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2023年7月

運動とうつ

1日に数分のウォーキングでうつ病リスクを減少 運動がメンタルを健康に 社会的交流も活発に

活発なウォーキングなどの運動を、1日にわずか20分だけでも、週5日行うと、うつ病のリスクを減らせることが、平均年齢が61歳の男女4,016人を10年間追跡した研究で明らかになった。
「運動ガイドラインで勧められているよりも少ない運動量でも、うつ病を防ぐ効果をえられることが分かりました」

保健指導リソースガイド2023年07月24日配信号で紹介された内容です。最近、不安うつの世界に舞い込んでしまっているわたしなのでついついこういう文章に目が行くようになりました。うつ脱却のためにはありがたい内容ではあるのだけれど、日頃からまあまあ動いている方であるわたしの場合、動かなくなったらもっと気が塞ぐかもしれないとは思うけれど、変わらずに動いているのに不安うつはひどくなっているのだから、どうしても合点がいく内容とは感じられません。どこかにウォーキングでうつ病リスクが軽減されるメカニズムを解説してくれていないかと思って読んだのですが、残念ながらそれはありませんでした。セロトニンの効果かなんかなのかしら。
 

 

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いつもと同じ、と云っていられないかも?

医療裁判にも影響か?肝機能の指標がALT>30に

『肝機能検査の指標であるALT値が30を超えていたら、プライマリ・ケア医やかかりつけ医による肝疾患リスクの確認が必要』・・・先月開催された第59回日本肝臓学会総会で『ALT>30を指標とする”奈良宣言”が公表されましたが、これはかかりつけ医と消化器内科医が適切なタイミングで診療連携することで患者の肝疾患の早期発見・早期治療につなげることを目的に設定された判定基準だそうです。

"宣言後に本指標を無視してしまうと、注意義務違反が生じる場合もある。「肝硬変や肝臓がんは年数を経て病態が進行していく疾患なので、ある患者がこの宣言以降に人間ドックでALTが35だったとしましょう。しかし、医師は基準値内だからと次の行動を起こさず、翌年にその患者が肝硬変になって“医師に検査を進めてもらえなかった”と医療裁判を起こしたらどうだろうか」と例示し、「ある弁護士からは医師側が敗訴する可能性が十分ありうるといった見解を受けたため、医療安全の観点からも医療者に周知していく必要がある」と医師側のリスクを指摘した。"

と書かれています。さてさて、人間ドックや健診でALT>30は決して少なくありません。これを全て『要精査』指示で専門医への紹介状を出すとになると正直なところ外来機能はパンクするかもしれません。健診機関から診療情報提供書を出しても、受診先では「この程度は大丈夫。脂肪肝だと思うので運動と食事に注意して、後は”次の健診でフォローしてください”」と説明されてしまいます。これをやられても健診では何もしてあげられないので結局は受診者が受診難民になってしうことになるのです。だからわたしたちは若干高めでも変化がなければ「経過観察」指示にしてきた歴史があります。”奈良宣言”とやらを実効性のあるモノにするなら、医療訴訟云々で脅すのではなくて、受診者だけでなく医師へもきちんと啓蒙啓発して意識の統一を促すことがまず必要なのだと思います。ほかの生活習慣病に対する啓蒙啓発と同じ(あるいはもっと大変かも)でなかなか厳しくできないのが人間のサガですから、普及啓発にはかなりの労力と時間を要するものと推測します。人一倍の熱意を持ってがんばってほしいものです。
 

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断捨離行が思いのほかスッキリしない件

掃除嫌いというか片付け下手の妻が、先日タンスや引き出しの中にあった古いユニクロ服や下着類を全部捨てるという荒技に打って出ました。実質着ないで何年も経つ服や下着は絶対に着ない(たぶん着たくなったら新しいものを買う)からさっさと捨てればいいと思うのだけれど、洋裁を生業にしている母親に育てられているので衣類を捨てることがなかなかできなかった様子。だから、今回の思い切った断捨離にはとても驚きました。わたしは「もったいないお化け」の祖母に育てられた割には使わないと判断したら処分するまでに時間はかかりません。新しいのを買ったら必ず入れ替わりに一番古いものを捨てますから断捨離は日常茶飯事です。それが、妻はクリエーター、わたしはスイーパーと云い切る所以でもあります。

ほんの数週間前には「突然冷凍庫が壊れた!」騒ぎがあり、貰いはしたけれど食べられない(アレルギーなどで)食材や食べたくない(好きではない)食材なのに貰い物だから捨てられないと云って、そんな瓶や缶で埋まっていた冷蔵庫・冷凍庫の断捨離行を行なったばかり。「物が詰まりすぎて冷やす機能が麻痺したのだ」という大義名分が生じたので一気に廃棄。異常にスッキリした庫内をみて満足げな妻ではありましたが、部屋でも物でもスペースがあれば何かを詰め込まないと落ち着かない義母の性格を引き継いで生きてきた妻だから、再びもので一杯になるのは時間の問題かも?という懸念はあります。それでも、これだけの大掃除は年末でも行わないレベル。それは熊本地震で出た不要廃棄物に近い量でした。

それを見ながら、そろそろ次の週末にはわたしも捨てられるものを全部捨てたい!とムズムズしてきているところ。今までなかなか踏み出せなかった書棚の整理も今こそ始める時なのかもと思います。単行本や文庫本はムリでも雑誌は行けるんじゃないか、と。でも本当は単行本文庫本を古本屋に持って行くくらいじゃないと断捨離にはならないのかもしれませんが。とにかく行動に移したい。きっととてもスッキリするだろうな。もう少し涼しくなったら車庫の奥にある納戸も整理したい。きっと要らないものだらけなんだから。

そんな湧き立つ思いの一方で、実は何か寂しいものも感じてしまうわけです。断捨離は今までの人生の積み重ねの切り捨てでもあります。「さあ、今までのものを全部切り捨てて、今から新しい人生を始めるんだ!」と意気揚々と前途あるこれからに期待する歳でもありません。切り捨てて綺麗にサッパリすることなのにどこか気持ちがスッキリしないのは、きっとそんな裏寂しさと「良いのかなあ、こんなのまで捨ててしまっても」という不安感とが相まって生まれてきている感情なのかもしれません。まあ、それでも敢行しますけどね。

 

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大暑

昨日から大暑。大暑は、「二十四節気の第12。一年でもっとも暑さが厳しく感じられる頃」とされています。たしかに昨日は庭に出てワンの徘徊を見守っているだけで汗が滴り落ちてきました。今週は『桐始結花』、来週は『土潤溽暑』、最後が『大雨時行』というのが七十二候。昔の暦どおりの季節の移ろいを期待しても良いものでしょうか。その次はもう立秋(涼風至、寒蝉鳴、蒙霧升降)かぁ。早く残暑の季節に入ってほしいものです。

ま、その前に九州はそろそろ「梅雨明けしていた模様」の後出し宣言でもいいから、早くけじめの宣言をしてほしい。それがないことには、「梅雨も明けないうちから残暑の話かよ」ということになりかねません。先週は友人の職場の同僚がコロナ陽性、今日は私の職場の同僚のお子さんが熱発。1週間前に日曜当番医をされた知り合いの医者のSNSを見ると、熱発受診50人の約半数がインフルで残りの半数がコロナだったとか。世の中は猛暑で人がバタバタ倒れる時期にあって、しっかりと冬のウイルスが蔓延っているという恐ろしい時代を迎えています。それなのに方や3年ぶりの規制のない夏を各地で意地で謳歌している模様です。まあ、インフルでもコロナでも、どっちも夏に罹るのは地獄でしょうから、最大限の予防には努めることにいたしましょう。なにしろ、今は、大暑です。

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時間制限食vs.カロリー制限食

減量効果が大きいのは?時間制限食vs.カロリー制限食

摂取カロリーを制限しない時間制限食は、人気のある減量法となっているが、その有効性のエビデンスは限られている。とくに、長期の影響については明らかになっていない。そこで、米国・イリノイ大学シカゴ校のShuhao Lin氏らは無作為化比較試験を実施し、時間制限食の効果について、カロリー制限食や食事制限なしと比較した。その結果、時間制限食とカロリー制限食はいずれも体重を減少させたが、両者に有意差は認められなかった。

2023/07/11の公開されたCareNetの記事です。1年前にも似たような検討が中国でなされていました(「減量における摂食時間を制限するカロリー制限と摂食時間を制限しないカロリー制限との比較」)。

絶食時間が16時間(今回)と8時間(昨年)と違ってはいましたが、結局両者に差はないということのようです。今回の検討は減量効果だけですが、昨年の中国の報告は体重だけでなく体脂肪や代謝危険因子の減少にも差がなかったという結果でした。どっちもサーチュイン遺伝子に刺激を与える方法ですからさもありなんという気はします。個人的には毎食のカロリーを減らしていつも煩悩と戦うトライアルよりも一定時間食べないメリハリのある食生活パターンの方が長続きしそうな気がしていますが、前者は『ロカボ』な食べ方なのでそっちの方が長続きするという意見もあります。また16時間絶食はどうしても朝食を摂らないことになるので、朝食推進派からはイやな顔をされそうな結果かもしれません。まあ、どちらも効果がないのではなく同様に十分な効果があるそうなので、続けやすい方法を選ぶといいのではないかと思います。
 

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わたしはおそらくうつ病です

「あ、これが本当の鬱っていう感覚なんだな」

最近、冷静に自分の感情を分析してみて、確信を持つようになりました。

何をしても楽しくない。きちんきちんと毎日をこなし、生活の乱れを来すこともなく粛々とルーチンワークに従事し、「この週末、したかった仕事が全部済んだぞ」とか「なかなか勝てなかった贔屓のプロサッカーチームがやっと快勝できて嬉しい」とか、好きなお笑い番組を見てバカ笑いしたとか、そんな感情はあるのだけれどそれに伴う湧き立つ様な感動が何も起きない。ちっともワクワクしないのです。今週なんて、祝日の月曜は朝からゴルフを楽しんだし、明日はお昼にうなぎを食いに行く約束を妻としているし、明後日は有名な落語家の独演会に行く。その次の日は贔屓チームのホームの試合だから隣県まで駆けつける準備はできている。今までなら明日からの遊び三昧が楽しみで今日の仕事が手につかないくらいだったのに・・・なんか、全く味のないガムをいつまでも噛んでいるようなそんな味気ない毎日なのであります。

もっとあると思っていたわが家の貯蓄が知らない間に底をつきそうだということに気づいたのがきっかけなので、世間でよく聞くうつ病と違って、仕事に行きたくないとか人に会いたくないとかそんな厭世的な感情はまったくありません。これから始まる人生で輝いている若い人たちを羨ましく思うこともなければ、子どもや孫に恵まれて楽しそうな友人たちにひがむ感情もありません。仕事は普通にこなします。眠れないこともありませんし、朝からきちんと起きることができます。動くのが億劫なわけでもありません。ただ、どうやったらこの味気ない無感動から抜け出せるのかがわからないのです。毎月高給をきちんといただいている身だから、友人知人に相談したときに「使いすぎなんじゃないの?」くらい突っ込んでくれたらいいのに、単に苦笑いしながら離れていかれてしまうのはちょっと辛い。

こんな状況、原因を解決できる可能性がないから、専門医を受診してカウンセリングや内服をもらったら解決できるものだとはどうしても思えないのです。人気の俳優やタレントがふっと命を断つのがわからないでもない。ただわたしはきっとそんなことはしない。そこまで追い込まれてもいないけれど、それよりも残された家族が妻しかいないから、彼女を途方に暮れさせるようなことは到底できない。「ひとりで抱え込まずに今の気持ちを妻に話すのは必要なんじゃないか?」と専門家は云うかもしれないけれど、それはたぶんできない。自分の思い上がりかもしれないけれど、彼女の方が心は弱いから、「金がないのはわたしの責任?」と悩むに違いない気がする。彼女に無意味な心配はかけたくない。そう思うものだから、一層自分で抱え込んでしまうのでしょう。世間の旦那が誰にも相談することなくどんどん泥沼に落ち込んでいくって、わたしみたいな輩なんだろうかな。

なんか、書いてみたら、どうも大したことない気もしてきたけど、そのうち勝手に落ち着くといいなぁ。

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『それは無理?』

今回も定期連載の機関誌が発行されたので、転載します。

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『それは無理?』

「『無駄に動け、無駄に食うな、さっさと寝ろ、イライラするな、ゴロゴロするな』を心がけましょう」

これは、わたしが予防医療の世界で働くようになって、生活習慣病予防の極意としていつも口にしているフレーズですが、こう言うと「それは無理」と即答されるのは、運動でも食事でも睡眠でもなく、“イライラしない”の部分です。「だって、仕事でも家庭でもストレスだらけですもの」「少なくとも今の仕事をしている限り、無理です」と言い切られます。でも、本当はそういう人こそ『イライラしないように心がける』ことが大事なキーワードなのだと思っています。別にお釈迦様のように悟りを開けと言っているわけではないし、できるはずもありません。でも、“心がける”ということだけで、1年後には心身にのしかかるストレスがいつの間にか半減していることに驚くはずです。癪に障ってしょうがないかもしれませんが、周りの行動や社会の諸々にイライラしたところで、どうせ周りは何も変わらず、自分の心身に悪影響で返ってくるだけのことだからそれは損でしかない。いつも他人の行動にイライラしてばかりだったわたしがそんな心境に変化したのはいつの頃だったか。

かつてのわたしの上司は若い頃はものすごくせっかちで、短気で、いつもイライラして怒っているような人だったそうですが、わたしが彼の元で働き始めた頃には信じられないほど穏やかになっていました。「ボクはね、自分のこの性格が心筋梗塞を起こす危険因子になると分かっているから、かなり努力したよ。仕事から帰る時にね、車のキーを今までは病院の建物を出たらすぐに手にしていたけど、それを駐車場の車の前に到着するまでポケットから取り出さずに我慢したんだ。大したことじゃないと思うかもしれないけど、それだけでも全然違うんだよ。これをやって“気を長く持つ”ことを少しずつ学習したんだよね」・・・キーレスエントリーの時代にそんな話を書いても若い人はピンとこないでしょうが、この話は、彼が生前に書いた本や講演会でよく紹介されていました。わたしには直接その話をしていただきましたから、よほどわたしの性格がご自分の若い頃に似ていて心配だったのでしょう。残念ながらその頃はまだピンときていませんでしたが、今になって、せっかちでイラちな性格は動脈硬化を増長させるということが実感としてわかるようになりました。「もっと早くに悟っていたらなあ」と後悔することしきりです。
 

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気持ち

昨日のことでした。朝早々に友人からLINE。「今マンションから西の空見たら真っ暗な雲。今日のゴルフ止めない?」と。昨日は有給休暇をとってゴルフのオープンコンペに参加する予定だったのですが、一昨日もゴルフだった友人、プレイの最中にゲリラ豪雨になり、雷鳴が轟いてサイレンが鳴り、結局途中で中止になったことがトラウマになって、そんなLINEを送ってきたようなのです。

その連絡を受けて慌てて窓開けたけどウチから見る西の空は雲ひとつない青空。ウエザーニュースを見ても、雨雲予想のアプリを開けても、「昼にちょっと降るかも」レベルの予報でした。「今日はほとんど降らないと思うけどな」と思いながらも昨日の事があるから強いことも言えず。「ほとんど降らないと思うよ」と返信したら「不安定要素があるなら止めようよ」と。という事で結局ゴルフは中止になりました。で、結局は雨は降らず、夕方に夕立レベルの雨柱が出て雨が突然降ったけれど、たぶんプレイしていてももうすっかり終わっていたであろう時間帯でした。

初めから「止めたい」と思って見る天気予報と、「できたらしたい」と思って見る天気予報。同じ情報でも全く違う見方に導かれることは想像に難くないこと。それはやむを得ないことだけれど、やっぱり「大丈夫だよ」よ強く主張できなかった自分の行動にちと後悔が残った昨日でした。

こういうことは社会に生きるとよくある選択です。やめるかやめないか、ポジティブに物事を考えようとする(あるいはきっとなんとかなると思う)場合とネガティブに考える(過去のネガティブ経験が邪魔をする)場合。慎重派か楽観派か。緻密な思考かいい加減な思考か。どちらが正しいというものではないからこそ、その選択に苦慮するものです。

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老犬の嗄声

先週のある日の夜、もうすぐ15歳になろうという老犬の声が嗄れているのに気づきました。こんな声、初めて聴きました。

「すごい嗄れた鳴き声だけど大丈夫かな」
「ずっと吠えていたからじゃない?」
「犬は吠えるのは仕事やろ。吠え続けて嗄れるなんて聞いた事ないよ」
「そんな事ないよ、犬だって嗄れるよ」
「むしろ最近ずっとハアハア云ってるでしょ。暑いのかもしれないけど、一日中ハアハア云ってるから声帯の周りが乾燥してしまって嗄れているんじゃないのかな」
「何を医者らしからぬこと云ってるのよ」

とうとう妻がスマホでネット検索をし始めました。

「ほら、犬だって声が嗄れるって書いてあるよ。ずっと吠え続けたら人間と同じように声嗄れするって」
「ふーん、そういうもんなんだ」

なんとなくそれで会話は終わったのですが、ここ数日眠っているとき以外はいつもハアハア云ってます。でも、庭で遊んでいるときや散歩しているときは云いませんし寝ているときも静かです。2階にわたしたちを起こしにくる時も軽やかに上がってきます。食欲もかなり出てきました。どうも心不全や呼吸不全などではないものと思っているのですが、それでももはや老犬。この嗄声がいまだに改善しないのは、何か隠れた病気でもあるのでしょうか。反回神経麻痺など起こすような。病院に連れて行きたいけれど連れて行って病気を見つけるのも怖い気はする。人間でも同じですが、この知りたいけれど知りたくない感情、本当は乗り越えないといけないのだとわかっているのですが。

訪問看護をしている友人が「老人は腹筋が弱ると声が嗄れるのよね」と云う。「それは違うだろ」と思う一方で、最近わたしの声が嗄れて妻が「あなたの声は聞き取れない」と悉くに云うのは、もしかして腹筋のせいか?と心配になったりする。わたしもしっかり老人である。

 

 

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よっぽどのイラち?

職場のストレスを早期発見 従業員のキーボードやマウスの操作からストレスを判定 職場の環境改善につなげる

企業などの従業員が、パソコンのキーボードやマウスのどう操作しているかをみるだけで、職場のストレスを判定できるという研究を、スイスのチューリッヒ工科大学が発表した。慢性的なストレスを早期に発見し、職場の環境改善などの対策につなげられるようにすれば、働く人のウェルビーイングの向上につながるとしている。”(保健指導リソースガイド2023年06月26日配信)

職場でストレスを感じている人は「マウスのポインタをより頻繁に動かすが、その動きは正確さを欠き、画面上でより長い距離を移動させる」とか「キーボードのタイプミスが多く、突発的にキーボードを操作し短い休止を何度も挟む傾向がある」とか、まことしやかだけどそれが本当にストレスの表れだけなのかちょっと疑問ではあります。単なる”イラち”な性格だけの人も居るんじゃないか?とか、最近急にタイプミスが多くなって何度も打ち直す作業を繰り返しているわたしなんか、これは多分ストレスの増加ではなく年齢のせい(正確に思った通りの場所に指が動いてくれない)に違いないと自己分析しているのですが、そうではないと云うのかしら? 

でも、”「キーボードの入力方法やマウスの動かし方が、オフィス環境でどの程度ストレスを感じているかを予測するのに適していることを明らかにしました。その精度は、心拍数の測定よりも高いとみられます」と云い切るのだから、やっぱりこれが数値化されたら良い早期発見ツールになりえるのでしょうね。
 

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時間栄養学の観点から

食事スタイルを「朝型」にして肥満・メタボを予防 朝食を午前8時までに食べると代謝が改善 夜遅くのドカ食いはなぜ悪い?

 ”食事のタイミングを1日のなるべく早い時間帯に変えて、食事スタイルを「朝型」にすると、肥満や糖尿病のリスクを軽減できることが、さまざまな研究で示されている。逆に、夜遅い時間帯に食べると、体重の増加や脂肪の代謝の低下が起こりやすくなる。高カロリーの食品を食べるのを、昼間に集中するように調整し、朝食を食べはじめる時間を午前8時30分より前にすると、体の代謝が良くなるという研究も発表されている”(保健指導リソースガイド2023年06月26日配信)

『米ニューヨーク大学ランゴン医療センターによる新しい研究で、食事のタイミングを1日のなるべく早い時間帯に移すことで、体重増加や糖尿病のリスクを軽減できることが示された』というものです。要するに、「夜食うものを朝に回せ」という時間栄養学の基本を裏付けたデータが並べられたということのようです。

・炭水化物(糖質)の多い食品やカロリーの高い食品を昼間の明るい時間帯に集中するようにして食べると、代謝が良くなる。夜遅くにたくさん食べるとエネルギーの多くが脂肪として体に蓄積されやすい
・食事を遅い時間帯にすると、体重・インスリン・コレステロールの値がそれぞれ上昇し、脂肪代謝が悪くなる
・夜型の食事スタイルにより食欲ホルモンであるグレリンの値にも悪影響をもたらして食べすぎになりやすい
・夜遅くに食事をすると食欲が亢進しやすく、睡眠時間が短くなりやすい
・1日の早い時間に朝食を食べる食事スタイルをもつ人は、血糖値が低く、インスリン抵抗性も低い傾向がみられました
・「体内時計」は、朝起きて食べることでリセットされる。朝食は遅くても起床後1時間以内にとることを勧めている。

などなど。ま、わたしが朝飯を食わないのは別に遅くに夕食をたくさん食うからではありませんので若干参考にはなりませんが、やはり「夜食うものはできるだけ朝に回せ」をこれからも云って回ることにいたしましょう。

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酒は筋肉を減少させる?

大量飲酒は後年の筋肉量減少のリスクを高める

 ”中年期や老年初期における大量の飲酒は、骨格筋量が減少するサルコペニアやフレイル(虚弱)のリスク増加をもたらす可能性のあることが、新たな研究で示唆された。英イースト・アングリア大学(UEA)ノリッジ医学部教授のAilsa Welch氏らによる研究で、「Calcified Tissue International」に5月25日掲載された。”(CareNet2023/07/04配信)

”「ほとんどが50〜60歳代だった本研究参加者において、体格やその他の要因を考慮しても、アルコールを大量に飲む人ではあまり飲まない人に比べて骨格筋量が少ないことが明らかになった」「ワイン1本やビール4〜5パイント(英国での1パイント=568mL)に相当する、1日に10ユニット(1ユニットの純粋アルコール量は約8g)以上のアルコールを摂取する人では、後年になって確実に問題が生じる」「この研究は、アルコールの大量摂取が骨格筋量に有害な影響を与える可能性があることを示すものだ」「加齢に伴う骨格筋量の減少が筋力低下やフレイルにつながり得ることは、すでに明らかにされている。つまりは、中高年期に日常的に多量の飲酒を避けるべき新たな理由がまた増えたということだ」

一昨日の記事に続いて、これまた適齢期に入ってしまった酒飲みオヤジには無視できない記事です。まあ、書いてあることは事実だとして、ここに書かれている量は本当に大量なので自分には該当しないなと一応胸を撫で下ろしたものの、『酒が多いと筋肉がやせる理由』は何なのでしょう。アルコールによって肝機能が低下するためにタンパク合成が支障を来すとか、アルコールだけ飲んで栄養失調状態になるからだとか、あるいは大酒飲みのアル中だから日ごろ運動しないからだとか、何らかのメカニズムに言及してほしかった(原著では書かれているのかもしれないけれど)。

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ジジイよばわり

最近、医療現場を受診しても公共の機関に行っても、あるいは街で買い物している時でも、なんかわたしを年寄り扱いした云い方をされることが多くなりました。まあ、客観的にみてそういう歳なのだから当たり前なのでしょうが、もともと医者なもので「先生」扱いされるのには慣れているけれど、若い人に年寄り扱いされることには慣れておりません。それでなくても、うちは子がいないし親戚も遠くにしかいないから周りに若い子がおらず、自ずと夫婦だけで生きてきたから「おじいちゃん」と呼ばれる機会がないままだったので自分が歳をとったことにあまり実感がないのであります。

老眼鏡を忘れたので小さい字が読めないでいると「大丈夫ですか」と声をかけられ、ちょっと階段で躓きそうになると「無理されないでくださいよ」と云われ。その辺りまではまあ優しさの表現だから甘んじるとして、若い看護師さんが小さな声でボソボソ云ってるから、「は?もう一回お願いします」と云ったら、耳元に来て、ゆっくり大きな声で専門用語をわかりやすい表現に変えて説明してから「わかりますか? 理解できますかね?」とか云われると、「わかるわそんな事くらい」と反発しそうになりますね。

むかし、わたしの父が地元の県立病院に検査受診したときに、プンプンして帰ってきて、「小娘みたいな若造のくせにひとをジジイ呼ばわりしやがって!」と怒っていたのはこのことね、と合点した次第です。「だって、あんたはもうジジイだもの」と笑いながら云ったらすごく嫌そうな顔をしてた。悪い事云っちゃったなと今になって反省します。ほんとプライドを傷つけるよね。

「この受診者さんは80歳ですが、日常生活はひとりできちんとできますし、きちんと説明を理解できます」という問診のナースからの申し送りを読みながら、「失礼なこっちゃ!」と思ってしまう今日この頃です。

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退職後の心疾患リスク

退職後には心疾患のリスクが低下する――35カ国の縦断研究

 ”退職後には心疾患のリスクが低下することが、世界35カ国で行われた縦断研究のデータを統合した解析の結果、明らかになった。京都大学大学院医学研究科社会疫学分野の佐藤豪竜氏らの研究によるもので、詳細は「International Journal of Epidemiology」に5月8日掲載された。著者らは、「退職年齢の引き上げで、新たな医療コストが発生する可能性もある」と述べている。”( CareNet2023/07/04配信)

日本の「くらしと健康の調査(JSTAR)」や、米国、欧州、中国、韓国など35カ国の縦断研究の参加者のうち、退職というライフイベントが生じ得る50~70歳、計10万6,927人を平均6.7年間追跡。
・退職により心疾患のリスクが2.2パーセントポイント低下
・心疾患のリスク低下や運動不足該当者の減少は、非肉体労働者でのみ観察された
・肥満の割合は、非肉体労働者では退職後に低下したが肉体労働者では退職後に上昇した

自分がその該当年令になった途端にこういう記事が目に留まるようになってしまいました。「退職による生活環境とリズムの変化は心疾患のリスクを下げる」というのが結論のようですが、不安うつ真っ只中のわたしは、仕事しなくなったら途端に病気になるんじゃないかという不安に苛まれているところなのです。退職したことによる収入の減少とか老後の不安とか社会から切り捨てられた疎外感とか、そういうことを感じるのはおそらく男性の方が多いと思うのだけれど、こういう心のストレスを考慮しても仕事自体の心身のストレスの方がはるかにリスクになるということなのでしょうか。まあわたしは、仕事のストレスが溜まらない労働環境で健全に働かせていただいているということの証とも云えるかもしれません。

「退職と年金給付開始年齢とを引き上げることの財政上のメリットだけでなく、退職を先延ばしすることで、高額な医療コストが発生することの多い心疾患患者が増加する可能性のあることも、考慮する必要があるのではないか」”というのは、ちょっと穿った考え方のような気がするのはわたしだけでしょうか。

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さしよりビール

「さしよりビール」

これは熊本弁です。「さしより」とは「とりあえず」の意味。「さしより1杯目はビールで、それから焼酎にしましょうか?」などという飲み方を少なくともこの2ヶ月はしていません。健康チャレンジの節酒コースは「1日の酒の種類は必ず一種類まで」という縛りがあったから。まあどうせ大量を飲むわけにはいかない(ビールで500cc、焼酎や日本酒は180ccまで)のだから二種類の酒を飲むなんて現実問としてはむずかしいんですけどね。それでもこの「さしよりビール」があるかないかで酒の旨さが違ってくる気がします。いや、今まで考えた事もなかったのだけど、今回節酒トライアルを2ヶ月もしてみていたら、初めてそんなことを感じた次第です。

昨夜も、「さしよりビールやな」と缶ビールを開けた後、「さて次は何を飲もうかな」と頭を巡らしている自分がありました。そりゃあ、絶対に飲みすぎるよね〜。

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人恋しくて。

心が冴えないのは降り続く雨のせいだけではなさそう。不安うつの中、何を見ても今ひとつ楽しくない。テレビやネットで美味しそうな料理や楽しそうな行楽地情報やあるいはカッコいい服の紹介を見ても、ちっとも購買意欲が湧かないのであります。昔から「特に欲しいものはない」という日常ではあったけど、それに拍車をかけて「何もしたくない」状態に落ち込みつつあります。

前はそんなこと全然気にもならなかったけれど、毎日がまったく同じペースで通り過ぎていくのが、無性に虚しく感じ始めています。毎日同じ仕事を同じようにこなし、同じ時刻に出かけて同じ時刻に帰ってきて、洗濯物を畳んだりお風呂の準備をしたり、ワンズの散歩を済ませてから晩酌に入り、ソファでうたた寝して夜中になる。いつもいつもその繰り返しで、仕事以外で会う人といえば妻と義母と親しい友人とワンズと、それだけ。前はそれでなんの問題もなかったのに、それがなんかものすごい閉塞感として襲ってくるのです。

「何でもいいから全然日常と違う刺激が欲しい!」 このコロナ禍を経て、世の中の多くの人が購買欲と旅行欲に飢えているのはこういう事なのか!とちょっとわかる気がしてきました。「どこかに行きたい」「何かを買いたい」「おいしいものを食べに行きたい」…別にそんなもったいないことしなくても大丈夫だよ!と思っていたのに、今の自分はそんな欲求に溺れないと逆に何かで潰されそうな状態に陥っている気がします。ただただ、その行動をするための金がない。だから不安うつになっているのです。そうか、だからこんなに心が重いのか。

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