わたしの平温は36.2℃
”19世紀に米国で確立された「平均体温は37℃」という常識が揺らいでいる。米・ Stanford UniversityのMyroslava Protsiv氏らが、現代の米国人における平均体温は37℃よりも低く、1800年代以降低下し続けていることが明らかになったとElife(2020; 9: e49555)に報告した。ヒトの体温は多くの人が思っているほど高くなく、平均体温はおよそ37℃という説は誤りとしている。”
Medical Tribuneに2年以上前に配信されていた記事なのですが、「何を今更?」という気がしないでもありません。新型コロナが流行して以降、日頃体温なんて測ったこともないであろう老若男女が体温計を脇に挟んだり、お店の入り口で非接触型体温計に顔を近づけたりするのが常になりましたが、皆、自分の思っていたより体温が低いと感じているのではないでしょうか。わたしはずっと「平温は36.8℃くらいです」と答えてきていましたが、これは小学校の頃の記憶。実際、職場の規定で毎朝体温を測定していますが、ほぼ36.2℃くらいが平均のようです。ちなみに、職場で予防接種をする時に問診担当などをしますと、職場の若い子には体温が36℃に満たない人がたくさんいます。「これ、平熱なの?」と聞くと「まあ、だいたいこんなもんですね」と平然と答える。今時は、そんなものなんだな。と認識しているわたしです。たぶん、『過去200年で達成された医学の進歩や衛生状態の改善、食糧供給および生活水準の向上などによりヒトが体内で炎症を起こす機会が減ったことが、体温の低下につながっている』というよりは、『代謝率または消費エネルギー量の低下によるもの』というのが主体なのではないかと感じています。子どものころからエアコンの環境の中で生活しているのも原因の一つでしょうか。
炎症が減っていることはいいことなのかもしれませんが、女性の女性ホルモン周期に伴う体温周期とかには直接影響を与えるでしょうし、低体温が妊娠・着床・胎育などに良い影響を与えるとは到底思えません。本当はとても由々しき問題なのかもしれません。
ところで、そんな状況なのに、『微熱』や『発熱』の定義は今まで通りでいいのでしょうか。
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