない、料理は料理店で食べなければ味が劣化する、と作る側も食べる側も思い込んでいたのに、いつの間にか店の味をそのまま家で再現できるテイクアウトメニューが開発され、むしろお取り寄せ料理の方がおいしくできたりする時代。現地開催の学会では同時進行のセッションだとどれか1つだけしか選べなかったものが、Web開催でオンデマンド配信してもらえると仕事も休まなくて良い上に、聞きたかった内容が全て聴講できるようになって、情報取得量はせわしなかった数年前よりはるかに多くなってきました(もちろん本人の心がけ次第ですけど)。

「あるべきモノがなくなった」と不満と不安に駆られている間に社会はしたたかに変貌し
、むしろみるみる進化しています。コロナ前、いかに効率よく詰め込めるだけ詰め込むかで評価される経済効率優先の社会でした。ほんの20年前とは全く違う異常な社会にいつの間にか変化していたことに、コロナ禍のおかげで気付かされたと云っても過言ではありません。今の社会が決して正常な社会だとは思いませんが、数年前の社会を顧みて「あれは異常だったよ」と感じるモノはやはり本当は異常なのだと思います。

 

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卵よりソーセージ?

肉やソーセージなどを食べ過ぎると健康リスクが上昇 植物性食品に置き換えるとリスクは減少

 ”牛肉、豚肉などの脂肪の多い赤身肉、ハムやソーセージなどの加工肉の貿易が急増したのにともない、2型糖尿病・がん・心臓病などの健康影響が増大したという研究が発表された。動物性食品を食べ過ぎている人は、動物性タンパク質の3%を植物性タンパク質で置き換えると、死亡リスクが減少することも判明。動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランス良く摂ることが大切だという。”(保健指導リソースガイド2022.1.18配信)

動物性タンパクの中で、牛肉、豚肉などの脂肪の多い赤身肉やハムやソーセージなどの加工肉による健康被害の報告は最近多いので、この報告にあまりインパクトは感じませんが、「動物性食品は良質なタンパク源になりますが、食べ過ぎにはリスクがともないます。植物性食品と良好にバランスをとることが大切です」というコトバの端々には企業に対する忖度を感じます。

そんなことよりも、「食事エネルギー摂取量からみて、動物性タンパク質の3%を植物性タンパク質で置き換えた人は、16年間の追跡期間で全死因による死亡リスクが10%減少し、心血管疾患の死亡リスクも、男性で11%、女性で12%、それぞれ減少することが明らかになった。」という報告に続いて、「朝食などで食べる卵を植物性食品になどに置き換えると、死亡リスクは男性で24%、女性で21%、赤身肉では男性で13%、女性で15%、それぞれ低下した。」とあります。動物性タンパク質というコトバで一緒くたにされていますが、赤身肉やソーセージを減らすより卵を除ける方が効果がある、というの・・・何か、解せません。全卵の方が健康的だと思っていたのですが、このデータは云い替えれば「卵かソーセージかどちらかを選ぶなら、ソーセージを選ぶべきだ」ということになりませんか? ん~わからん!

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歯を失うと友だちを失う?

歯を失うと認知症リスクが上昇 歯がなくなると男性は「人との交流」、女性は「野菜の摂取」に影響

 ”東北大学は、歯の喪失と認知症の発症とのあいだに関連があり、友人・知人などとの交流といった社会的な要因や、野菜や果物の摂取などの栄養に関する要因に関わっていることを明らかにした。
 口腔と認知症との関係は、男性では、友人・知人との交流人数により13.79%、女性では、野菜や果物の摂取により8.45%、それぞれ説明できるという。社会的要因や栄養要因は大きな役割を果たしている。
 「歯をできるだけ残すことは、家族や友人との社会関係を維持することにもつながり、また良好な栄養状態を通じて、認知症発症予防に寄与している可能性があります」と、研究者は述べている。”(保健指導リソースガイド2022.1.18配信)

若い頃には気にもしていなかったけれど、やはり”歯は大事”、そう痛感します。最近、よく歯科に通うようになりましたが、「歯がなくなると認知症になりやすい」というデータは以前から知っていたものの、単に噛めなくなると食べなくなって、食べなくなると活動性が落ちるし低栄養になるから認知症になりやすいのかと思っていました。どうも、この文章を読んでいると微妙に違うかもしれません。女性は栄養状態の悪化が誘因だけれど、男性は歯がなくなると人と話すことを避けるようになるから認知症になりやすい、という風に理解したらいいのでしょうか。

わたしはそもそも友だちが少ないし若い頃から「おれがおれが」と前に出て行ってしゃべる性格ではないから、人と話さなくなると一気に世間から離れて行きそうな危うさがあります。とりあえず、歯は大切にしなければ、と思います。そして、世間の知人・友人の皆さん、用がなくてもどうかわたしに声をかけてください。

 

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マスク越し

数年前、冬場のインフル流行期でも診察や結果説明中はできるだけマスクをしないように心がけているということをここに書きました。マスク越しではてきめんにコトバを聞き取りにくくなり、特にご高齢の方や耳の不自由な方はクチの動きを頼りにしているからだ、と云う理由で。

それがこのコロナ禍の中では『マスク越し』が必須になってしまって、どうしたものかと悩んでいましたが、最近仕事中にふと気付いてみたら別にマスク越しによって特別な支障を来したということはありませんでした。もちろん、わたしのコトバが聞き取りにくくて聞き返されたことは数回ありましたが、特別にコミュニケーショントラブルといったものは経験していません。

これは、単に声を大きくしたからというよりも、話す側も聞く側も「伝える」「聞き取る」という意識が強くなったおかげではないかと思っています。邪魔な存在であっても現代社会ではマスク越しの会話は避けて通れないわけで、それが前提だとなったら人は神経を集中できる動物なんだなと改めて認識しました。マスクが無くてもそうすれば良いのでしょうが、やはり五感が普通に作用するときはそれに頼ってしまうモノなのでしょうね。

 

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子どもの体力

小・中学生の体力が低下 運動時間が減少し、肥満は増加 スポーツ庁「全国体力・運動能力調査」

 ”スポーツ庁は、2021年度「全国体力・運動能力調査」の結果を公表した。体力調査の合計点は2019年度に比べ、小・中学生の男女ともに低下し、肥満の割合が増加した。
 同庁では、コロナ禍による運動時間の減少や、テレビ・スマホ・ゲームなどを視聴するスクリーンタイムの増加などの影響を指摘している。「コロナの感染拡大を防止するため、学校の活動が制限されたことで、体育の授業以外での体力向上の取組みが減少したと考えられる」としている。”(保健指導リソースガイド2022.1.18号から)

コロナ前と比べて子ども達の体力が軒並み低下し、それに反比例して肥満度が増し、テレビ・スマホ・ゲームなどを見ている時間が増えているというわけで、以前からあった傾向がコロナ自粛で一層顕著になった、と指摘しているようです。

まあ、コロナが悪いわけでもなく、そのはるか前から子ども達は外で遊ばなくなったし動くのが苦手だという子が増えてばかりなわけで、それは外部環境が悪化したから(犯罪や大気汚染など)とかゲーム環境が著しく良くなったからだとか云われてきています。でも、昨日ここに書いた連中(不届きな遊びをしている連中)を眺めていると、もともと「動くのが好き」が子どもの原点なのだろうと確信します。人間以外の動物たちは皆そうです。子どもなのに「動くのが嫌い」とか「動くのが面倒くさい」とかいう子達は、そもそも親御さんがそうであったり、家族がそうであったりという環境に生まれてきたからなのではないかと思うのです。わたしは子どもの頃超肥満児で体育が苦手でしたし、今、特にスポーツが好きなわけでもないしアウトドア派でもありませんが、わたしが子どもの頃は辺りが暗くなるまで外で汗だくになって遊んでいました。運動にセンスが問われ点数を付けられるようになって「運動」が嫌いになりましたが、「遊ぶ」のは好きでした。たぶん、生まれてきたときの子ども達はほとんどがそうなのだと思っています。

だから、運動環境を整えて子ども達に身体を使う遊びの楽しさを教えるよりもっと先に、まず生まれてきた子達に動く楽しみを教えてなければなりません。そのためにはお母さんやお父さんが動かなければ始まりません。小さい頃から英才教育で運動のプロの教室に入れたところで、両親がゴロゴロしていたらおそらく多くの子ども達は脱落します。まずは、家族みんなで、あるいは社会みんなで動きましょう。
 

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公園のサッカー

日曜日、思いの外穏やかな日になって、わが家の散歩コースである近くの公園は人で埋まっていましたから、ちょっと時間を遅らせて散歩に出かけました。かなり減っていた人出の中、妙に目立ったのは歓声を上げながらサッカーをする子らの集団。よく見ると2グループある。中学生くらいの集団と小学生らしい集団と・・・楽しそうに動き回っています。

「おいおい、アンタ達、今家庭内自粛の期間なんじゃないんかい?」と独りツッコみする。1年半くらい前にも同じような風景を見ましたが、あのころは感染の中心は子ども達ではなかったから学校にも行けずに家の中で自粛するのには限界があるだろうな、とまだ少しは理解してあげたけど、今の感染拡大の中心は君たちの世代なんだよ! 小中学校の子ども達が感染して家庭内感染になり、濃厚接触者として休校や学年閉鎖を余儀なくされ、そのためにお母さんが働けなくなって社会は人手不足でパンクしそうになっているのだよ。公園のすぐ横のイタメシ屋では3人の子どもがキャアキャア云いながら店内を走り回って遊んでいました。まあ、あの世代に「マスクしてじっとしとけ」というのはちょっと酷かなとは思う(それでも、すぐ横にいるであろう親はもうちょっと注意くらいしてほしいものだ)けれど、あの中学生らしき男子達にはもう分別はあろう。前回とは違うことくらい理解しておろう(もうコロナ禍2年の経験があるのだから)。

「成長のない子らだよな~」とぼやきながら、極力彼らの集団から離れて散歩を済ませました。早く、彼らが、世間の大人から眉をひそめて睨まれることなく存分に遊べる社会が戻ってきてほしいものです。今日、近くの小学校でクラスターが出たけれど、まさかあのときの子たちの学校じゃないじゃろね?

 

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夜間頻尿

「昨日、夜中に2回もオシッコに起きたのよ。どうしてだろう」
そのためによく眠れなかったと云いたげな浮かない顔で妻が呟く。

「昨日は、夜中に2回しか起きなかったからか、わりとよく眠れたな」
毎晩1~2時間ごとに小便に起きるわたしは、2回なんて起きてないに等しい。

本当は朝まで起きない、あるいは早朝に目覚めるというのが当たり前らしい。わたしのパターンは正常な状態ではなくて、睡眠の質を落とすから高血圧症などの生活習慣病の敵らしい。特に睡眠不足を感じないし、最初は悩んだけれどもう慣れてしまっているのは、決して良いことではないらしい。

夜間頻尿の原因は睡眠が浅くて交感神経の興奮状態が抜けていないか、水分摂取量が多すぎるかのどちらかであることが多い。妻の場合は前者のようにみえて本当は後者なのかもしれない。日頃「脱水気味だから水分を摂る」意識が強い人だから。お互い、歳とともに睡眠の質は落ちてくるから、場合によっては睡眠薬飲んででもきちんと寝た方がかえって健全なのだとも云われていますが、それはその通りだろうなと思っています。

 

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