腹囲と認知症
<アジア人は内臓脂肪が過剰にたまると認知能力が低下しやすい 日本人も少し太っただけで代謝障害が>
”アジア人は、内臓脂肪が過剰にたまると、思考・学習・記憶などの認知能力が低下しやすいことが、9,000人近くのアジア人を対象とした調査で明らかになった。欧米人だけでなくアジア人でも、肥満を予防したり改善することは、認知機能を良好に維持することに影響することが示された。肥満と認知症は、公衆衛生で優先度高い主要な課題になっている。”
保健指導リソースガイド2023年05月29日配信号です。内容は直接読んでみてもらうとして、さてさて、「内臓脂肪が多いと認知症になるからやせましょう」は行動変容のためのモチベーションに寄与できますか? なんか公衆衛生学的な統計学的有意差の話をしているだけであって、内臓脂肪蓄積によりインスリン抵抗性が助長されて動脈硬化が進むから脳血管障害になりやすいのだとか、腸脳相関によって腸内細菌叢の質の悪化が認知症をもたらすのだとか、内臓脂肪増加によって増減するなんらかのホルモンが記憶機能に直接悪影響を及ぼすのだとか、なんかまことしやかな機序の説明がないと「呆けたくなかったらお腹を縮める努力をしなさい」と云われてメタボ改善の努力をするとは思えません。あまりにかけ離れた結果が表示されても人は動かないような気がします。そしてこういう研究の時に重要なことは、『メタボの認知症患者さんがメタボ改善のための努力を強制的にさせたら認知症は改善する』ということは云えるのか?という点ですね。是非とも、そういう点に言及した研究データが見てみたいです。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 男は炭水化物、女は脂肪!(2023.11.30)
- 『かるしお』(2023.11.28)
- アルコール濃度(2023.11.27)
- 高齢ドライバー(2023.11.23)
コメント