高齢者のタンパク質
CareNetから『フレイル予防のタンパク質量の目安』という医療者向けスライドが配信されてきました。「高齢者はタンパクが足りないから積極的にタンパクを摂るべし」と云われる一方で、「腎機能に一番悪影響を与えるのはタンパク質なのに高齢者は総じて腎機能が低下している」という相反するジレンマに悩んでしまう現実があります。
”高齢になると、咀嚼力の低下、食欲不振、嗜好の変化などから、炭水化物の多い食品(米飯、パン、麺類など)に偏り、タンパク質の多い食品が不足しやすくなることがあります”
というのは知っていましたが、
”「お金がかかる」「調理に負担がかかる」「腐りやすく食べきれないため買わない」などから、タンパク質の多い食品を避けているケースもあります。昨今の新型コロナウイルスによる経済上の問題や外出自粛の影響もまた、一因となるかもしれません。”
というのを読んで、「たしかにそうだ!」と合点したわたし。自分がそういう年齢になったときに直面するのは経済的問題であり、もしわたしが独居になったらたぶん料理なんかしないだろうからまさしくそうやってタンパク不足になる危険性はすぐに生まれそうに思います。
タンパク質の必要量が壮年・中年期に比べて高齢者で多くなる理由は、”タンパク質摂取後の骨格筋の同化に対して、高齢者では抵抗性を示す”(つまり、高齢者ほど筋肉に変換するのにタンパク質の量が多く必要になる)ことと、”高齢者では加齢とともに食事摂取量が減少し、エネルギー摂取量が低下”するからだそうです。他人事ではない高齢者のタンパク質不足問題。指導者の立場と云うよりも自分自身のために今から勉強して実践しなければなりますまい。
体重あたり1g/日以上摂取が推奨され(体重60kgならタンパク質60g以上摂るべし)、”タンパク質を多く含む食品(肉・魚・卵・大豆)を朝・昼・夕の主菜に「手のひら1枚分」を意識して毎回食べるようにしましょう”だそうです。
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