運動は不適切睡眠を帳消しにする?
”睡眠時間は長過ぎても短過ぎても死亡リスクの上昇に関連することが示されているが、十分な身体活動によって不適切な睡眠時間による死亡リスクの上昇を緩和できることが、中国・Guangdong Academy of Medical SciencesのYannis Yan Liang氏らの研究(Eur J Prev Cardiol; 2023 :zwad060)で示された。”
”「身体活動量が多いことまたは推奨量のMVPAを行うことは、短時間睡眠または長時間睡眠が全死亡リスクおよびCVD死リスクに与える有害な影響を弱めることが示された 」「中年層の早期死亡を予防するには、介入のターゲットを身体活動と睡眠時間のいずれかに絞るよりも、両方とする方が効果的である可能性がある 」”
睡眠は長すぎても短すぎても不健康だということは周知の事実であり、『ショートスリーパー』を自慢にする御仁も多い(「自分は寝なくても平気、むしろ寝ないほうが調子がいい」という人たち)けれど、ショートスリーパーほど生活習慣病が多く、突然死も多いことが分かっています。長すぎる人は睡眠の質が悪い人で細胞修復や健全な代謝を行うに十分な深い睡眠が得られていないことを示すと云われています。そんな不適切睡眠を十分な運動が帳消しにしてくれるという研究結果だと理解しておいていいのでしょうか。
でも、本当に大丈夫なのでしょうか。過労で超睡眠不足で眠そうにしている人に「体にいい」という大義名分で過激な運動させたら、突然死や急性心不全を起こしませんか? 循環器内科医としての以前の経験から考えると「睡眠不足下での運動はほどほどの方がいいのでは?」と思うのですが・・・取り越し苦労なのでしょうか。
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