「ぎっちょ」
「有名な〇〇さんが料理を食べていたけど彼は左ぎっちょだったよ」と友人からLINEがきました。
『ぎっちょ』とは久しぶりに耳にすることばだ。左利きの意味で、子どものころには普通に使っていたのに、どうも『ぎっちょ』は差別用語だとして世間が使わなくなったから、世の中から消えて行こうとしている単語のようです。どうして差別用語なのか、それはむかし(わたしが子どもだったころ)少数派の左利きを縁起の悪い奇形として忌み嫌われていた歴史の中で『(左)ぎっちょ』と呼んでいたことによるもの、と云うのが正解なのだろうと思います。だから子どものころにわざわざ右利きに矯正された友人がたくさんいました。まあ、日本では世の中のものが全部右利き用に作られていたから生活する上で不便だと云うこともあったのかもしれません。
でも、語源を遡ると、『ぎっちょ』は『器用』から転じたことばだと云うのが定説のようで、どちらかと云うと悪いことばではなかったのではないかと推測されます。「左手を器用に操れる」ことを指しているのでしょう。確かにわたしたち右利き凡人は、密かに左利きに憧れて、箸を左手で持ってみたり文字を左手で書いてみたり、そんなことを一度はやってみた経験があるはず。因みに、『ぎっちょ』ではなく『ぎっちょう』が正しいのだとか。今は差別用語扱いされているのだからどっちでもいいのかもしれませんが、『左器用(きよう)』から転じたことを理解するには『ぎっちょう』の方がわかりやすいです。
今回、『ぎっちょ』を検索してみて気づきましたが、確かに『不器用』のことを『ぶきっちょ』て云いますね。『ぶきっちょ』は差別用語じゃない気がしますけど、どうなのでしょう? もしそうならちょっと理不尽。まあ、ことばの文化は理屈ではないですからね。
PS)調べていたら『酒飲みのことをなぜ「左利き」というのか?』という解説文がありましたが、こればっかりはそもそもそんなことを云うこと自体を知らないから、本当にどうでもよかった雑学でした。
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