「あ、これが本当の鬱っていう感覚なんだな」
最近、冷静に自分の感情を分析してみて、確信を持つようになりました。
何をしても楽しくない。きちんきちんと毎日をこなし、生活の乱れを来すこともなく粛々とルーチンワークに従事し、「この週末、したかった仕事が全部済んだぞ」とか「なかなか勝てなかった贔屓のプロサッカーチームがやっと快勝できて嬉しい」とか、好きなお笑い番組を見てバカ笑いしたとか、そんな感情はあるのだけれどそれに伴う湧き立つ様な感動が何も起きない。ちっともワクワクしないのです。今週なんて、祝日の月曜は朝からゴルフを楽しんだし、明日はお昼にうなぎを食いに行く約束を妻としているし、明後日は有名な落語家の独演会に行く。その次の日は贔屓チームのホームの試合だから隣県まで駆けつける準備はできている。今までなら明日からの遊び三昧が楽しみで今日の仕事が手につかないくらいだったのに・・・なんか、全く味のないガムをいつまでも噛んでいるようなそんな味気ない毎日なのであります。
もっとあると思っていたわが家の貯蓄が知らない間に底をつきそうだということに気づいたのがきっかけなので、世間でよく聞くうつ病と違って、仕事に行きたくないとか人に会いたくないとかそんな厭世的な感情はまったくありません。これから始まる人生で輝いている若い人たちを羨ましく思うこともなければ、子どもや孫に恵まれて楽しそうな友人たちにひがむ感情もありません。仕事は普通にこなします。眠れないこともありませんし、朝からきちんと起きることができます。動くのが億劫なわけでもありません。ただ、どうやったらこの味気ない無感動から抜け出せるのかがわからないのです。毎月高給をきちんといただいている身だから、友人知人に相談したときに「使いすぎなんじゃないの?」くらい突っ込んでくれたらいいのに、単に苦笑いしながら離れていかれてしまうのはちょっと辛い。
こんな状況、原因を解決できる可能性がないから、専門医を受診してカウンセリングや内服をもらったら解決できるものだとはどうしても思えないのです。人気の俳優やタレントがふっと命を断つのがわからないでもない。ただわたしはきっとそんなことはしない。そこまで追い込まれてもいないけれど、それよりも残された家族が妻しかいないから、彼女を途方に暮れさせるようなことは到底できない。「ひとりで抱え込まずに今の気持ちを妻に話すのは必要なんじゃないか?」と専門家は云うかもしれないけれど、それはたぶんできない。自分の思い上がりかもしれないけれど、彼女の方が心は弱いから、「金がないのはわたしの責任?」と悩むに違いない気がする。彼女に無意味な心配はかけたくない。そう思うものだから、一層自分で抱え込んでしまうのでしょう。世間の旦那が誰にも相談することなくどんどん泥沼に落ち込んでいくって、わたしみたいな輩なんだろうかな。
なんか、書いてみたら、どうも大したことない気もしてきたけど、そのうち勝手に落ち着くといいなぁ。
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