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画像供覧に思う

今日は月一回の画像供覧の勉強会に参加しました。毎回、この時間が終わると心が折れそうになります。

まずは、「この胸部レントゲン写真、どこに問題があるかわかりますか?」と質問。ほとんど1年前のレントゲン写真と変わりないように見えるがあえて云えば右の肺門陰影の増大? 「そうです、ここです」とAI画像を出すがほんのわずかな異常検出。「でもこれをCADで描出すると」・・・とても大きな結節影が浮き出てきました。私が見つけた肺門陰影はリンパ節で、その下に大きな結節。実はコレは悪性度のとても高い小細胞がんでした。1年前の写真には何もありません。しかも画像処理ソフトを使ってやっと見つけられるほどの画像・・・おそらく集団検診や普通のレントゲン読影では見落とされる可能性が極めて高い写真。

次は膵臓。腹部エコーで膵臓に大きな所見はなかったのに、たまたま撮った低線量胸部CT検査で膵臓体部の大きな塊がみつかりました。1年前はほとんど正常の膵臓画像なのに。しかもエコーで見つけられなかったのに・・・これは膵臓がん。腫瘍マーカーもアミラーゼも炎症反応も異常値は示さず、もちろん自覚症状もない。たまたまCTを撮ったから見つかった膵臓がん。そんな症例画像が何例も提示されました。1年前(おそらく半年前でも同じかも)に異常がなくても信じられないほど進行してしまうことがあるのが膵臓がん。

どうしますか。膵臓がんなんてどれだけ生活に注意していてもできるし、毎年人間ドックを受けていても手遅れになる危険性がある。「最近身近の人が膵臓がんになって怖くなって」と人間ドックを受ける人が急に多くなってきましたが、検査して異常なしと云われて「良かった」と胸を撫で降ろしたところで3ヶ月後のことは保証されていないことになるのです。

そんな病気であることに医者としては無力感を感じるだけでなく、いつ自分が患者になるかもわからないという怖さも痛感する。そしてそれ以上に読影者としては”見落とし”しそうで怖いのです。この勉強会で紹介された症例はたまたま見つけられたモノばかりだけれど、見落とされて然るべき所見ですから、実際にはたくさん見落とされてしまった(もっと早く見つかったかもしれないのに)人が存在するに違いないのです。だから、いろんな意味でわたしは心が折れそうになるのです。

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