父親の育休
“フランス・Sorbonne UniversitéのKatharine M. Barry氏らは、フランスの子供を出生から成人期まで追跡した全国コホート研究Etude Longitudinale Française depuis l'Enfance (ELFE)のデータを使用し、父親の2週間の育児休暇取得と出生2カ月後の母親および父親の産後うつ病との関連を検討。父親の2週間の育児休暇取得や取得予定により父親の産後うつ病リスクは低減、その一方で母親の産後うつ病リスクは上昇したとLancet Public Health(2023; 8: e15~e27)で報告した。”
産後うつはとても深刻な問題で、自殺や家庭内不和、子育て放棄や離婚などの問題だけでなく、仕事や社会活動に対する影響も大きいにも関わらず、どこか医療対象ではないという認識(皆経験することだから乗り越えるしかないという風潮)が主流のように思われます。
今回の記事のタイトルを眺めながら、「これは日本の事かな」と思っていたら、なんとフランスのデータだったのですね。ちょっと驚きました。父親の産後うつは軽減されるのに母親の産後うつは改善されないどころか悪化するとなると、何のための父親の産休制度なのか。日本でも堂々と男性も産休を申請できる制度になり、”当然”の風潮になろうとしていて、社会だけでなく当事者である母親になる奥さんも期待していることでしょうに。
現実に、日本のお父さんはどうなのでしょう。昔みたいな『亭主関白』あるいは『亭主元気で留守がいい』ではなくて、最近は家事も子育ても夫婦の共同作業という考え方が浸透してきているから心配しなくても大丈夫なのでしょうか。「ほとんどまともにできないくせに『俺は家事を手伝ってやったぞ』的な態度を取るのが頭にくる」「夫がしてくれた家事はほとんどあとでやり直さなきゃいけないから、かえってしてくれない方がまし」なんて厳しいグチをよく聞くので、今回の記事の真相も、「子育てのことだけでも憂鬱なのに、邪魔なデッカい子ども(夫)がもう一人家にいるのが鬱陶しくてしょうがない!」というデータだとちょっと悲しいですが。
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