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満月を愛でる風習

先週土曜日は中秋の名月(8月の十五夜は「中秋」だそうで、八月の満月を指すときには「仲秋」ではなくて「中秋」なのだと物の本には書かれていました)。わたしは応援するプロサッカーチームの試合で隣県のスタジアムにおりまして、勝った余韻に浸りながらスタジアムを後にするときに天空に出た満月をしばし眺めました。SNS全盛の昨今、ご多分に漏れず毎日のように写真をアップするわたしですが、満月の写真は撮りません。スマホレベルでは目の前に映っている満月の感動は撮せない(ぼやけてしまう)ことを心得ているから。せっかくくっきり見えた中秋の名月なのだから、自分の目に記憶として焼き付けておくのが一番だと思いまして。

昨日の日曜日は夕方のワン散歩をしていると公園のベンチがほぼどのベンチも家族連れやカップルで埋め尽くされていました。「ここでお月見するつもりなのかな」という感じ。残念ながら昨日は雲に覆われていてまともな月は見えなかったかもしれませんが、まあそれはそれであの人達にとっては想定の範囲内なのでしょう。

日本人の『月を愛でる風習』はそもそもは平安時代の貴族の風流遊びに起因すると聞いています。満月を眺めながら酒を飲み、歌を詠み楽しむ。五穀豊穣の収穫の祝いに転じたのは江戸時代からだそうで、すすきや餅や農作物を備えるのはそのころからの風習だとか。そんな風習をしていてもいなくても、子どもの頃から聞かされていている日本人は、やはり満月を見るとその場で見とれてしまいますし、それを口実に酒を飲もうとします。”おぼろ月夜”もいいですが、やはりせっかく満ちた月であれば雲一つない夜空をバックに見るのがいい。「女心と秋の空」と云われるほどの変わりやすい季節の中で、そんないい塩梅に恵まれる確率は思いの外低いのですから、そんな偶然に立ち会えた幸せに感謝すべきです。

そして、満ちた月が翌日から欠けていく風情にも儚さとともに風流を感じる日本人のこころ、いつまでも大切にしたいものですね。ということで、今夜は十六夜を超えて十七夜。”立ち待ちの月”を愛でながら一献(酒飲みの口実であります)!

 

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