筋トレのやり過ぎ
”東北大学大学院運動学分野講師の門間陽樹氏らは、レジスタンストレーニングやウエートトレーニングなどの筋力トレーニング(以下、筋トレ)と全死亡や心血管疾患(CVD)、がん、糖尿病といった健康アウトカムとの関連について検討するため、システマチックレビューおよびメタ解析を実施。日常的に筋トレを実施している群では非実施群と比べてこれらのリスクが10~17%低かったが、筋トレの実施時間が週130~140分を超えると全死亡、CVD、がんについてはリスクが上昇に転じるJ字型の関連が認められたとする結果をBr J Sports Med(2022年2月28日オンライン版)に報告した。同氏らは「筋トレには長期的な健康増進効果があるが、やり過ぎると効果が得られなくなってしまう可能性がある」としている。” (Medical Tribune 2022年03月23日配信)
週に約30~60分の筋トレを実施した場合に全死亡、心血管疾患、全がん、糖尿病、肺がんなどのリスクが最もリスクが低く(約10~20%のリスク低下)なるのだとか。有酸素運動は多いほど有効だけれど筋トレはやりすぎるとかえって良くないということは以前からいわれてきていましたが、それを具体的に実証した解析結果です。
そういえば、慢性肺疾患や慢性心不全の患者さんで「”心肺を鍛えるため”に毎日筋トレを続けている」という高齢の男性に何人か人間ドックで遭遇したことがありますが、これはテレビの健康番組かなにかの影響でしょうか。機能の落ちた肺や心臓は筋トレをがんばっても決して鍛えられることはなく、むしろ機能低下を助長しかねません。予防のための運動と混同しているのではないかと思います。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 男は炭水化物、女は脂肪!(2023.11.30)
- 『かるしお』(2023.11.28)
- アルコール濃度(2023.11.27)
- 高齢ドライバー(2023.11.23)
コメント