睡眠の話
<大人は6時間以上の睡眠を 厚労省「睡眠指針改訂(案)」公表>
”成人は6時間以上、小学生は9~12時間の睡眠を――。厚生労働省に設置された有識者らによる「健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会」が10月2日に開催され、改訂案が公表された。約10年前に「健康づくりのための睡眠指針2014」(睡眠12箇条)が出されたが、その後のエビデンスに基づいた推奨事項や注意点なども集積し、検討を重ねたものが、このほど提示された改訂案である。”
今さら云うまでもなく、生活習慣病の治療(生活療法)は『運動と食事』と、そして『睡眠』であり、健康志向の現代ではむしろ一番注意すべきは『睡眠』の質と量なのだということが、かなり周知されてきました。
長過ぎる睡眠は病気であることとショートスリーパーの寿命は短いということ。生きものはどうして『睡眠』という無防備で無駄とも思える時間を必要とするのか。先日の人間ドック学会でも話題になっていましたが、かなり奥深い話です。
といっても、ショートスリーパーを地で行く人ほど「オレは別だ」と思っています。睡眠不足や睡眠障害で悩んでいる連中が問題なのであって、自分は2時間、3時間しか眠らなくても全然眠くないし、活動中はしっかり冴えているし、何の問題もない!と主張します。”5時間未満だと肥満リスクは1.13倍(5時間以上と比較)、6時間未満では心血管疾患発症リスクが4.95倍(7時間以上~8時間未満と比較)になる”というエビデンスを示したところで無駄です。「それは統計学的データであって、世の中には例外は当然ある。その良い例が自分だ!」と得意気にそう言い放つはずです。
良いんです。そんな連中にいちいち介入する必要はありません。説得させようとすること自体が無駄骨です。もちろんわたしたちはそういう連中が突然死したり高度の障害で寝たきりになったりした患者さんを何人も診てきましたが、それを提示しても、彼らは「わたしはそんなヤツとは違う」と云うことでしょう。そんな人は放っておきましょう。でも、世の中の大多数の”凡人”の皆様には重要なデータだと思います。生活習慣病やうつは睡眠の量と質が大きく影響を与えます。睡眠不足は酒で酩酊状態になっているときとほぼ同じだと聞いています。運動や食事制限に励むことも重要でしょうが、一番は良い睡眠を取るためにどうしたらいいかを考え実践することだと思います。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 男は炭水化物、女は脂肪!(2023.11.30)
- 『かるしお』(2023.11.28)
- アルコール濃度(2023.11.27)
- 高齢ドライバー(2023.11.23)
コメント