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インセンティブの成果

ウォーキングの歩数を8000歩に増やして肥満や糖尿病に対策

 ”1日に1万歩以上歩いている人は、糖尿病の発症リスクが62%、重症化リスクが67%低いことが、横浜市が実施している「ウォーキングポイント事業」で明らかになった。「1日の平均歩数が8,000歩を超えるあたりから、2型糖尿病の発症率と重症化率に差が出てきました。現状の歩数よりも、1,000~2,000歩を多く歩くようにすると、効果を期待できます」と、研究者は述べている。”(保健指導リソースガイド2023年09月12日配信)

以前、ここにも何度か書きましたが、『人間の行動変容』(日常の生活を変化させる)というのは極めてむずかしく、よほど強い意志がないとどんなに大切なことでも、あるいはどんなに素晴らし事でも人はそう簡単には行動に移せない(あるいは始めても続けられない)動物なのであります。それを打破するために多くの自治体でインセンティブ事業を取り入れています。ここに紹介された横浜市の「ウォーキングポイント事業」もその一つです。横浜市在住・在勤・在学している人を対象に、ウォーキングの歩数に応じてポイントが付与されて、それに応じて商品券などが当たるというものです。わたしも熊本県のウォーキングポイント事業(「げんき!アップくまもと」)に参加していて、以前はお肉券をいただいたことがあります。

「自分の健康は自分で作るものなのだから、自分の身体に良いことをするのに見返りを求めるなんて、言語道断!」などと以前の担当者なら口を揃えて云っていたかもしれませんが、今は「健康事業はインセンティブなくして成功はあり得ない」ということや「インセンティブに費やされた金額はその後ほったらかして病気になった時の医療費と比較すると明らかに費用対効果が大きい」ということが証明されてからは、人を心身ともに”動かし始める”には”エサ”が重要だとわかってきました。それも、ごく一部の人に「豪華電気商品が当たる!」というのより、一定ポイントをゲットしたらもれなく何かのご褒美がもらえる方が明らかに参加率は高くなるようです。

参加者にメリットがある一方、自治体としても各自の健康データや医療費のデータを結びつけることで今回のような明確な成果の分析/公表をすることが可能になるという大きなメリットがあります。これは各自が各自のスマホアプリや歩数計で自分だけで管理していたのでは絶対に得られない貴重なビッグデータです。こんなウインウインな関係構築をもっとあちこちで広い世界に広げることを願っています。

 

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