背が高いと脳卒中になりにくいという常識
「身長が高い人ほど虚血性脳卒中リスクが低いこと」はすでに常識なのだそうです。それも欧米だけでなく、日本のコホート研究(JPHC study)でも報告されていました。
<高身長の脳卒中リスク、サブタイプ別に検討>というのは2022年05月02日にMedical Tribuneに配信されたオックスフォード大学の研究結果です。
”高身長の人ではアテローム動脈硬化症、虚血性脳卒中、心疾患のリスクが低い一方、心房細動(AF)や静脈血栓塞栓症のリスクが高いことが報告されている”ため、脳卒中のサブタイプ別リスクとの関連についての検討したものだそうです。結論は、初めから想像していたとおり、”高身長と心原性脳塞栓症リスクの上昇およびその他の脳卒中サブタイプにおけるリスクの低下との関連が示唆された”というもの。つまり、「高身長の人は動脈硬化による脳卒中リスクは低いが心房細動などの血栓塞栓による脳卒中リスクは高い傾向にある」ということの様です。
わたしの興味はそんな”今更”の結果(大人になって身長を高めるなんてできない)ではなく、「どうして身長が高いと動脈硬化リスクが低下するのか?」ということです。前出の国立がん研究センターがん対策研究所のJPHC studyの報告によると、『低身長に関連する幼少期の低栄養状態が血管内皮機能の低下により、循環器疾患のリスクを上げることや、高身長者の肺活量が多いことが呼吸器疾患に予防的に作用することなどが考えられます』とのことなのですが、太る痩せるは子どもの頃の栄養状態が関与するでしょうけど、身長の高低はどちらかというと遺伝子的な話なんじゃないのか?と思っていたので、ちょっと意外な考察でした。ちなみに、国立がん研究センターの報告なのですからそもそもはがんの疫学的検討の方がメイン。「高身長の人ほどがんによる死亡リスクが高い」という傾向が日本人にも当てはまるのだそうです。これはホルモンに関係することらしい。
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