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糖尿病薬とダイエット

減量目的のGLP-1作動薬で膵炎リスク9倍

糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬を減量目的で使用する例が近年増加している。糖尿病に対するGLP-1受容体作動薬の使用が胆道疾患、膵炎、腸閉塞、胃不全麻痺など消化器系有害事象のリスクを高めることが報告されているが、減量目的での使用については安全性が確認されていない。カナダ・University of British ColumbiaのMohit Sodhi氏らは、減量目的でのGLP-1受容体作動薬使用による消化器系有害事象リスクを評価。膵炎リスクが9倍に上昇するなどの結果を、JAMA(10月5日オンライン版)で報告した。”(Medical Tribune2023年10月20日配信)

最近話題の糖尿病薬のGLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬。そのいずれもがダイエット効果の方で話題になってしまっていることをつい最近知りました。実際、この2つのこと(作用や商品名)を知りたくてネット検索したら、ことごとく『ダイエット』の話題でヒット。「通販で買うならどの商品が一番ダイエット効果が強いか」とか「GLP-1療法できれいに瘦せられるプログラム」とか・・・純粋に治療としての効能や注意を見つけようとするのは容易ではなくて、驚きました。

GLP-1受容体作動薬は、もともと体内にあって血糖を下げる作用のホルモンであるGLP-1の作用をさせる薬剤で、インスリン分泌を促して血糖値の上昇を防ぐ作用があるけれど空腹時には作用しないため低血糖は起こりにくい薬剤ですが、一方で食欲中枢へ働きかけて食欲の抑制、満腹感の維持といった効果があるので体重減少作用が認められている薬です。

SPLT2阻害剤は、腎臓からのブドウ糖の再吸収を抑えて尿中に糖を出すことで血糖コントロールをする薬で、服用している患者さんが多い様子です。出初めの頃は怪しい眉唾モノの薬として専門医でも疑いのまなざしで傍観されていましたが、血糖がスッキリ下がるだけでなくみるみる瘦せていったり腎機能が良くなったり腰痛が改善したり、想定されていなかった効果が続出して注目を浴びるようになりました。

ただ、こういう治療薬がやせ薬として注目され、ネット販売で買えたりする世の中になるとちょっと危ないなとは思います。以前話題になった甲状腺ホルモンを含ませて劇的なやせ薬として販売されたモノは命に関わる健康被害をもたらしましたが、今回の糖尿病治療薬は低血糖を起こさせない安全な薬というのが売りなものだから平易に飛びつくのだろうと推測しますが、インスリンという人間の代謝に直接作用するメジャーなホルモンをむやみに弄って何もないはずはないということは素人でもわかること。今回のような報告が、本来の目的ではない用途に歯止めをかけるきっかけになるといいと思いますが・・・ダイエット業界はそんなきれい事では済まさない悪魔と妖怪が蠢(うごめ)いている世界だから、そんな簡単にはいかないでしょう。

 

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