酒に弱いのは進化?
”日本人の遺伝情報を調べたところ、お酒に弱い体質の人が増えるよう数千年かけて「進化」してきたことが、理化学研究所などの分析でわかった。詳しい原因は不明だが、アルコールに弱い体質が何らかの理由で環境への適応に有利に働いたとみられるという。24日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。”
2018年4月に朝日新聞DIGITALで掲載されていた記事です。この話題に何か進展か退行があるかもしれないと思ってずっと静観していました。この直後に、FNNプライムオンラインでもインタビュー記事(「日本人は酒に弱くなるように“進化”…「下戸遺伝子」の研究者が語る“弱い方がいい理由”」)が掲載されていましたが、結局そのまま進展はなかった感じ(たぶん)。
日本人というより東アジア人の進化の特徴なのだそうです。この『自然選択』という遺伝的な”進化”は、結局何に対して有利な進化なのか・・・この記事によると、アルコール分解酵素によってアセトアルデヒドが無毒の酢酸に分解されるのだけれど、その分解酵素が少ない日本人(東アジア人)には猛毒のアセトアルデヒドが多く残ることになり、このアセトアルデヒドは人間にも毒だが病原体に対しても猛毒で・・・つまり東アジア特有の病原体(感染症)対策に酒が弱いことが有意に働くのではないか、というのです。
でも・・・何か釈然としないのです。そもそも酒の弱い下戸遺伝子の日本人(東アジア人)は酒が弱いのだからあまりアルコールを飲まない。最近の若い人には一切飲めない人も多くなってきていて、むかしはそれでも無理矢理上司や友人に飲まされ続けて飲めるようになったりしていましたが、今はそんなパワハラは許されないので飲めない人に無理して飲ませることはしない風潮です。アルコールを飲まなければ、アセトアルデヒドはそもそも体内に増えないのではあるまいか。それだと、この理論は通用しないのじゃないのかしら?
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