霜降り筋
心身ともに忙しくてしばらく溜めこんでいたMedical Tribuneの記事をまとめ読みしています。その中で気になった内容をいくつか抜粋して紹介してみます。
”内臓脂肪が健康に良くないのは周知の事実だが、それよりもたちが悪い脂肪があるようだ。それは、筋肉内に蓄積する脂肪(筋内脂肪)だ。本来なら脂肪が蓄積されないはずの筋内に脂肪が蓄積している状態〔myosteatosis(骨格筋異所性脂肪化)〕の人では、死亡リスクが上昇し、その上昇の程度は内臓脂肪型肥満や脂肪肝の人でのリスク上昇よりも大きいとの研究結果が報告された。米ウィスコンシン大学医学部・公衆衛生学部の消化器画像診断主任であるPerry Pickhardt氏らによる研究で、「Radiology」に5月16日掲載された。”
ヘルスデーニュースからの抜粋ですが、異所性脂肪化が骨格筋で起こることを示しています。このメカニズムについては、むしろ日本成人病予防協会から出されている記事の方がわかりやすいと思います。なぜ異所性脂肪化が起きるのか、どうしたら異所性脂肪は取り除けるのか、ヘルスデーニュースでは「どっちも分かっていない」としていますが日本成人病予防協会は”サテライト細胞”をキーワードに説明しているので、何となく分かった気にさせてくれます(笑) まあ対処法が内臓脂肪蓄積の予防と治療に類似するのは理解できるところでしょうが。
わたしがこの記事に目が留まったのは、実は全く別の理由です。もう10年以上前、糖尿病予防の研修会を受講したときに『霜降り筋』という単語を聞いたことがあったからです。それは決して否定的な内容ではありません。スポーツで有名な某私立大学では「駅伝部の選手たちに箱根駅伝で勝つために『霜降り筋』を作らせる研究をしている」というものでした。選手たちは日頃から身体を鍛え、栄養管理も専門の管理栄養士指導の下でやっているけれど、筋肉を作って脂肪を蓄えないと長距離を走るスタミナが得られない。皮下脂肪を蓄えすぎると重くて走れない。そこで、筋肉内に良質の脂肪を蓄える、いわゆる『霜降り筋』を作ることでレースに勝てる身体作りをすることを研究している、という趣旨だったように記憶しています。気になったのでネット検索してみますが、今回の記事のような否定的な内容しか出てきません。あの研究はどうなったのでしょう。
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