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「糖尿病」は差別用語?(1)

「とうにょう」はスティグマです!

Medical Tribune2022年07月26日配信号の『最新医療トピック』として「広げたい糖尿病へのアドボカシー、病名変更も検討を」という副題のついた記事を読みました。

糖尿病を持って生活をしている人々、いわゆる糖尿病患者は社会の偏見や差別にさらされ、保険加入を断られるなど現実的な不利益を被ることも少なくない。こうした糖尿病へのスティグマに対抗する活動であるアドボカシーが近年注目されている。東京大学大学院保健社会行動学分野教授の橋本英樹氏は、アドボカシーには医療者が日常診療の中で実践する取り組みと、社会レベルの取り組みがあると指摘。前者については、患者に発する言葉に気を付けることから始めるべきで、「糖尿(とうにょう)」は明白なスティグマだという。一方、後者については学会などが主導して進めるべきであり、糖尿病という病名を変更することも検討すべきではないかと問題提起している。

『アドボカシー』とは「”アドボケイト”と同じ語源で[擁護・代弁]や[支持・表明][唱道]どの意味を持ち、同時に政治的、経済的、社会的なシステムや制度における決定に影響を与えることを目的とした、個人またはグループによる活動や運動を意味する」(Wikipedia)そうです。『スティグマ』は[差別や偏見]という意味・・・どこぞのテレビドラマじゃないけれど、オジサンとしてはもっと日本語で語った方が活動は浸透するんじゃないの?と心から思いますけどね(2021.4.20『スティグマとアドボカシー』)。

記事を読んでいると、同感できるところとそもそも書いている人の誤解を取り除くべきと思うところとがあって、ちょっと面白かったです。

つまり「糖尿病」という単語はそれ自体が誤解や偏見を招く用語で、あたかも社会がナマケモノのレッテルを貼ったようなものであり、そのコトバを云われた患者さんの傷つき方はかなり強いのだ、と。だから「糖尿病」というコトバを他の用語(たとえば「糖代謝異常症」「高血糖症」とか)に換えるべきだと云っているようです。そのこと自体は賛成ではあります。高脂血症を脂質異常症に変更している(変更の理由はちょっと違いますが)のだし、違和感はありません。 (つづく)

 

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