ケトン食
Medical Tribune2022年09月06日配信の記事を読んでみました。
”ケトン体産出レベルまで糖質の摂取を制限するケトン食療法”をすると過剰な体重および体脂肪量が改善するだけでなく頑固な片頭痛が改善する可能性があるという後ろ向き観察研究論文の紹介です(イタリア・Santa Maria della Misericordia University HospitalのMariarosaria Valente氏ら、J Clin Med 2022; 11: 4946)。
”3カ月間のケトン食療法の終了時に評価を受けていた23例(平均年齢47.22歳、女性22例)。診断は前兆のある片頭痛が8例、前兆のない片頭痛が15例、反復性片頭痛が13例、慢性片頭痛が10例、薬物乱用頭痛が6例”で症状改善の評価をしたら、15例(65.2%)で頭痛日数が半減したそうです。で、症状が改善した群もしなかった群も同等に体重と体脂肪量が有意に減少したので、肥満が改善したから症状も改善したというわけではない、ということを云いたいようでした。
まあ、冷静に考えたら、ケトン食療法をしても片頭痛が改善したのは半数だったという結果なわけで、「だからケトン体ダイエットをやるべきだ」と積極的に勧めるほどの内容でもない気がしますが、薬でも改善しないで社会生活に支障をきたしているような片頭痛患者さんにとっては朗報なのかも知れません。ケトン体ダイエットはもはや市民権を得た健康法ではあるのですから、片頭痛はとれなくても健康的に痩せられるかもよ、という軽い気持ちで取り組めるんじゃないか?ということでしょうか。もちろん、ケトン体が産生されるほどの糖質制限食はそれなりにモチベーションが高くないと続けられるものではありませんから、肥満者がダイエットを目的にする場合を除けば、学者さんが云うほど簡単な方法ではありませんけれど。
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