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サーチュインとフレイル

わが家の14歳半になる老犬が急に食欲が落ちてきてちょっと気がかりです。白内障がひどくなって目がよく見えないためにあちこちぶつかる様になり臆病になって動かなくなったのも原因かもしれません。それでも見えないなりについ最近まで元気に庭を走り回り日課の散歩を楽しみにしていたのです。それが急に衰えたのは寒暖差が強くなった頃にお腹を壊してからのような気がします。

この子は幼犬の頃からあまり食べない子で、「犬らしくない」と言われてきました。私なんか目の前のものが全部なくなるまで意地でも喰うので「戌年生まれだからしょうがないね」などと云われてきたのに。食べたい時に食べたい量だけ食って、満足したらフードがどれだけ残っていても一切口にしません。食べ残したフードを引き上げてもお腹が空いたアピールすらしません。だから餌を使っての躾が一切できませんでした。そんな子でしたが、先代の犬たちと比べると大きな病気をすることもなくつい最近までとても元気な子でしたので、「コレはきっとサーテュイン遺伝子が発動されているからなんだろうね」と夫婦で話したものです。生物は3割、4割のカロリー制限をすると長寿遺伝子サーテュインのスイッチがオンになると云われています。先代の子たちは歳をとってからサーチュイン遺伝子発動機転が発動した感じですが、この子は仔犬のころからそうでした。

そんな彼女ですが、ここへ来て逆に”食べない性格”の弊害が出てきているように思います。散歩中に腰の辺りを触ってみたら想像以上に痩せていて驚きました。わが家は生活の場が中二階、寝室が二階なので、階段を上り下りするのが生活の基本です。どうもそれが億劫になっているようなのです。筋力が落ちて滑ってしまうようでもあります。もちろん、フードも水も中二階なので、必要に迫られたら勝手に上がってくることはできますが、昔は意地でも二階の寝室に上がって皆と一緒に寝ていたのに、今は必要なければすぐに階下に降りて玄関で寝るようになりました。「コレがいわゆるフレイルってやつじゃないのかな」と、今度は夫婦でそんなことを話す今日この頃。

細い食の方が細胞老化を防いでアンチエイジングにつながるサーテュイン遺伝子なので若い頃には少なめに食べるのがベストですが、ある程度の歳になると今度はフレイルだとかサルコペニアだとかのきっかけに「あまり食べない」が入ってきます。「食べたいときに食べたい量だけ食べる」が健康の基本だと思っているのですが、「食欲ないから食べない」が負のスパイラルに落ち込む入り口になるとなると、ちょっと悩んでしまいます。でも、無理して食っても意味はないし・・・やはり、食べる量に関わりなく、「毎日、食べるのが楽しい」という気持ちになれるのが大切なのだろうという結論に至りました。うちの老犬に、食いつきの良いササミ肉を加えることも大事だけど、毎日お散歩するのが楽しい!を維持できるのがもっと大切なのだろうと痛感している次第です。

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