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つまづく

『つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの』(相田みつを)

テレビで『つまづく』という字を何度も眺めながら、なんか違和感。これは『つまずく』じゃないのか? 単に相田みつをの独特な表現だから許されているだけなのかもしれないけれど、それにしても堂々と『つまづく』の説明があるわけでもないのはおかしくないか?

早速調べてみた。やはり『つまずく』が正しいと書いてあります。”「歩いている時に、誤って足先を物に突き当ててよろける」という意味の言葉で、「爪突く」から来ている表現”とあります。あれ、待てよ。「つめ」+「つく」なら、「つまづく」じゃないのか?

どうも、現代仮名遣いの決まりでは『つまずく(躓く)』だけど、昔は『つまづく(爪突く)』だったから、どっちの表記も正解(『つまづく』も許容される)となったとのことのようです。語源が『爪突く』だったとしても、ひとつの単語として『躓く』というものが出来上がった時点で日本語表記の決まりに従って(「つ」が二音連続するときは「つづ」と表記できるがそうでないときは「つず」となる)『つまずく』に変更されたということでしょう。

ヤバいぞ。何も疑うことなく『つまずく』だと信じていた自称”国語博士”だけど、語源を理解してしまったらどっちがどっちかかえって悩むようになってしまいそうだ。「『つまずく』でも『つまづく』でもどっちでもいいって云ってるんだから、どっちでもいいんじゃないの?」と云われそうだけど、それは自称”国語博士”のわたしのプライドが許さないのですよ。

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