行動制限
新型コロナの第7波に歯止めが利かず、史上最悪の新規感染者数を更新し続けている。そのために医療現場は逼迫しクリニックレベルでも医療従事者の疲労はこれまで以上だと云う。実際、私の知人のドクターも毎日診察室と駐車場の往復を何十回も繰り返す日々で倒れるのは時間の問題だ、と嘆いていました。そして感染者と濃厚接触者が多くなりすぎて、働ける人がいない。病院だけでなく、バスや電車の運転手不足のために減便を余儀なくされ、お店の従業員が足りずに店を開けられなかったり。この現象をもたらしている原因が今回は「国が行動制限を全くしていないからだ!」と云う人がいますが、そうではないように思います。いつまでも2類相当の感染症として全数把握を続けようとしているところに無理があるわけで、いつまでも”過保護”のままではいけない時期が来ているのではあるまいか。
数年前まで社会を苦しめていた季節性インフルエンザの大流行があっても別に国は行動制限も非常事態宣言も発出しませんでした。各自が自主的に判断して自粛しただけでした。「インフルにはタミフルがあるから」という人がいますが、タミフルがまだなかったころ、インフルを”強めの風邪”と認識していたころですら人々の対応は変わりなく、効くか効かないかわからないかぜ薬を飲んでじっと1週間寝ているだけの治療をしてやり過ごしてきました。なぜインフルと扱いが違うかと云えば、インフルが5類でCOVID-19が2類だから・・・でも今、実際は『みなし感染』とか『濃厚接触者は追わない』とか『各自で抗原検査して陽性だったら自主的に連絡しろ』とか、ほとんどザル状態で(そうしないと社会はパンクするわけだし)『全数把握』なんて到底無理(今出ている数字自体の真偽すらわからないのにとりあえず数字を出さないといけないから出しているだけ)な状態。それは国も国民もみんな分かっているのだから、先週も書きましたが、もういいんじゃないんでしょうか。
3年間、”殺人ウイルス”の登場のせいでいつの間にか国の過保護に慣れてきてしまいましたが、もうそろそろ各自の責任で自分の行動を自制する自立の時期に来ているだろうこと、それは皆が察知していること。確かに過保護を止めると医療費もワクチン代も自腹になるし生活保障のお金ももらえなくなるから検査や治療を受けない人も多くなるでしょうが、そんな人が家でじっと自粛しておけばいい。もうそんな時期に来ている気がします。それをしないと、「経済活動を回す」という思惑自体が頓挫してしまいますよ。経済活動を利用する人がその気でも利用される側の方が動けないのですから。ぜひ、そこのところをみんなで考えませんか。
=
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 転倒予防の日(2024.10.11)
- 独り好き(2024.10.07)
- フレイル予防(2024.10.02)
- 酒で糖尿病リスク減?(2024.09.30)
- 転倒リスク予測(2024.09.25)
コメント