さようなら
昨夜、静かに虹の橋を渡りました。14歳11ヶ月。
争いごとのきらいな、とても優しい子でした。散歩中の子犬に鼻を噛みつかれて血を流しながらも、それでも挨拶をしようと近づいていく子。小さなワンコと飼い主さん(人間)が大好きで、相手を疑わない子。静かにお散歩していてもすれ違うワンコが必ず挨拶しにくるような人気者だったのはそれが理由だったのかもしれません。仔犬のころから『犬らしくない』食べっぷりで気が向かないとフードをいつまでも食べなかったりするので躾のしにくい子でしたが、それでも歴代のワンの中で一番病気知らずだったから、「これはサーテュイン遺伝子が発動している証拠かもね」などと思っていたのに・・・あまりにも想定外の病気になってしまって、診断から1ヶ月ちょっと。あっけなく逝っちゃった。でも、おそらく診断がつく遥か前から調子はおかしかったのだと思います。急に声が嗄れて聞いたこともない声になったときに夜中にずっと吠えていたせいだと思わずに首のリンパ節が腫れたことに気づけばよかった。その前に夜中の徘徊や吠え声が、痴呆や目が見えなくなったための不安の表れだと勝手に決めていたけれど、あれも体調の不具合だったのかもしれません。あれだけ病気知らずだった子が急に難治性の下痢を続けた時点で何かがおかしいと気づくべきでした。もっと早くに気づいたら予防できていたかどうかはわからない病気だけれど、少なくとも彼女の不具合の訴えがわかってあげられなかった出来の悪い親だったことは確かです。ごめんよ、セイラ。
先代のインディくんが亡くなって2ヶ月後に生まれたこの子をインディくんの生まれ変わりだと思って育ててきました。町田から飛行機で飛んできた2009年のひな祭りの日はものすごい嵐で、飛行機が降りるかどうかわからないと大騒ぎした中でやっと熊本空港に着いて貨物室から出てきたあなたは吐きまくってグロッキーでした。2016年の熊本地震を経験して揺れ動く地面に這いつくばって右往左往したりあちこちで瓦や壁が倒壊するのを目の当たりにした経験を持つあなたはその後どこかで大きな音がするたびに血相変えて逃げまくりました。あなたが熊本の地に来る運命になければどっちも経験しなくて済んだのかもしれないと思うと、申し訳なさでいっぱいになります。でも、あなたがわが家に来てくれた運命を私たちは最高の贈り物だと思っています。わが家の子になってくれて本当にありがとう。
ゴールデンバットン特有のでっかい鼻とウルトラマンみたいな釣り上がった目で「ちっとも器量良しじゃない」とからかっていたけれど、いつの間にかお年頃のかわいらしい風貌になりました。あなたが居なくなると寂しくなるから、と突然思い立って町田から新しいチビを連れて帰った日、あなたは目をまん丸くして「この子はいつまでここにいるの?」という目で私たちに訴えました。その時まで自慢の真っ白な口周りの毛が急に茶色に変色したとき、ストレスで胃液が酸化してしまったのではないかと心配しました。ついこないだ口周りを短く切ってあげたらその後はあまり変色しなくなりましたね。お母さんの云うように、なんか食べるものが悪かったのかしら。
思い出ばかり書いていると辛くなるばかりだから、これくらいにしておくわ。静かに穏やかな寝姿・・・今日はインディくんの誕生日です。
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