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2023年9月

肝に銘じます

「黄門様のご恩は一生わすれません。今おっしゃったことを”肝に銘じて”死ぬまで精進いたします」

リバイバルのテレビ番組『水戸黄門』を見ていると、よくこのことば=『肝に銘じる』を耳にします。
※肝に銘じる=しっかり心に刻み付けて忘れないようにしておくこと

日本人なら、学校で教わったわけでもないのにいつの間にか身についていることばの一つですから、おそらくテレビか小説かで学習するのでしょうか(それなら今後、若い人たちの中に意味を理解しない人たちが増えてそのうち死語になるのかも)。ただ、この『肝に銘じる』ということばは、「”こころ”に刻みつける」という意味なのに、決して『心に銘じる』とか『アタマに銘じる』と云わないのはどうしてなのでしょう。それほど肝臓は信頼できる臓器なのでしょうか。

むかしから『肝心(腎)要(かんじんかなめ)』と云うように、日本人にとっては太古の昔から肝の方が重んじられていたことは推測できますが、もしかすると「こころ」は移り気なものですぐに忘れてしまうものだから信用されなかったのでしょうか。肝臓は物云わぬ臓器でありながら生命の源の全てを制御するもの。決して裏切ったりしないもの。そうですよね、それが肝臓ですよね。わたしは『かんじんかなめ』と云ったら『肝心』ではなく『肝腎』を思い浮かべます。肝臓の次に信用できてしかも生命維持に重要な臓器は腎臓…循環器内科医としても心臓の方が重要だと云いたいところなのだけれど、やはり心臓は『こころ』と書くだけのことはあって、すぐにごまかしたりウソをついたりする臓器だから、どこか軽い。まあ、それが取り柄なのでしょうけれど、こういうときには二の次、三の次に回されるのもどこか理解できます。

 

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「ぎっちょ」

「有名な〇〇さんが料理を食べていたけど彼は左ぎっちょだったよ」と友人からLINEがきました。

『ぎっちょ』とは久しぶりに耳にすることばだ。左利きの意味で、子どものころには普通に使っていたのに、どうも『ぎっちょ』は差別用語だとして世間が使わなくなったから、世の中から消えて行こうとしている単語のようです。どうして差別用語なのか、それはむかし(わたしが子どもだったころ)少数派の左利きを縁起の悪い奇形として忌み嫌われていた歴史の中で『(左)ぎっちょ』と呼んでいたことによるもの、と云うのが正解なのだろうと思います。だから子どものころにわざわざ右利きに矯正された友人がたくさんいました。まあ、日本では世の中のものが全部右利き用に作られていたから生活する上で不便だと云うこともあったのかもしれません。

でも、語源を遡ると、『ぎっちょ』は『器用』から転じたことばだと云うのが定説のようで、どちらかと云うと悪いことばではなかったのではないかと推測されます。「左手を器用に操れる」ことを指しているのでしょう。確かにわたしたち右利き凡人は、密かに左利きに憧れて、箸を左手で持ってみたり文字を左手で書いてみたり、そんなことを一度はやってみた経験があるはず。因みに、『ぎっちょ』ではなく『ぎっちょう』が正しいのだとか。今は差別用語扱いされているのだからどっちでもいいのかもしれませんが、『左器用(きよう)』から転じたことを理解するには『ぎっちょう』の方がわかりやすいです。

今回、『ぎっちょ』を検索してみて気づきましたが、確かに『不器用』のことを『ぶきっちょ』て云いますね。『ぶきっちょ』は差別用語じゃない気がしますけど、どうなのでしょう? もしそうならちょっと理不尽。まあ、ことばの文化は理屈ではないですからね。

PS)調べていたら『酒飲みのことをなぜ「左利き」というのか?』という解説文がありましたが、こればっかりはそもそもそんなことを云うこと自体を知らないから、本当にどうでもよかった雑学でした。

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痛みに慣れる弊害

ここのところ、横になっていたり座っているところから立ち上がるときの腰痛が半端ありません。しばらく歩いているとすぐに何もなかったかのようになりますが、また座って仕事したり食事をとったりすると、その後にすぐには立ち上がれないほどの腰痛。症状はかなり強いのだけれど、こんなことはわたしの長い人生の中、特にこの10年くらいの間には何度か周期的に襲ってきたことです。最初のころは「なぜこんなことが起きる?」と原因究明に躍起になっていました。カラダに起きる異常には必ず何らかの原因があって、それがはっきりしないと治療はできないと思っていましたから。「腰痛症は原因がはっきりしないことが多いんですよね」と専門医のコメントをマスコミや学会などで聞いてはいたけれど、それは本人の感じ方の問題で実は大したことないのに本人が大袈裟に思っているパターンが多いのだろうと全く他人事に考えていました。わたしのようなこんな痛み方はどう考えても気のせいではないし、持病の腰椎ヘルニアや筋肉疲労やあるいは『ギックリ腰』が原因に関わっているに違いない、と。

でも、それを何度か経験していると、「別に原因がなんでもいい。治ればそれでいいのだから」と思うようになり、「今はこんなに痛いけど、そのうちウソのように治ってしまうことは経験値で知っているから大丈夫」と考えています。今回もきっとそうでしょう。でもこれ、本当はいいことではないのでしょう。「いつものことよ」とやり過ごすと新たに生じた重篤な病気を見逃す危険性があるから。「しばらく様子を見ていつまでも良くならなかったら早めに専門医を受診してくださいね」と他人には云っているけれど、さて自分の場合にはその重い腰を上げるタイミングがなんか遅れてしまいそうな気がします。

慣れっこになっている病気に尿管結石もあります。ちょっと腰が重いと「もしかしたら石かな」と気軽に云い、ペニスの先っちょがちょっとチクチクしても「石が膀胱に落ちたのかな」と動じない。なにしろ『石博士』を自称している身ですから。これこそ、膀胱がんや尿管がんを見逃してしまいそうでちょっと気にしてます。でも多分、泌尿器科に行くのは2年前のような嵌頓状態になったレベルになるまでないだろうと思うのです。病気慣れした医療従事者は一番厄介な存在です(笑)

 

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減酒サポート

せっかくアルコールの話題を続けて出してきたので、こういう記事も紹介しておきます。

飲酒量/アルコール低減外来で減酒をサポート

 わたしは、指導する側に回れるかされる側に回るか微妙な立ち位置ですから、両方の視点からこういう記事を眺めることになるのかもしれません。

 

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ワインは心臓に良い

ワインは心血管に良い影響?22試験のメタ解析

アルコール摂取と心血管イベントにはJ字型、U字型の関連があるという報告もあり、多量のアルコール摂取は心血管に悪影響を及ぼす一方、少量であれば心血管に良い影響を及ぼす可能性が指摘されているが、結果は一貫していない1-3)。また、ワインの摂取が心血管の健康に及ぼす効果についても、意見が分かれている。そこで、スペイン・Universidad de Castilla-La ManchaのMaribel Luceron-Lucas-Torres氏らは、ワインの摂取量と心血管イベントとの関連について、システマティックレビューおよび22試験のメタ解析を実施した。その結果、ワインの摂取は、心血管イベントのリスク低下と関連していた。また、年齢や性別、追跡期間、喫煙の有無はこの関連に影響を及ぼさなかった。Nutrients誌2023年6月17日号の報告。”(CareNet2023/07/14配信)

先日「酒は少量でも毒」と紹介したばかりですが、同じ配信元からちょっと前にこんな記事も配信されていたので紹介しておきましょう。細かいことを云う必要もなく、とにかく「ワインは心血管疾患に良い効果をもたらす」という結論。

「年齢、薬物、病態の影響によりアルコールに対する感受性が高い患者では、ワインの摂取量を増やすことが有害となる可能性があるため注意が必要である」と指摘しながらも、「システマティックレビューおよびメタ解析によって、ワイン摂取は冠動脈疾患(CVD)、冠動脈性心疾患(CHD)、心血管死のリスクを低下させることが示された」とまとめているのであります。

 

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ヨガは高血圧の解消に効果的らしい

保健指導にヨガやストレッチを取り入れると効果が高い

 ”健診でメタボや高血圧と判定された人が、ヨガやストレッチを取り入れた運動プログラムに3ヵ月取り組むと、血圧値が低下し、心臓血管が健康になり、10年間の心血管リスクも改善することが明らかになった。カナダのラヴァル大学やケベック心肺研究所が発表したもの。” (保健指導リソースガイドTweet2023年09月19日配信)

健康診断で高血圧とメタボリックシンドロームと判定された60人の男女を対象に、(1) ウォーキングなどの有酸素運動や筋トレなどを1回30分×週5回行うグループと、(2) それに加えてヨガやストレッチにも取り組むグループに分けて比較したところ、3ヵ月後にはヨガにも取り組んだグループは最高血圧が10mmHg、ストレッチに取り組んだグループは4mmHg、それぞれより低下し、さらにヨガをすると心拍数と10年間の心血管疾患発症リスクスコアも低下したというものです。「ヨガに取り組んだ人は、より効果が高かったことが示されました。このプラス効果の根底にある正確なメカニズムについては完全には分かっていません」と研究者はコメントしています。

「運動を習慣として行うことを勧めても、"仕事や育児・介護、家事などで忙しい"などの理由で、運動を続けられないという人が多くみられます」・・・その点「ヨガやストレッチを取り入れた運動プログラムであれば、運動を無理なく続けられ、心血管リスクを軽減できる可能性があります」とコメントされていますが、日常で運動をしない人にとっては「運動する」ということと「ヨガをする」「ストレッチをする」ということにはそう大差がありません。「今から始めるぞ」というスイッチを入れないといけない、そこが一番面倒臭いポイントだからです。

とは云っても、実は運動好きでもないうちの妻がヨガを習慣的に行い始めました。週3~4回は行っています。彼女の高校の後輩がヨガ教室をしていて知り合いになったから。そして、家から歩いて5分の所にスタジオがあるにもかかわらず毎回自宅でオンライン・ヨガができることが誘因です。傍から見ても毎回1時間、よく頑張っていると思います。休日の朝などに家に居るときはわたしも一緒に横でヨガ(もどき)をさせてもらっています。たしかに気分はいい。ただ、ヨガはやったことがない人が想像しているよりはるかにハードで、息が上がって体力を使う運動です。世間で「ヨガやってます」「とても健康体になれました」と誇らしげに語っている面々は、それなりに選び抜かれた人であり、それなりに挫折せずに続けられた人ですから、年取ってから始めるときにはそれなりに覚悟しましょう。

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腹鼓・舌鼓

「お腹をポンポン叩くの『はらつづみ』って云うよね」と妻。

「何云ってるの。それは『はらづつみ』でしょ!」とわたしが反論。

「太鼓のように叩くのだから、鼓=つづみじゃないの。あなた時々変なこと云うよね」

「おかしいのはあなたの方でしょ」

そう云って検索をしたら、完全にわたしの負けでした。妻の云うとおり、『腹』+『鼓(つづみ)』なのだから『はらつづみ』なのだそうです。まあ、冷静に考えるとその通りです。でも、わたしのアタマの中には『はらつづみ』『はらづつみ』『はらつづみ』・・・と何度も声に出して発音してみても『はらづつみ』の方がしっくりくる感じがしてならんのです。実は、そんな人が世の中には多いようで、検索したどの記事を見ても「正式には『はらつづみ』だが『はらづつみ』とも読む」と書き足されていました。なぜ、そんな誤用がまかり通った上に正式に認めてもらえるようになったのか・・・「そっちの方が発音しやすいから」のようです。

同じような単語に、『舌鼓(したつづみ)』がありますが、これも『したづつみ』でも可なのだそうです。まあ、誤用を正解だと思い込んでいたわたしとしてはありがたいことではありますが、誤用は誤用なのだから、頑なに「『●づつみ』は間違いだ!」と突っぱねてほしかった。でも最近はこういうパターンは少なくありません。コトバは文化、だからこそ元々の意味がどうであれ、たとえ使い方が明らかな誤用であれ、そっちを使う人が多ければそれも正解となるというのも分らないでもありません。これもまた、ある意味『多様性』の表れなのかも。

重ね重ね、勉強になりました。

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酒は毒

健康な人でも少量の習慣的な飲酒で血圧上昇

 ”高血圧でない人が少量のアルコールを習慣的に飲み続けていると、血圧が上昇する可能性のあることが明らかになった。モデナ・レッジョ・エミリア大学(イタリア)のMarco Vinceti氏らの研究によるもので、詳細は「Hypertension」に7月31日掲載された。” (CareNet2023/09/15配信号)

「少なければ少ないほうが良いことは間違いなく、さらに良いのは飲まないことだ。われわれの研究結果は、たとえわずかであってもアルコールを摂取していれば、時間の経過とともに血圧が高くなるという直線的な正の関連を示している」

「現在、習慣的に飲酒していない場合は、飲み始めないことだ。飲酒の習慣がある場合は、断酒または節酒すべきた」

「高血圧患者ばかりでなく、血圧が正常範囲内ながらも高いという人に対して、特に強く伝えたい。なぜなら、そのような人が飲酒習慣を続けた場合、血圧上昇の経時的変化がより強く現れるからだ」

飲酒がいわゆる『百薬の長』ではないという研究結果はたくさん発表されてきましたが、ここまで露骨に「酒は毒」と云い切った発表を初めて見たかもしれません。そして最後に、「重要なメッセージは、飲酒は高血圧や心臓病の予防にはならないという点だ」とだめ出しされました(笑)

要するに、酒はタバコと同等に「百害あって一利なし」の毒物であること。なのに酒はタバコと同様に重要な税収であり国家にとってメインの財源であるということ。人間の弱みにつけ込んで「中毒になっているやつから税を奪い取れ、イヤなら止めれば良いこと。どうだ、止められるもんなら止めてみろ!」と国はケンカを売るわけです。10月からビールの税率を下げて新ジャンルのビールの税率を上げ、そのうちに全てを同じ値段にする・・・庶民ができるだけ安く酔えるように工夫しているのに財源確保のためには手段を選びません。だって、酒やタバコは止めようと思えばやめられるし止めて困るものじゃないし止めた方が健康にいいものだから、酒もタバコもやらない国民のコンセンサスを得やすい方法ではあるのですよ。世のお父さん、世知辛い世の中ですねぇ。

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ゴルフはカラダに良いのか悪いのか


月1回以上のゴルフで皮膚がんリスク上昇

”屋外で長時間プレーするゴルフを習慣的に行うと、皮膚がんリスクは高まるのか。そんな疑問に答える横断研究結果がBMJ Open Sport Exerc Med(2023; 9: e001597)に発表された。オーストラリア・University of South AustraliaのBrad Stenner氏らは「ゴルフを月1回以上行う人の皮膚がんの生涯罹患率は一般集団の約2.4倍であり、紫外線(UVR)への長時間の曝露について、予防策を講じる必要がある」と注意を促した。” 

『四十の手習い』で始めたゴルフの腕は一向に上達せず、『下手の横好き』と云えるスコアにもならないままにそれでも夫婦や友人と事あるごとにプレイしているわたしですが、こんなデータ並べられても困ってしまいます。日光の紫外線が悪影響を与えると云いたいのでしょうが、炎天下の長時間スポーツは他にもたくさんあるでしょうに、あえてゴルフな理由は何なのでしょう? 

一方で、こんな記事もありました。

ゴルフは高齢者の健康維持に最適

 ”老後も健康でいたい人は、ゴルフクラブを持ってグリーンに出ると良いようだ。新たな研究から、心臓の健康を向上させるという点で、ゴルフはウォーキングやノルディックウォーキング(特殊なポールを用いたウォーキングによる全身運動)よりも優れていることが明らかにされた。研究論文の筆頭著者で、東フィンランド大学(フィンランド)生物医学/スポーツ・運動医学研究所のJulia Kettinen氏は、「ゴルフは体を動かす意欲を高め、あまり距離を意識せずに長く歩けるという点でも優れた運動方法である」と述べている。この研究は、「BMJ Open Sport & Exercise Medicine」に2月6日掲載された。”

確かにゴルフは高齢になっても楽しめるスポーツの代表ですが、別に「健康のために」やっているわけでもないところがあるのは事実です。ゴルフは一人ではできないスポーツだから、「必ず仲間が要る」という足枷もこれからのわたしには重要なのかもしれません。

もっとも、昨今の異常気象。雨が降ればゲリラ豪雨で激しい雷雨のためにハーフでやめさせられることも少なくありませんし、晴れたら晴れたで猛暑・激暑。早朝プレイするのでなければほとんど自殺行為に近く、体調不良で途中棄権する仲間もたくさん居ました。地球が異常気象だらけになる中で、自然を相手にするゴルフというスポーツはそれ自体が健康に良いか悪いか論じる以前の大きな問題が存在しております。

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インセンティブの成果

ウォーキングの歩数を8000歩に増やして肥満や糖尿病に対策

 ”1日に1万歩以上歩いている人は、糖尿病の発症リスクが62%、重症化リスクが67%低いことが、横浜市が実施している「ウォーキングポイント事業」で明らかになった。「1日の平均歩数が8,000歩を超えるあたりから、2型糖尿病の発症率と重症化率に差が出てきました。現状の歩数よりも、1,000~2,000歩を多く歩くようにすると、効果を期待できます」と、研究者は述べている。”(保健指導リソースガイド2023年09月12日配信)

以前、ここにも何度か書きましたが、『人間の行動変容』(日常の生活を変化させる)というのは極めてむずかしく、よほど強い意志がないとどんなに大切なことでも、あるいはどんなに素晴らし事でも人はそう簡単には行動に移せない(あるいは始めても続けられない)動物なのであります。それを打破するために多くの自治体でインセンティブ事業を取り入れています。ここに紹介された横浜市の「ウォーキングポイント事業」もその一つです。横浜市在住・在勤・在学している人を対象に、ウォーキングの歩数に応じてポイントが付与されて、それに応じて商品券などが当たるというものです。わたしも熊本県のウォーキングポイント事業(「げんき!アップくまもと」)に参加していて、以前はお肉券をいただいたことがあります。

「自分の健康は自分で作るものなのだから、自分の身体に良いことをするのに見返りを求めるなんて、言語道断!」などと以前の担当者なら口を揃えて云っていたかもしれませんが、今は「健康事業はインセンティブなくして成功はあり得ない」ということや「インセンティブに費やされた金額はその後ほったらかして病気になった時の医療費と比較すると明らかに費用対効果が大きい」ということが証明されてからは、人を心身ともに”動かし始める”には”エサ”が重要だとわかってきました。それも、ごく一部の人に「豪華電気商品が当たる!」というのより、一定ポイントをゲットしたらもれなく何かのご褒美がもらえる方が明らかに参加率は高くなるようです。

参加者にメリットがある一方、自治体としても各自の健康データや医療費のデータを結びつけることで今回のような明確な成果の分析/公表をすることが可能になるという大きなメリットがあります。これは各自が各自のスマホアプリや歩数計で自分だけで管理していたのでは絶対に得られない貴重なビッグデータです。こんなウインウインな関係構築をもっとあちこちで広い世界に広げることを願っています。

 

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お風呂とうつ病

お風呂に毎日入っている高齢者はうつ発症が少ない

週7回以上の浴槽入浴をしている高齢者は、うつ病を発症するリスクが低いことが、約3,200人の高齢者を6年追跡して調査した研究で明らかになった。入浴には、「気持ちが良い」「よく眠れる」といった短期的で主観的な作用があるだけでない。日本人が好きな浴槽入浴は、将来のうつ発症を予防するための生活スタイルである可能性がある。”(保健指導リソースガイド2023年07月31日配信)

日本人の浴槽にゆっくり浸かって心身の疲れを癒やす習慣は世界でも独特な文化のようです。この研究は、東京都市大学などの研究グループが高齢者を6年間にわたり追跡した大規模な研究により習慣としての浴槽入浴がうつ発症の長期的な予防効果があるかを調査したものですが、結果として毎日浴槽に浸かる人は6年後までにうつ病にかかる確率が入らない人より低かったそうです。

東京都市大学人間科学部学部長・教授の早坂信哉氏らによると、「今回の大規模な追跡調査により、浴槽入浴がうつ発症の予防につながることがはじめて分かりました。浴槽入浴は、"気持ちが良い""良く眠れる"といった入浴の短期的かつ主観的な作用だけでなく、高齢者の心身の健康維持のための重要な生活習慣である可能性があります」ということなのだそうで、その機序として”入浴の温熱作用を介した自律神経のバランス調整作用や、睡眠改善など”を挙げているようでした。

でも、入浴時間や浴槽の温度などには言及していないわけですし、夏より冬の方が傾向が明確であったなどの結果からすると、むしろ疲れていたり面倒くさいと思ったときでも「毎日きちんと風呂を沸かして中に浸かる」という行為を続ける、ということ自体がもっとも重要な因子なのではないか、と密かに思っているところです。夏の暑いときは「もうシャワーだけで十分なんじゃない」のと思うし、冬の寒いときには「今日ぐらい入らなくてもいいんじゃないかな」と思うことはしばしばありますから、そんなときでも誘惑に負けることなく風呂を沸かして浴槽内にまで浸かるという人(特に高齢者)・・・そりゃうつ病にはならないでしょう。
 

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コロナ感染者の症状が強い?

最近、身近にもコロナ感染者が増えてきました。そしてどの人もそろって「症状が強くて辛かった」と云います。「高熱と頑固な咳で眠れなかった」と。

コロナのオミクロン株は症状が軽くて(特に若年者)、だから皆が感染に無頓着になっていると思っていたのに違うのかしら? と不思議に思いましたが、もしかしたら、そうじゃないのかもしれません。症状が強い人だけが病院に行き診断を受けるから「コロナ感染」とわかるのであって、症状のない人や濃厚接触者は病院にも行かず、結果を知りたくないから自分で抗原検査をしてみることすらしなくなった結果として、「知らないだけ」「診断つける気がないだけ」なのかもしれません。たぶんそうだと思います。まあ、それもいたしかたないのかもしれませんが。

それにしても、夏休みが明けて新学期が始まった途端にコロナやインフルの感染流行によって学級閉鎖が増えているとかバス運転手が大量に感染して路線バスが運休しているとか、そんなニュースをみると「なんで?」と首を傾げてしまいます。なんか普通の集団感染とかクラスターとかと違うパターンのような気がして。特に子どもたちなんて、夏休みの方が余程感染しやすい環境にいたんじゃないのかしら。まだまだわたしには理解できない、不思議なことばかりです。

とりあえずこんな仕事ですので、今月末に職場で6回目のワクチン接種受けることにしています。

 

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朝食欠食の何が悪い?

朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?

 ”朝食を食べない習慣は、肥満・脂質異常症・高血圧・糖尿病などと関連することが、さまざまな研究で示されている。朝食欠食により体重が増えやすくなり、筋肉は減り、肥満リスクが上昇することが分かっている。
 朝食を欠食することの多い人は、▼外食の頻度が高い、▼インスタント食品の利用が多い、▼就寝時間が遅い、▼1人暮らし――といった共通する生活スタイルをもっていることが、40~74歳の男女11万人超を対象とした研究で明らかになった。
 「朝食を食べない理由のひとつに、十分な時間がないことが考えられます。朝食をしっかりと食べるように改善していくために、包括的なアプローチが必要です」と、研究者は述べている。

朝食を食べない人への風あたりは年々強くなります。「朝食べないことが如何に健康にデメリットをもたらしているか」というデータばかりが並べられ、方や「朝食べないことのメリット」を研究する報告がなかなか見つかりません。20年来意図的に朝飯を食わないでいるわたしはこういう話になると肩身が狭い思いです。

でも、今回のこの報告は意外に論破できそうです。
▼外食の頻度が高い
▼インスタント食品の利用が多い
▼就寝時間が遅い
▼1人暮らし
▼十分な時間がない
わたし、これのどれにも当たりませんけど、何か?

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エレベーター

わたしがエレベーターに乗らないのは皆に周知されてきたので、わざわざわたしのためにエレベーターを閉じずに待ってくれているスタッフは居なくなりました。むしろ、エレベーター待ちをしている横を通りすぎて階段に向かっているわたしに対してバツが悪そうな顔をして目線を逸らしたりされます。

思えば、2011年、東日本大震災の折、日本中がエネルギー不足となりあちこちの電気が消されて暗いコンビニや暗い空港がその象徴となった時がありました。「省エネのためにエレベーターに乗らずに階段を使いましょう」という合言葉で、うちの職場でも管理者が率先して階段を上がり下がりしました。「かえって健康を手に入れるからラッキーだ! 発想の転換をしてピンチをチャンスに変えましょう!」と職場を挙げて宣言していたじゃありませんか。それなのに、今はそんな面影すらない。エネルギー事情が回復するやいなや、かつて率先して歩いていた管理者がいち早くエレベーターを利用するようになりました。

若い世代がすぐ横の階段を尻目にエレベーターを待つのはまだわかります。彼らは生まれた時からそこにエレベーターがあった人たち。「そこにエレベーターがあるのにどうしてわざわざ無駄な労力を費やして階段を上る必要があるの?」という思いは、おそらく彼らの親世代がそう思っていたからでしょう。彼らが将来退化によって下肢筋力を失うとしても、それは別に困らないこと。きっとその代用機能が開発されるでしょうから。でも、管理者世代が我先にとエレベーターに載ったのはちょっと残念でした。「管理者がエレベーターに乗ろうとしているのに、私たち一般職員が階段上ったりしたら失礼ですよね。なんか嫌味みたいで」とまことしやかな言い訳して一緒に乗っていた連中ともども、早くどこかカラダ壊して後悔すればいいんだ! なんて、そんな意地悪なことは云いませんけどね。

そういえば、新型コロナウイルスがまだ殺人ウイルスだった数年前でも、東日本大震災のころと違って、エレベーターには皆さん乗っていましたよね。満員そうなら一機遅らせてでも乗っている様子を傍から見ていたような記憶があります。生活変容というのはなかなか難しいものなのだなとつくづく思います。

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新しい運動法?

わずか5分の運動でも「がんリスク」を32%減少 無理なく続けられる「新しい運動法」を開発

わずか1日に5分の、少し息が上がるくらいの活発な運動や身体活動を行うだけで、がんの発症リスクを最大で32%減少できることが明らかになった。保健指導などで勧められている体系化された運動を実行するのが難しいと感じていたり、魅力的ではないと思っている人でも、取り組みやすく、続けやすい運動法が求められている。
わずか1日に5分くらいの、少し息が上がるくらいの活発な運動や身体活動を行うだけで、がんの発症リスクを最大で32%減少できることが、オーストラリアのシドニー大学などの研究で明らかになった。

つまり、『1日にわずか4~5分間の活発で断続的な運動や身体活動であっても、何もしていない人に比べ、がんの発症リスクは大幅に低下することが示された』ということ。『自ら意識的に運動する』という動作が少しでもあれば、がんに罹る危険性が1/3減るということですね。いつもこの手の研究で思うことは、はたして「運動嫌いな人たち」にとっての5分の運動って、習慣にできるほど簡単なものなのでしょうか。運動強度は決して強くはないのだから「だれでもできるさ」と、日頃から体を動かしている人は簡単に思うのですが・・・。ここに例で並べてある事例
▼家事をしっかりと行う
▼食料品店で重い買い物を運ぶ
▼ウォーキングはなるべく速歩で行う
▼なるべく車を使わず徒歩で用事を済ます
▼子供たちと体を使った遊びをする

どうですか、そもそも如何に動かないで楽に生きるか考えている(別に意図的にではないにしろ)人にとって、「子どもたちと遊ぶ」という項目以外はかなり荷が重いのではないですか。まあ、それくらいの意識変革がないとがん予防はできないということでしょうか。それだけ重大な意識改革を行った結果として、がん発症予防が30%くらい。これを多いと考えるか少ないと考えるか・・・行動変容をもたらすにはちょっと微妙かもしれません。
 

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運動アプリ

「運動アプリ」がメンタルヘルスも改善 スマホアプリの導入は運動指導で障壁の低い介入に

 ”運動アプリを利用した自宅ででる簡単なトレーニングにより、ストレスやうつ症状が減ることが、医療従事者や専門職を対象とした12週間の試験で示された。
 新型コロナのパンデミックにより、医療従事者は過去3年間に、非常に困難な状況におかれ、メンタルヘルスの大幅な低下が報告されている。スマホなどの運動アプリは、世界的に増えているうつ病などのメンタルヘルス危機に対策するための効果的な主要なツールになる可能性がある。

うつ状態のわたしですから、なにか解決できるものがあるならなんでもチャレンジしてみたいと思っていますが、そんな折、こんな記事が目にとまりました。新型コロナに対応した平均年齢41.0歳の288人の医療従事者を対象に、12週間のアプリベースの運動介入(「Down Dog」と呼ばれる無料の家庭用運動アプリを使用して自重インターバルトレーニング、ヨガ、ウォーキング、ランニングなど、20分間で1セットの運動に週に4回(週に80分)チャレンジするもの)をして、医療従事者のうつ症状、燃え尽き症候群(burnout)、欠勤をどの程度軽減できるかを検討したものです。結論から云えば、有意にうつ状態の改善がなされたのだそうで、有効な手段だと結論づけていました。

コロナ禍で自粛期間が長かったころ、SNSや動画配信サイトに運動に関わる多くの動画が無料で配信され、それによって運動不足が解消できたと話題になりました。そしてその後、無料配信動画は健康増進の大きな武器になって今でも進化し続けています。今回の介入試験のオチは、”試験終了までに定期的にアプリを使用していた参加者はわずか33人(23%)だった”というところではないかと思いました。一人で始めてそのまま続けるのは面倒くさいものです。自分でアプリを立ち上げて自分だけで黙々と運動をすること自体が面倒くさいし、やっていることがちゃんとできているかもわからない一方通行の手段だし。現在、妻がヨガ教室をオンラインで続けています。オンラインなのできちんと型ができているのかどうかは微妙ですが、少なくとも一方通行ではないし、参加の有無がきちんと把握されるので、すぐに飽きてしまう妻が意外にきちんと続けているのに感心しているところです。

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オーラがない

「先生、私服だったから全然気づかなかったです」
先日、産業医に行くためにワイシャツとスラックスに着替えて廊下を歩いていたら職場のスタッフにそう云われました。

そうなんです。私、本当に全然オーラがないんです。職員健診で健診着に着替えるとだれからも気づかれなくなります。自分の職場の外来を受診してもほとんどスタッフに気づかれず(もっとも若いスタッフばかりだからそもそも私を知らない人だらけだけど)、先日の内視鏡治療を受けるときなんかも、「はい、それじゃあ今から始めますね~」と施行医がやってきて名前をみて「え、先生じゃん!」と驚いたりなんかされました。

私、白衣着てなかったらただのジイさんなんです~。

 

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”感情失禁”に負けない

ブログ再開の最初の文章がこれなのはきわめて不本意ですし、いちいち他人様にお知らせする内容でもないと分かっているのですが、今の感情をどこかにしたためておかねばと思うとき、ほとんど読者がいないであろうここくらいしか吐露する場所がないのであります。

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昨日から、仕事中や運転中やあるいは散歩中や、何の誘因もなく突然涙が出てきそうになる現象が起き始めました。ものすごく寂しくて虚しい感情のつむじ風が突然吹いてくるのです。それは以前、熊本地震に襲われた一年後くらいの通勤途中に経験したのと同じようなものですが、あの時よりもちょっと厄介だろうことを自分なりに感じています。いわゆるうつ状態の一つだと思います。

わが家の愛犬が、もうすぐ満15歳になるというのに突然悪性度の比較的高いリンパ腫であると診断されました。余命を宣言された中、ステロイドの効果で今はものすごく元気に飛び跳ねています。その一過性の元気な姿を見るのがかえって心を重くさせていることはちゃんと認識しています。さらに突然降って湧いてきたわが家の経済的不安の嵐。まあまあの高給取りなのに毎月目減りしている預金額を見るたびに心は折れそうになります。それに気づくまでは、旅行に行きたい、服を買いたい、美味しいものを食べたい、という欲望の妄想に耽ることが日常だったのに、今はそんなこと考える気にもなれません。如何に金を使わないかしか考えられないのです。夫婦も周りも日に日に歳老い、終活も進めなければと思うのだけれど、何をするのも面倒で「どうでもいいや」と思うようになってしまっている自分。そんな姿を客観視する自分。そして連日の異常気象と水面下で蔓延しているウイルス疾患野社会。今の“感情失禁”の嵐の原因は、こんないくつもの心の内外のつむじ風が入り乱れて襲ってきているせいであるに違いありません。さっきは他県に住む叔父が昏睡状態だという連絡も届きました。

うつだから専門家に相談すべきなのかもしれないけれど、どれをとっても他人に相談しても何も解決しないだろうものばかりだから「話しても無駄」と考える。「これは病気だから、無駄だと思わずに専門家に委ねるのが得策」と他人には進言するけれど、それがわかっていても自分では受け入れられない。矛盾した話です。

さて、そんな自分に今日から課した方策は、とりあえず目の前の一つ一つを端折らずにきちんと丁寧にこなすという事です。朝、スヌーズ機能を使わずに目覚まし時計の合図で起き、朝のルーチンワークで時間がなくなろうともきちんと自分で決めたスクワット運動は決めた数だけこなし、昼間に歩くことにしていた歩数はきちんと到達させ、仕事の一つ一つを丁寧に行なってミスをなくすように心掛け、帰宅したら早めに風呂の準備をしてワンズの散歩に行く。毎日やってきた当たり前の日常を、とにかく粛々とこなすことに専念することにしました。「めんどうくさい」と思わず、「考えてもしょうがないことは考えない」ようにする、そんなシンプルなことが今の状態を乗り越える手段として有効なのか無効なのか、そんなことはまだわかるはずもありません。

 

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