睡眠不足とワクチン効果
”夜間の不十分な睡眠は、ワクチン接種後の抗体反応を低下させる可能性のあることが、「Current Biology」に3月13日掲載されたメタアナリシスで明らかにされた。ワクチン接種前後の睡眠時間が6時間未満の人では、7時間以上の人に比べてワクチン接種後に産生される抗体の量が少なく、その損失は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種後2カ月間の抗体減少に相当するものであったという。研究論文の上席著者で米シカゴ大学名誉教授のEve Van Cauter氏は、「十分な睡眠はワクチンの効果を増強するだけでなく、持続期間も延ばすと考えられる」と述べている。”(Medical Tribune2023年03月27日配信)
生物の機能を良好に保つキーワードは腸内細菌と睡眠。いずれも諸悪の根源になる炎症反応や免疫反応を制御するためには必須の要素であることが云われ始めて久しいわけで、腸内細菌と睡眠を制する者は病気を制すると云っても過言ではありますまい。もっとも、この論文、「日ごろは超ショートスリーパーであってもワクチン接種を受ける前後だけでもよく寝てください」という結論ではないと思うので、結局は日常の生活習慣の大切さを証明したことになるのでしょうか。それと、そもそも睡眠時間が短くなりがちな高齢者(わたしも含めて)は、どうしたらいいのでしょうか。ワクチン接種前後では睡眠導入剤を服用してでも寝た方がいいぞ!と総括してもいいのでしょうか。
結局、「COVID-19ワクチン接種により得られる防御効果は、既存の疾患のある人、男性、肥満の人では低下しやすい。これらはいずれも個人では変えられない因子だが、睡眠時間は自分で改善することができる」ということを云いたいようです。
最近のコメント