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太る、って何なん?

「また太った。ヤバいヤツやん。なんでこんなに太るん?」

今日も今日とて、妻は体重計から降りながらグチを云っています。ダイエットブームの中で「太る」は悪、「やせる」はヒーローみたいな立ち位置になっている気がしますが、そもそも「太る」って何なん?本当に悪いことなん?

むかし、熊本県から転校してきた同級生がわたしを見て、「ふと(太)さ~!」と叫んだのを今でも覚えていますが、あのとき彼が表現したかったのは「デブ」ではなくて「熊の様に大きい」という意味だったそうです(後で本人から聞きました)。もっともその当時のわたしの体重は今より15キロほど重たかったのですが。確かに、『太』は『大』の真ん中に大きな点が加わっているのだから「もっと大きい」という意味。『太郎』とか『圭太』とか男性の名前にこの漢字を使うのは、そんな理由からでしょう。

ちょっと趣旨が逸れましたが、体重が重くなることを「太る」というのが現代の風潮のようで、ダイエットが健康のバロメーターなものだから体重が重くなるとダメ人間扱いされます。でも、『太る』は成長の証です。そもそもポジティブな言葉だったはずです。明らかに筋肉が付いて重くなっている人もいれば、わたしのようにお腹は出てきたのに筋肉が減ったから体重が増えていない輩もいます。この連休の間ずっと動かなかったから妙にお腹が出てきて、「ヤバいな、太ったかな」と思って恐る恐る体重計に載ったらほとんど変わっていなかった、ラッキー!」と安堵する・・・一概に体重で何のかんの云ってていいのかしら、と思います。簡単に評価できるからという理由だけで体重を予防医療の生活指導の指標にしていて本当に大丈夫なの?・・・そんなことを思う今日この頃であります。

「太りたくてたくさん食べるのにちっとも太れない」と嘆く人もおります。いっぱい炭水化物を食って脂肪をたくさん蓄えることになることを考えると、それはどうかと思います(こういう人は体質だから食べ過ぎても太りませんが)。お相撲取りさんがチャンコを食べて大きな身体になるのと、育ち盛りの子がジャンクフードばかり食べて肥満児になるのと、どっちも『太る』なのだろうけれど、全然意味が違います。

『太る』は、とても奥深くてむずかしい現象です。

 

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