« マスク越しのわらわら | トップページ | ソイの使い道 »

プライド

もうすぐ14歳になるわが家の老犬は夜鳴きがひどくなったことと白内障で目があまり見えなくなったことを除けばまだまだ元気です。これまで数回前庭疾患を起こして平衡感覚がおかしくなりぐるぐるその場で廻って尻餅をつくようなことがありましたが、それも今はほぼ治りました。1年前に、生まれたばかりの子犬が新しい家族になってから急に症状が出てきたから、若い子が来たことで自分の歳を自覚してしまったのかとか心配しましたが、どうもそんなことでもないみたい。階段の昇降(わが家の生活の中心は中二階なので階段昇降がないと生活できません)で二の足を踏んでアタフタしていた時期があったけれど、老化で後ろ脚が弱ったのではなく、目がよく見えないから足元が不安なだけだったようです。

そんな彼女、庭でオシッコをしようと走ったときに足を取られてヨロヨロっとしたり尻餅をついたりすることは今でも時々あります。あるいは目測で歩くので庭の植木鉢にぶつかったり出入り口を間違えて壁にぶつかったりしてよろめいたりします。このとき、彼女は決してうろたえません。すぐに立ち上がって、まるで何もなかったかのような素振りをします。何かにぶつかってもまるで「それは想定の範囲内です」という感じのすまし顔でまたすたすたと歩き始めます。これは人間でもよく見かけるやつです。まさしく『女性のプライド』だと思います。わたしたちが後ろで見ているからこそこんな”取り繕い”をするのだと思いますが、でも、この”取り繕い”をしようとする『女性のプライド』があるからこそ、彼女は老化しないのだろうと分析しています。

人間では”取り繕い”をするのは認知症の始まりを自分で認めたくないから行う行動だと云われていますが、でもその抗いの気持ちがないならもっと早々に呆けてしまっているのではないかと考えます。みっともなくても何事もなかったかのような振る舞いをしようとする・・・以前はそれを「情けない」と思っていましたが、それこそが生への執念。だからこそカッコいい!と思えるようになってきています。

|

« マスク越しのわらわら | トップページ | ソイの使い道 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« マスク越しのわらわら | トップページ | ソイの使い道 »